杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

祝!松下明弘著『ロジカルな田んぼ』発刊(その1)

2013-04-11 11:32:56 | 本と雑誌

 2日のしずおか地酒サロンではサプライズがありました。『喜久醉純米大吟醸松下米』でおなじImgp1278み、稲作農家の松下明弘さんが、【ロジカルな田んぼ】(日経新聞社発行)を4月10日に発行、と発表したのです。本を書いているとは聞いていましたが、こんなに早く、しかも日経新聞社から全国発売とは、ビッグサプライズです。

 

 

 この日は講師の松崎晴雄さんと私が会を代表して見本を頂戴しました。それから連日仕事であわただしい日が続き、風邪をこじらせたりもして、合間合間に各章をつなぎ読みする程度でしたが、松下さんが田んぼや酒の会など折々で熱く語っていた、稲作という仕事への真摯な姿が口語体に近い簡易な表現で、誠実に再現されていたことはしっかり読み取れました。「ライターが聞き取って理解したような言葉をつなぎ合わせるのとは、やっぱり違う・・・」ということも、すぐに解りました(苦笑)。

 

 

 

 

Img013_2
 松下さんはご存知の通り、日本でおそらく初めて、山田錦の有機無農薬栽培に成功し、静岡県では初めて個人で農水省から品種登録を受けた「カミアカリ」を作り、大きな面積すべてで有機JIS認定を持つ県内唯一の稲作農家です。そういう彼が、「農作業の一つ一つには、すべて意味がある。その意味を知れば、工夫の余地が生まれ、これまでにない新しい農業が可能になる。農業とはどんな仕事かを、一般的に、ここまで技術ディティールに踏み込んで解説した本は、これまでないはず。」という本です。

 

 

 

 門外漢の勝手な心象で言えば、ひょっとしたら日本の農業に革命を起こす本になるかもしれない。・・・もう少し時間をかけてじっくり読み込んでみたいと思いますが、とりあえず、松下さんにどんな発刊のお祝いがいいかと考え、自分に出来ることといったらこういうことしかないなあ、ということで、本書でもドラマチックに紹介されている松下さんと青島酒造との出会いにちなみ、『喜久醉純米大吟醸松下米』という酒が生まれた1996年から97年にかけて、私が撮りためていた写真を2回に分けて紹介します。当時を知る方々にとっては懐かしいショットだと思います。記録用のプリント写真なので画像の粗さはご容赦くださいね。

 

 

 

 

 

 

 

Img015

 

 

 

 

 

 日付が見当たらなかったのですが、。1996年6月、山田錦の田植えです。苗を疎に植える(一株2~3本の苗を間隔を空けて薄く植える)ので、傍目には苗だか雑草だかよくわからない(苦笑)。本当にこれで米が実るのかなあと心配でした。

 

 

Img012_2

 

 

 

 

 

 1996年6月23日。しずおか地酒研究会で山田錦研究の大家・永谷正治先生を招いて地酒塾『お酒の原点・お米の不思議』を開催。その後の有志による現地見学会で松下さんの田んぼを先生に見ていただきました。

 

 

 

Img019

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1996年8月末~9月初め。日付は不明ですが、出穂の頃です。あんなにスカスカだった田んぼがこんなに美しく黄緑色に輝いていました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

Img013_3_3

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 1996年10月5日。再び永谷先生を招いて田んぼ見学会。青島孝さん(右端)がニューヨークから帰国して2~3日後で、彼の最初の仕事?が、この田んぼ見学会でした。

 

 

Img014

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 河村傳兵衛先生が、初めて実った松下さんの有機無農薬の山田錦を根っこから持ち上げる貴重なショットです!

 (続きはその2へ)。

 

 


最新の画像もっと見る