松下明弘さんの本『ロジカルな田んぼ』発行にちなんでの写真紹介つづきです。
1996年10月27日。青島孝さんが静岡県沼津工業技術センターの試験醸造に研修生として参加しており、有志で陣中見舞いに行きました。
松下さんが気になるのは、やっぱり米を蒸す工程。甑(こしき)の構造をじっくり観察していました。
1996年12月8日。しずおか地酒研究会の『年忘れお酒菜Party』。農家のお母さんたちの伝承郷土料理と山田錦の玄米ごはんを味わう忘年会で、当時、静岡新聞社で農産物情報誌『旬平くん』を編集していた平野斗紀子さんが司会進行をしてくれました。松下さんは初めて育てたとは思えない堂々とした山田錦を披露。ちなみに玄米で食べたのは永谷正治先生が調達してくれた徳島県産の山田錦です。松下さんの米には手をつけていませんのでご安心を(笑)。
年明けの1997年1月。いよいよ松下米の初仕込みです。現場で「松下の米は胴割れしない」と真っ先に評価した杜氏の富山初雄さん。
1997年1月25日。初搾りの日は松下さんも立会い、上槽作業に特別参加しました。
洗い場で、タメに残ったもろみの米粒をすくって食べる松下さん。一粒たりともムダにしたくないんですね。なんだか正しい「お百姓さんの姿」を見ました・・・。
こうして生まれた喜久醉純米大吟醸松下米。最初の1997年製造酒は、未だに空けられず、冷蔵庫の奥底で眠り続けています。
最後におまけ。1997年のデビュー時に作らせてもらった松下米のしおりです。当時は私が自分のワープロで打ち込んでプリントしたものを、簡易印刷で刷って、青島酒造のみなさんが1枚1枚朱印を手押しした、完全アナログチラシ(苦笑)。ささやかながら、この酒の誕生に関わることが出来て幸せです。