海外のニュースより

政治・経済・社会の情勢について書かれた海外の新聞や雑誌の記事を選んで翻訳しています。

「イラクでのアメリカ兵の戦死者、2,000人を越える」

2005年10月27日 | イラク問題
ローリー・キャロルは、なぜ、2.000人のアメリカ兵がイラク戦争で死んだのかを説明しようとする。
この短期間バグダッドで誘拐されたイギリスのジャーナリストの報告は、この1兆ドルの費用がかかった反乱--それが中近東に対するワシントンの民主化計画を混乱させているのだが、--がイラクでは全くありふれた出来事であることを示している。
 反乱の犠牲となった2千人目のアメリカ兵、ジョージ・アレクサンダーは、34才のテキサス人で、路肩に仕掛けられた爆弾で重傷を負い、バグダッドのアメリカ病院で治療を受けたが、先週、土曜日に死亡した。
テロによるイラク民間人の死亡者数は、統計では、26,690人から30,051人と推定されている。
反乱軍が生き延びている理由は、イラク人達が彼らの家や村落の中で彼らに自由に作戦行動をさせているからである。イラク人のコミュニティでは、秘密は少ないのだが、ほんの僅かな者だけが秘密をイラク当局あるいはアメリカ軍に知らせる。
キャロルは、誘拐されて普通の民家の階段の下に閉じこめられたが、そこでは女達は家事をしており、子供達は、キャロルが食事のために連れ出される度に、うれしがって甲高い声をあげた。
家族全体とその友人のグループは、一般人からなる何千もの抵抗運動に加わっていて、アメリカ人がしようとしていることに反対する抵抗者達に避難場所を提供している。ワシントンは、抵抗運動の指導者達についての情報を得るのに何百万ドルも使っているが、彼らの最も下劣な本能に対する訴えは失敗した。
ワシントンの復興の約束や、民主制が提供するすべてにも関わらず、アメリカ人がイラク国民の信頼を得るのに失敗し、重要な心の戦争に勝つのに失敗した理由は、先週のイギリスの新聞に載せられたレポートを見れば明らかである。
それらのレポートは、イギリス軍によって秘密裏に依頼された世論調査によると、イラク人の45%が連合軍に対する攻撃は、正当化されると答えている。抵抗運動を支持しているスンニー派が人口の20%しか占めていないことを考えれば、これは呆然とさせる数字である。[シーア派の中にも抵抗運動を支持する人達が沢山いるということです。訳者注。]
イラクの国中の住民の80%以上が、外国軍の滞在に反対している。70%以上の人たちが、外国軍を全く信頼していないと答え、67%の人たちが、外国軍がいることは安全だと感じさせないと答えている。43%は、平和と安定のための条件は、悪化してると答えた。
イラクでの戦死者の増加率は、以前よりも高くなっている。最初の1,000人が戦死するのに、18ヶ月かかったが、次の1,000人が死ぬのに、14ヶ月しかかかっていない。
イラク民間人の死亡率も高くなった。昨年は一日に40人が死んだが、今年は一日に60人が死ぬと推定されている。アメリカ軍兵士の死の90%は、ブッシュが2003年5月に「使命は完了した」と宣言して以後に起こった。
反乱は、今やしっかりと根を張った。ワシントンやバグダッドの当局者の「勝利は間近だ」という主張に反して、反乱軍は、武器や財源を確保し、アフガン人の戦士をアメリカ軍と戦うように訓練するために、バス輸送をするまでになった。(以下省略)
[訳者のコメント]この『シドニー・モーニング・ポスト』紙のポール・マックジョフ記者の記事を読むと、イラクの抵抗運動は、ますます力を伸ばしているように思われます。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする