杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

松崎晴雄さんの2011地酒サロンご案内

2011-03-15 21:03:45 | しずおか地酒研究会

 連日の震災報道で落ち着かない毎日ですね。静岡の街中でも、東京電力管轄外なのに節電しているお店が多く、立ち寄ったお店のほとんどがレジ横に募金箱を置いていました。

 

 街頭では大学生ぐらいの若い子たちがあちこちで募金活動をしていました。私は阪神淡路大震災のとき、駅で若い子から差し出された募金箱に、ちょうど手に持っていた切符の釣り銭を入れようとしたら、「1000円以上でお願いします」と言われ、あわてて財布から1000円札を取り出して入れたんですが、後になってどうも腑に落ちなくて(苦笑)・・・もちろん街頭募金活動をしている人のほとんどは真面目で一生懸命やっていると思いますが、私自身はそれ以来、義援金はしかるべき窓口でやっています。

 

 

 

 今日は少し気分を変えて、久しぶりのしずおか地酒サロンのご案内です。しずおか地酒研究会では、静岡県清酒鑑評会審査員の松崎晴雄さん(日本酒ジャーナリスト)に、鑑評会審査の模様や全国の鑑評会の傾向等、今年の新酒についてあれこれうかがうサロンを毎年開催しており、3月の声を聞くと「今年はいつ?」と会員さんからせっつかれる恒例サロンになってます。

 

 

 

 いつもは県清酒鑑評会一般公開の日に松崎さんが来静されるタイミングで開催しますが、今年の一般公開(23日)はあいにく松崎さんの都合がつかず、1週間後の30日夜の開催となりました。・・・被災地や計画停電でご苦労されている酒縁者のことを考えると、今週来週はお酒をせいせい飲むという気分にもなれないし、1週間ずれたのは多少の気休めになったかな・・・。

 

 

 当日は、今年の県知事賞(吟醸の部)の『正雪』蔵元・望月正隆さんにも来ていただいて、今年の仕込みについてあれこれうかがおうと思っています。県知事賞(純米の部)の『磯自慢』蔵元・寺岡洋司さんからは、この日のためにスペシャルな新酒を試飲用にご提供いただけることになってます。

 

 会場は、先月取材をし、先のブログでも紹介した『第二金座ビル・ボタニカ』カフェ。オーナー下山さんと取材後にメールのやり取りをするうちに、「面白そうな会をやってますね」と言われ、「だったらボタニカでやらせてもらえませんか?」と打診したところ、二つ返事で快諾していただきました。

 

 先のブログ記事では、老舗カフェ『ダイナ』が復活すると紹介しましたが、その後、復活話がご破算になってしまったそうで、カフェ自体はボタニカさんの自主運営になるようですが、静岡でも新しい“アーティスト長屋”的シェアオフィスにふさわしい、ボタニカらしいお店になるのでは?と期待もしています!

 

 

 

 

第37回しずおか地酒サロン~松崎晴雄さんの2011静岡県清酒鑑評会うらばなし&県知事賞『正雪』蔵元に聞く

 

 

日時  3月30日(水) 18時30分~21時頃

場所  第二金座ビル・ボタニカ(静岡市葵区研屋町28 TEL 054-254-8401) 本通り日本銀行静岡支店西隣を北へ。詳細はこちら 

講 師 松崎晴雄さん(日本酒研究家・静岡県清酒鑑評会審査員)

ゲスト 望月正隆さん(『正雪』神沢川酒造場社長)

会 費 4000円(酒・食事・講師謝礼代)

定 員 20名(お早めにどうぞ)

問合せ・申込  鈴木真弓まで msj@quartz.ocn.ne.jp

 

 なお、『正雪』の杜氏・山影純悦さん、『磯自慢』の杜氏・多田信男さんの故郷である岩手県ならびに、地酒研で松崎さんにご案内していただいたこともある宮城県の酒蔵の一日も早い復興を願って、当日義援金を募り、日本赤十字社に託します。参加予定のみなさま、よろしくお願いします。

 


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無力です

2011-03-14 08:26:21 | 東日本大震災

 計画停電が静岡県東部地区でも行われると知って、今回の震災がグッと身近に感じました。まさに『国難』状態ですね。今日はこれから浜岡原発の近くへ取材に出掛けるのですが、原発事故の恐怖、原発電力に依存する現代の暮らしの危うさは、ヒトゴトじゃない、という気分です。

 

 今朝のニュースを見て、富士川以東にお住まいの方の中でも、これまでお世話になった蔵元さん、酒販店さん、飲食店や居酒屋さんの顔が真っ先に思い浮かびました。停電が当面続くとなると、大変なことになるでしょう。富士川以西に住む我々で何か支援できることはないかと思うのですが、すぐには思い浮かびません。…東電も混乱しているようですから、「もしかしたら電力再開」「停電時間短縮」になることを祈るしかありません。

 

 当該地区のみなさまには何の役にも立たず、ただの気休めかもしれませんが、今は可能な限り自分でも節電するしかない、と思っています。


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東北地方の酒縁者情報

2011-03-12 13:16:30 | しずおか地酒研究会

 昨夜から地震のニュースにくぎ付けです。夜中も緊急地震速報のお知らせが流れるたびにビクッとし、寝室に吊るしてある洗濯物がゆらゆらと揺れるのを確かめながら、ほとんど寝られず、なんやかんやで朝になってしまいました。・・・なんだか小学生のころ、東海地震の危機が叫ばれて防災ずきんをかぶって避難訓練したときから30年以上も経って、初めて、巨大地震&大津波をまともにリアルに実感した気分です。

 東北地方にはしずおか地酒研究会を通して親しくなった酒友や蔵元も多く、ニュースでコンビニや酒屋さんの店内がめちゃめちゃになった映像を見るたびに胸が締め付けられます。

 

 

 今朝メールで、『正雪』の神沢川酒造場の望月正隆社長に、昨日の静岡県清酒鑑評会県知事賞受賞のお祝いを伝えたら、東北地方の関係者の情報を教えてくださいました。望月社長、ありがとうございました!

  

 

 

 

 

 石巻の『墨廼江』・澤口社長とは連絡が付いたそうですが、ご自宅、蔵ともに津波の被害に遭い、一階部分が水没したようです。本当にお慰めの言葉もありません。こういう場合、命が助かっただけでも…と申し上げるべきでしょうか。

 

 

 

 福島県の廣木酒造さん、会津酒造さん他数蔵、栃木県の小林酒造さんの無事は、正雪さんがお取引のある東京の小売店さんにあったようです。

 

 

 心配なのは酒販店さんで、仙台の地酒専門店は連絡が取れず。静岡酒を昔から応援してくださっている大山酒店(塩釜)は避難されているとか。

 

 また、正雪の頭(かしら)のお嬢さん(宮古)が連絡取れず、大変心配されているそうです。

 

 

 被災地とは電話やメールがつながりにくいと思いますが、静岡酒ゆかりの方々の消息がおわかりでしたら、ぜひ教えてくださいませ。

 とくに、静岡県地酒まつりinTOKYOの常連さんで、しずおか地酒研究会とも交流している仙台日本酒愛好会の福原さん、小野寺さん、連絡がとれず心配しています。どうかどうかご無事で・・・。

 

 

 

 

 

 なお、ご存知の方も多いと思いますが、3月11日開催の2011年静岡県清酒鑑評会は、吟醸の部県知事賞は『正雪』、純米の部は『磯自慢』と、ベテラン南部杜氏の本領発揮!という結果でした。山影杜氏、多田杜氏、おめでとうございました。お二人の故郷・岩手県の一刻も早い復興をお祈りしています。


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震災お見舞い申し上げます

2011-03-11 18:38:30 | 東日本大震災

 本日(11日)午後発生の東北地方太平洋沖地震で被災された方には心よりお見舞い申し上げます。宮城県にはしずおか地酒研究会とご縁のある酒友や蔵元さんがたくさんいらっしゃるので、本当に心配です・・・。

 

 

 私は地震発生時、藤枝市内の製茶会社が経営するお茶&スイーツショップで取材中で、あれ、クラっときたけど目眩かな?いや、近くを大型トラックでも通ったかなと思ったら、ケーキ工房内の大型機械がガタガタと揺れ、「この機械、ふだんはビクともしないのに・・・!」とパティシエが青くなって、地震と気づきました。

 

 

