杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

祝!松下明弘著『ロジカルな田んぼ』発刊(その2)

2013-04-11 12:16:21 | 本と雑誌

 松下明弘さんの本『ロジカルな田んぼ』発行にちなんでの写真紹介つづきです。

 

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 1996年10月27日。青島孝さんが静岡県沼津工業技術センターの試験醸造に研修生として参加しており、有志で陣中見舞いに行きました。

 

 

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 松下さんが気になるのは、やっぱり米を蒸す工程。甑(こしき)の構造をじっくり観察していました。

 

 

 

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 1996年12月8日。しずおか地酒研究会の『年忘れお酒菜Party』。農家のお母さんたちの伝承郷土料理と山田錦の玄米ごはんを味わう忘年会で、当時、静岡新聞社で農産物情報誌『旬平くん』を編集していた平野斗紀子さんが司会進行をしてくれました。松下さんは初めて育てたとは思えない堂々とした山田錦を披露。ちなみに玄米で食べたのは永谷正治先生が調達してくれた徳島県産の山田錦です。松下さんの米には手をつけていませんのでご安心を(笑)。

 

 

 

 

 

 

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 年明けの1997年1月。いよいよ松下米の初仕込みです。現場で「松下の米は胴割れしない」と真っ先に評価した杜氏の富山初雄さん。

 

 

 

 

 

 

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1997年1月25日。初搾りの日は松下さんも立会い、上槽作業に特別参加しました。

 

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 洗い場で、タメに残ったもろみの米粒をすくって食べる松下さん。一粒たりともムダにしたくないんですね。なんだか正しい「お百姓さんの姿」を見ました・・・。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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  こうして生まれた喜久醉純米大吟醸松下米。最初の1997年製造酒は、未だに空けられず、冷蔵庫の奥底で眠り続けています。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 最後におまけ。1997年のデビュー時に作らせてもらった松下米のしおりです。当時は私が自分のワープロで打ち込んでプリントしたものを、簡易印刷で刷って、青島酒造のみなさんが1枚1枚朱印を手押しした、完全アナログチラシ(苦笑)。ささやかながら、この酒の誕生に関わることが出来て幸せです。

 

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祝!松下明弘著『ロジカルな田んぼ』発刊(その1)

2013-04-11 11:32:56 | 本と雑誌

 2日のしずおか地酒サロンではサプライズがありました。『喜久醉純米大吟醸松下米』でおなじImgp1278み、稲作農家の松下明弘さんが、【ロジカルな田んぼ】(日経新聞社発行)を4月10日に発行、と発表したのです。本を書いているとは聞いていましたが、こんなに早く、しかも日経新聞社から全国発売とは、ビッグサプライズです。

 

 

 この日は講師の松崎晴雄さんと私が会を代表して見本を頂戴しました。それから連日仕事であわただしい日が続き、風邪をこじらせたりもして、合間合間に各章をつなぎ読みする程度でしたが、松下さんが田んぼや酒の会など折々で熱く語っていた、稲作という仕事への真摯な姿が口語体に近い簡易な表現で、誠実に再現されていたことはしっかり読み取れました。「ライターが聞き取って理解したような言葉をつなぎ合わせるのとは、やっぱり違う・・・」ということも、すぐに解りました(苦笑)。

 

 

 

 

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 松下さんはご存知の通り、日本でおそらく初めて、山田錦の有機無農薬栽培に成功し、静岡県では初めて個人で農水省から品種登録を受けた「カミアカリ」を作り、大きな面積すべてで有機JIS認定を持つ県内唯一の稲作農家です。そういう彼が、「農作業の一つ一つには、すべて意味がある。その意味を知れば、工夫の余地が生まれ、これまでにない新しい農業が可能になる。農業とはどんな仕事かを、一般的に、ここまで技術ディティールに踏み込んで解説した本は、これまでないはず。」という本です。

 

 

 

 門外漢の勝手な心象で言えば、ひょっとしたら日本の農業に革命を起こす本になるかもしれない。・・・もう少し時間をかけてじっくり読み込んでみたいと思いますが、とりあえず、松下さんにどんな発刊のお祝いがいいかと考え、自分に出来ることといったらこういうことしかないなあ、ということで、本書でもドラマチックに紹介されている松下さんと青島酒造との出会いにちなみ、『喜久醉純米大吟醸松下米』という酒が生まれた1996年から97年にかけて、私が撮りためていた写真を2回に分けて紹介します。当時を知る方々にとっては懐かしいショットだと思います。記録用のプリント写真なので画像の粗さはご容赦くださいね。

 

 

 

 

 

 

 

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 日付が見当たらなかったのですが、。1996年6月、山田錦の田植えです。苗を疎に植える(一株2~3本の苗を間隔を空けて薄く植える)ので、傍目には苗だか雑草だかよくわからない(苦笑)。本当にこれで米が実るのかなあと心配でした。

 

 

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 1996年6月23日。しずおか地酒研究会で山田錦研究の大家・永谷正治先生を招いて地酒塾『お酒の原点・お米の不思議』を開催。その後の有志による現地見学会で松下さんの田んぼを先生に見ていただきました。

 

 

 

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 1996年8月末~9月初め。日付は不明ですが、出穂の頃です。あんなにスカスカだった田んぼがこんなに美しく黄緑色に輝いていました!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 1996年10月5日。再び永谷先生を招いて田んぼ見学会。青島孝さん(右端)がニューヨークから帰国して2~3日後で、彼の最初の仕事?が、この田んぼ見学会でした。

 

 

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 河村傳兵衛先生が、初めて実った松下さんの有機無農薬の山田錦を根っこから持ち上げる貴重なショットです!

 (続きはその2へ)。