杯が乾くまで

鈴木真弓(コピーライター/しずおか地酒研究会)の取材日記

呑んだらみかん、骨にもみかん

2008-01-01 16:42:47 | 農業

 あけましておめでとうございます。初日の出も富士山も鮮やかに拝めましたね(テレビを通してですが…)。

 大晦日から実家に帰り、コタツにみかん、しています。みかんといえば、現在、制作中のJA情報誌でみかん特集を組み、昨年末、果樹研究所カンキツ研究興津拠点の杉浦実先生から、温州みかんのすごいパワーを聞いてきたばかりで、この冬は毎日3~4個は食べるようにしています。

Photo_3   杉浦先生の研究チームは、三ヶ日町の住民1000人を対象に、温州みかんに特に多く含まれるカロテンの一種<β-クリプトキサンチン>をバイオマーカーにして、みかんの健康機能性を探ったところ、みかんを多く食べる人ほど、

①肝疾患のリスクが低い

②動脈硬化のリスクが低い

③インスリン抵抗性のリスクが低い

④骨密度が減るリスクが低い

―ということが判明しました。みかんにビタミン・ミネラル・食物繊維が多く、風邪や便秘の予防に効果があるとは知っていましたが、みかんという果物を対象に、いわゆる生活習慣病との関連で本格的に疫学調査したこと自体、画期的なことで、さらに機能性効果が期待できると判ったわけで、みかん産地静岡の住人としては大変喜ばしいことです。

 とくに、肝機能障害に防御的に働くとか、骨粗しょう症の予防に有効との情報は初めて知ったこと。あれば食べるけど、ありがたがっていただくほどの存在ではなかった…はずのみかんが、今は、かけがえのない存在に思えます。

 みかんの消費量はあまり伸びていないそうですが、「温州みかんは、日本発の健康機能食品として海外にもアピールできる」と杉浦先生。数は少ないものの、アメリカに輸出された静岡のみかんは、向こうのオレンジと違って剥きやすく食べやすいので“TVオレンジ”(テレビを見ながら頬張れる)と人気を集めているそうです。

 テレビを見ながら静岡酒をチビチビやるときには、静岡みかんを傍らに置くのをお忘れなく!