 帰りの車中でラジオニュースを聞き、ガソリンスタンドで給油中に携帯ワンセグでNHKニュースを見たら、車がおもちゃみたいに大波に呑みこまれている映像で、「ナニコレ・・・」と絶句しました。?あたり149円というガソリン代にキリキリするのも忘れ、怖くなってまっすぐに家に戻ってきました。

 

 散らかし放題の部屋ですが、幸い、本が数冊落ちていただけで大事はありませんでした。

 

 

 

 まだ余震が続いています。…理不尽だけど人間にはどうすることもできないことがあるんだと改めて思い知らされます。

 今はとりあえず、少なくともこれまで自分自身ご縁をいただいた方やお世話になった方々ならびに、当ブログ読者ゆかりの方々に災いがないことを、真に願うばかりです。

 


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サンキューを伝えたい人・一祥庵の女将さん

2011-03-09 19:47:56 | アート・文化

 今日は3月9日でサンキューの日なんですね。感謝の気持ちを伝えなければならない人はたくさんいるのに、家にこもって悶々と原稿書きに追われています。せめてブログ上だけでも、と思い、執筆の手を休めて書いてます。

 

 

 とりあえず早急にお礼申し上げねばらないのは、昨年末の『酒と匠の文化祭』でもお世話になった岡部宿大旅籠柏屋の和食処一祥庵の女将・山内裕美さんです。

 

 現在、執筆中の文化活動支援団体の取材先に取り上げさせていたImgp3755 だいて、お忙しいところを取材にご協力いただきました。女将さんに改めて一祥庵というお店の成り立ちや、蔵コンサートやギャラリー等で地域に開かれた店作りに取り組まれている、その心意気をじっくりとうかがって、同世代(…たぶん)として真に心強く思いました。

 

 

 女将さんは「蔵づくりの素敵な建物をみなさんで共有したいから」「いろんなアーティストに出会えて自分が元気になるから、少しも苦じゃない」と殊勝なことをおっしゃいますが、市の公的施設である柏屋の中での活動には、さまざまな調整が必要でしょう。ふつうに考えて、公共施設、しかも歴史的建造物で営業するレストランの外部委託運営者が、自主企画で何かやろうとするなら、施設側の管理者の十分な理解が必要でしょうし、何かあった場合の責任を負うリスクもあります。周辺住民からも、いろいろな事を言われると思います。

 

 

 そんなリスクをすべて被ってくれて、私が『酒と匠の文化祭』を開いたときも一つも嫌な思いをすることなく、スムーズに運営をすることができました。たぶんこちらの目に見えないところで、いろいろな気配りをしてくださったのだと思います。

 それでも「私、マユミさんのファンだから」とニコニコしながら手を差し伸べてくださる女将さん。誰かの活動を支えるという仕事は、本当に、その人自身、懐深~い人じゃないと無理だろうとつくづく思う。すぐにムキになったり思ったことをストレートに口にしてしまう私なんぞ、女将さんの前では「人間がちっちぇ・・・」と恥ずかしくなります。

Imgp3960  

 

 そんな女将さんに、取材後、お礼だと言って3月5日夜の蔵コンサートに招待していただきました。

 出演はハスキーボイスでお馴染み・りりィさん。こんなビッグネームが呼べるなんて、改めて「女将さん、すげぇ・・・」と思ってしまいましたが、間近で聴いたりりィさんの生歌も「すげぇ・・・」の一語に尽きました・・・! 

 

 

 

 スタンダードの『私は泣いています』はもちろん、鳥肌が立ったのは、阿久悠さんのトリビュートアルバムでりりィさんが歌ったという、八代亜紀の『舟歌』。車で来てしまったので酒が飲めず、隣で徳利を傾けながら「しみじみ~のめば~」を地で行くおじさんたちを指をくわえて見るだけでした(苦笑)。当夜の様子は、一祥庵の頼れる広報ウーマンである、ぱらぽんさんのブログをご覧ください。

 

 

 改めて一祥庵の山内裕美さん、ありがとうございました。記事に使用する写真を提供してくださったぱらぽんさんにも感謝いたします! おかげで文化支援活動の人を紹介する記事を書くモチベーションが、ますます高まりました。みなさんに喜んで頂ける記事にできるよう頑張りますね!

 

コメント (4)
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