今日(29日)は数か月前から日時が決まっていた某著名人の対談取材が、ご本人のインフルエンザのためドタキャン。…私も、先日のサッカー日韓戦深夜観戦で汗をかき過ぎて風邪のひき始めだったので、実はホッとしたところです。
時間が出来たところで、ここ数日間で無作為に読んだ本についてまとめておこうと思います。まずは日本酒関連の2冊。
来月、静岡ライオンズクラブさんで地酒のお話をさせていただくため予習として参考にした、医学博士滝澤行雄先生の『一日2合日本酒いきいき健康法』(柏書房)。滝澤先生の日本酒健康法は、日本酒造組合中央会の冊子等でよく拝見していましたが、読み逃していた記事も多く、こうしてまとまった本は必携ですね。“ほろ酔いで心地よく呑める時間の計算方法”など有益な豆知識がたくさん載っていました。こちらで紹介しましたのでぜひどうぞ。
お酒がらみでつい触手したのが、蟹沢恒好氏の『香り~それはどのようにして生成されるのか』(フレグランスジャーナル社)。著者は高砂香料工業で長年、香料開発に携わった方で、香料メーカーの新人研修テキストみたいな内容。もちろん素人の私には化学記号でフレーバー生成云々と解説されてもチンプンカンプンでしたが、序章でこの一文を見てライター魂がピピっときました。
『匂いを表す言葉は幾つかあり、本文中でもいくつもの言葉が文章に合わせて使われていますので、最初にことばの意味するところを記載しておきます。
匂い・・・匂い全体をあらわす言葉
香り・・・有用な匂い
臭い・・・有用でない匂い、腐敗臭など
香気・・・科学的表現では香りを香気と呼ぶことが多い。「香気成分」など。
風味・・・口に食品を含んだときの香りと味を含めた言葉』
そう、こんな基本的な言葉使いの違いを、今までなんとなく雰囲気で勝手に使い分けていたので、生化学者に正しい使い方を指南してもらってホッとしたんです(苦笑)。
本文中の『微生物により生成される香り』の章では、醸造酒類や発酵食品類の香りができる工程を、難解な専門用語で解説。日本酒の解説だけは現場作業を思い浮かべながら過去に読んだ本の知識とつきあわせ、なんとなく理解できたかなぁ・・・。
麹造りでは、後半にかけてキノコの香りがするときがあるんですが、あれって「マツタケオール」って香り成分だそうです。そのまんまじゃん(笑)。
フルーティな吟醸香は「エステル類」が主成分。アルコールと酸の組み合わせによって200種類ものエステルが造られます。日本酒とワインで比較してみると、代表的なカプロン酸エチルは、日本酒で平均3ppm、ワインで4ppm。静岡酵母が得意な酢酸イソアミルは日本酒3ppm、ワイン0.1ppm。
・・・つまりワイン好きの方はカプロン酸系の香りに馴染んでいるから、日本酒、とりわけ静岡酵母の酒は香りに物足りなさを感じるかも・・・ってことかな? いや、逆にワインと異なる香りだからこそ、日本酒を選ぶモチベーションになるってことかな。
ワイン通の方、ご意見をお聞かせください。