海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「中国、アフリカで大ばくち」と題する『アルジャジーラ』局の記事。

2006年10月29日 | 国際政治
現在の中ア関係についての新聞論調を読むと、悲観的な論調が多い。近年、世界の貧困大陸での政治的経済的プレゼンスを非難して、中国は大量殺戮の非難を受けているスーダン政府の支持者として、攻撃の的になった。
中国は、また、中国が莫大な量を輸入している石油を含めて、天然資源をため込んでいるとアメリカに批判されている。
加えるに、中国の会社は、アフリカ諸国の政治家やメディアによって安全操業が貧困であるとこと中国人労働者を輸出していると非難されている。特に、アフリカ市場に安い中国製の商品を溢れさせることによって、数十万人の生計を脅かしていると非難されている。
しかし、ある解説者は、これは植民地時代の繰り返しだと示唆するが、他の解説者は少し違った評価をしている。
「中国のアフリカ政策」
国連の「ミレニアム計画」の代表であるジェフリー・サックスは、8月に北京で講演を行い、中国の役割を「非常に積極的で重要である」と賞賛した。
貧困を減らし、基本的教育を改善するというこの計画の目標を推進するために、サックス教授は、中国のアフリカ政策がウイン・ウインの成果を上げていると示唆した。
国連主催の「中国・アフリカ・フォーラム」で講演した際、サックスは、「中国は、非常にプラグマッティックなアプローチをしている。中国は説教は少なく、より多くの援助を与えている。アフリカの指導者の圧倒的な感情は、中国の支持に対する感謝である」と述べた。
彼は、西欧の政府も中国の例をよく見て、学ぶことができると示唆した。
台頭する中国とどのように協調するかについてのグローバルな議論を反映して、中ア関係についての意見の二分は、この大陸で中国がどれほど影響を持ち始めているか、それが既存の利害関係に対してとのように挑戦しているかの尺度である。
冷戦の権力プレーの部分として、1970年代にアフリカへやってくることによって、中国の現在のサファリは、計算された商売人の本能に導かれていた。中国の官僚は、アフリカ大陸に、石油のような豊富な資源と安い中国製商品のための潜在的な消費者とを見ている。
高位の政治家は、訪問外交を繰り返している。温家宝首相は、六月にアフリカ諸国を訪問し、胡錦涛主席は、その2ヶ月前に訪問した。双方の貿易額は、中国商務省によれば、2001年には96億ドルであったが、2010年には千億ドルに達する予定である。
アフリカとの貿易関係におけるあらたなシフトが話題になっている。アフリカ大陸は、もはや、アフリカと発展した西欧諸国との間の伝統的な南北貿易パターンに依存しておらず、その代わりに、極東地域とインドとの関係に依存している。これはいわゆる南南関係である。
「アフリカの輸出」
先月発表された世界銀行の報告によると、グラフが示すところでは、アフリカの輸出の三分の一は、アジア向けである。2000年には、僅か14%にすぎなかった。同時にアジアの対アフリカ輸出は、一年に18%づつ増加している。世銀の報告書では、「新たなシルク・ロード」だと言われている。
「この新たなシルク・ロードは、世界中で最も貧困な3億人の人口を抱えたサハラ以南のアフリカに国際的統合と成長を急ぐ機会を与えた」と報告書は述べている。
「グローバルになれ」と北京政府に励まされて、中国の会社は、アフリカに広範に投資をしている。
しかし、ある西欧の政府とNGO及びアフリカのジャーナリスト達は、中国に貿易を超えて、広い社会的政治的争点、例えば良き統治や腐敗や人権などの争点を呼びかけるように頼んでいる。中国のアフリカ政策に対する批判は、このような政策が明らかに不在であることを理由にしている。
元国務次官補であるロバート・ゼリックの言葉を借りると、希望は責任ある関係者となりつつある中国に懸けられている。アフリカだけでなくイランや北朝鮮への行動に当てはまる言葉を使うと、中国が西欧の介入主義者モデルを受け入れことである。中国の外交を導こうとする試みにおいて、ブレア・英国首相は、彼のアフリカ委員会に中国代表を招待した。
北京のスーダンとの結びつきは、問題の一つである。この国の最大の外国投資家である中国は、スーダンの砂の中から、必要な石油の5%を得ており、ダルフール紛争に対して制裁を課そうとする国連の動議に拒否権を発動するぞと脅した。
中国には取引する際の透明性が欠けていることに対する憂慮も述べられている。『ニュー・ステーツマン』紙とのインタービューで、シェラ・レオネの「ナショナル・アカウンタビリティ・グループ」のザイナブ・バングラは、中国人は反汚職の仕事をむしばんでいると述べた。
「われわれは、汚職に反対する条約に15年間取り組んできた。中国がやってきて、彼らはそのどれにも署名をしなかった。アフリカ諸国の政府は、中国をG8に代わる国だと見るだろうと心配している。なぜなら、中国については、彼らは「良い統治」のことを心配する必要がないからだ。」
汚職監視グループの10月の報告によると、中国とインドとロシアは、海外で賄賂を送る傾向をもった最悪の共犯者にランクづけられた。(以下省略)
[訳者の感想]中国のアフリカ政策のどこに問題があるか鋭く指摘している記事だと思いました。
コメント
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