海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「国防省、中国の龍に対して警告」と題する『フランクフルター・アルゲマイネ』紙の記事。

2007年08月20日 | 中国の政治・経済・社会
ワシントン発:国防省でも、国務省でもホワイトハウスでも、「平和の使命2007年」という名札を信用していない。それは、上海協力機構の諸国がキルギスタンのビシュケクで開いた年次集会で行った軍事演習の名札である。このウラル南部の演習には、6500名の兵士が参加した。彼らは仮想国Aの政府が上海協力機構に軍事援助を要請した後でテロリスト集団に対して投入されたことになっている。
2001年に創設された中国とロシアの同盟にカザフスタン・キルギスタン・タジキスタン・ウズベキスタンの中央アジアの国々が参加しているが、彼らは、仮想のA国に援助を与える用意があり、国連の安全保障理事会の軍事的介入のための命令を得たということになっている。彼らはテロ集団を発見し、「短期間に彼らを壊滅させた」とロシア軍のウラジミール・モルテンスコイ中将は述べた。
6年前の同盟創設以来初めてのこの軍事演習には、6000万ユーロ(96億円)の費用がかかったが、ロシア大統領プーチンは、胡錦涛中国主席と中央アジア諸国の大統領をこの演習とそれに続くビシュケクからシベリア西部のチェリアビンスクまで飛行機で来させた。
中国は、1700名の兵士と戦闘機とヘリコプターを参加させた。カザフスタン・キルギスタン・タジキスタン・ウズベキスタンの部隊も、訓練に参加した。それはロシア軍の催し物であったが、外国首脳に対して武器のデモンストレーションの機会となった。
前日、六人の国家首脳は、共同声明で、地域の安全を維持することが上海協力機構の唯一の課題であると述べた。これは、米国に対する明白な目配せである。まぜならば、米国にとっては、この地域は、アフガニスタンとイラクへの軍事介入のための前進基地であり、イランへの隣接地域として、また、地域の石油と天然ガス産出によっても、非常に軍事的に重要な意味を持っているからである。2006年に、ワシントンは、ウズベキスタンから駐留米軍を引き上げなければならなかった。キルギスタンのマナス空軍基地を国防省はその後も利用している。
再び目覚めた「ロシアの熊」と並んで「中国の龍」は、もはやただの輸出大国であるとは思っておらず、その政治的経済的力をこの地域での軍事的手段とともに示そうとしたということは、ワシントンにとっては、何ら新しいことではない。「中国の軍事力」と題する国防省の最近の報告では、中国軍の増大する打撃力に対して以前にはなかったほどはっきりと警告している。人民軍の増大する軍事的能力は、--2百3十万人の軍人は、相変わらず世界最大であるが、アジア・太平洋地域を越えて影響を及ぼしている。
第一に批判されているのは、北京が軍事費の規模と武器費用を隠蔽している点である。三月には、北京は、公式に2007年度に防衛費を17.8パーセント増やし、総額450億ドル(5兆4千億円)にすると述べた。これは公式には、米国の毎年の軍事費の10分の1であるが、国防省と情報機関は、中国の軍事費が850億ドルから1250億ドルに達していると確信している。(以下省略)
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