杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

福島の酒と仙台の肴

2012-03-11 09:49:33 | 地酒

 昨日(10日)は午前中、宅配便が2個、思いがけない人から届きました。1個は仙台の阿部蒲鉾店の季節かまぼこセット。敬愛する利き酒師・萩原和子さんからでした。バレンタインデーにチョコを差し入れしたので、そのお礼だと思います。女同士、いい歳をして何やってんだと笑われそうですが、「おいしいものを見つけたら、あげたい。あの人ならきっと喜んでくれる」って思える相手がいるって幸せですよね。

 

 もう1個は、本当に思いがけなかったんですが、福島県いわき市の道の駅よつくら港の代表・佐藤雄二さんが送ってくださった会津の地酒『天明』。

 

 

 昨年11月、道の駅を運営するNPO法人四倉ふれあい市民会議のみなさんが静岡へ来てくださったとき(こちらを参照)、夜の街で深夜2時近くまで盛り上がって、うっかり四倉のみなさんにゴチになってしまうという失態を演じたため、後でおわびに、みなさんが美味しいと感激していた2種類の静岡の酒を送りました。

 

 そんな、おわびのつもりで送った酒に、佐藤さんは、3・11というタイミングを見計らってお礼酒をくださったのです。昨年のいわき市取材の体験は、ライター人生の中でも経験し得ない重いものでしたが、お酒の神様はこんな絆を紡いでくれたのかと本当に嬉しくなりました。

 

 

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 夕べは、そんな、届いたばかりの酒と肴で震災特集番組を見ました。いただいた天明大吟醸は、麹米が山田錦40%精米、掛米は五百万石45%精米で、2008年収穫米使用の無加圧冷蔵瓶熟成というスペック。最初は冷やで、少しずつ温度を上げ、最後はぬる燗で味わいました。

 

 燗酒用に最近使っているのが、3年前に中国杭州で買った磁器。熱湯を入れる容器(中央奥)に、左側の徳利がスポッと入るんです。ふだんは酒盃を上に伏せて収納できますし、持ち運びもできる。何より、卓上で湯燗するのにちょうどいい一人用サイズってのがありがたいです。

 

 

 燗酒といえば、NHK朝ドラ『カーネーション』の尾野真千子さん出演最終日、亡父が酒宴の隅っこで美味しそうに燗酒を飲んでいて、それを認知症気味の母が見つけてエアーお酌するシーン、あんなに美しいお酌シーンって見たことないなあとしみじみ感動しました。あのドラマは燗酒シーンがたくさん出てきて、日本酒ファンには嬉しいかぎり・・・。あれ以来、この卓上酒燗器の使用頻度も増えました。

 

 

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 3月11日今夜は青葉シンボルロードでキャンドルイベント。道の駅よつくら港のみなさんとネット中継も予定しています。キャンドル点灯は18時から。お時間のある方はぜひいらしてくださいね!