メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

ヒデと俊輔と

2006-07-04 21:39:11 | 中村 俊輔
ヒデが引退したことは、今も尾を引いている。
昨日の私は言葉が足りなかった。
まずは、長年お疲れ様と言いたい。

ヒデは、俊輔とライバルだったと思う。
ヒデと俊輔、さらには小野という、3人の天才が揃った年代だった。

前回のW杯日韓大会では、トルシエはヒデを中心に置いたために、俊輔が左サイドに追い込まれたと思っている。さらに、選外となった。
何をやるにも、日本にはまずヒデがいた。
俊輔は2番手だった。
だから、どうしてもヒデにはいい印象を持てなかった。

けれど、ジーコではヒデはボランチで、トップ下は俊輔だった。
私は楽しかった。
ヒデが前に出ずに、中盤の底として機能していた時、日本は強かった。

だけど、W杯ドイツ大会ではヒデはどうしても目立ちたかったと思えるんだなぁ~。
ボランチから中盤を省略して、何度もトップにロングパスを送ったことで明らかだ。
俊輔の発熱や故障があったから、直前の練習ができなくていたし方ないんだろうけど、ヒデのロングパスによって、俊輔はボールに触れられずにいた。
オーストラリア戦等、俊輔へのマークがキツく、俊輔が削られ、負傷した面はあったとしても、あまりにも中盤選手が消えるようなパスの連続、それによってトップの選手が疲弊してしまったから、私はヒデのパフォーマンスは苦々しいのだ。
パスミスも多かったし。

ヒデが活躍する時、他の選手の評判は芳しくなかった。
自分が生き、他の選手も生きるといったプレーが少なかった。
私はずっと「なぜ??」と思っていた。

能力のある選手が並んでいても、合わないこともあるんだなと、悲しかった。
今年はヒデと俊輔の関係が良かったから期待していたのに、肝心な時にダメだった。
なんでヒデは俊輔にボールを預けない??
そればかりか、オガサにも預けない??
まさか、他の中盤選手を目立たなくさせるためと思いたくないが。。

誤解のないよう書くと、ヒデは押されても倒れないフィジカルを誇り、最後まで集中してチェイスできる、優れた能力の持ち主だと思っている。
それだけに、なぜ日本代表がこれまでやってきたサッカーでなく、自分が目立つサッカーをしたのか不思議だった。
が、この引退によってやっとわかった。
ヒデは最後の試合で、自分が中心となる試合をしたかったのだ。
他の選手はいわば巻き込まれてしまったのだ。
これは、ジーコの“選手任せ”によって起こった悲劇。

ヒデは上がり目がやりたかったんだなぁ。
俊輔の左サイドを不服に思うのと同じ感情だろう。

今さら取り戻しはできない。
選手に戦術を任せると、こういった、選手個々の“本当にやりたいこと”をやってみたいというエゴも出てしまう。
自分たちがチームの“パーツ”として“自己犠牲”の元に成り立つフランスみたいなチームと比べると、結束力の緩さは明らかだ。

監督の戦術に縛られることなく、「For The Team」と心から願ってプレーできるようになるまでには、日本には歴史が浅かったと言わざるを得ない。

“結束力”を手にした時、日本代表は真の強さを見につけているだろう。