メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

RushのCounterparts

2006-07-01 21:53:56 | メロディック・ハード
カナダ出身の、元祖メロディックハードバンド、Rushの1993年の作品。
彼らは1968年にトロントでデビューした。なんと、今年で結成38年!!
未だに現役で活躍し、Dream Theaterに大いなる影響を与え、メロディック・ハードやプログメタルなどの隆興をみるきっかけとなった大ベテランである。

さて、通算19作目の「Counterparts」は、1993年という時代背景を考慮に入れなければなるまい。
当時は、ニルヴァーナなどのグランジロックがはやっていた。
それの影響か、テクニカル一辺倒でなく、サウンドに“歪み”を持たせ、ハード、ラフさも取り入れている。
同時に、Alexのギターがフューチャーされた作品が多く、勢いと変化に富んだ素晴らしい作品に仕上がっている。

前々作「Presto」前作「Roll The Bones」では、Rushの方向性が固まってしまった感があったが、「Counterparts」では既成観念をぶち壊し、よりスケールアップした。
4曲目の“Nobody's Hero”は、アコギでマイナーちっくに始まり、次にシンセに導かれるように外に広がる展開は、私の脳内をクリアに刺激する。
一緒に霧が晴れていくようだ。

9曲目の“Leave It Alone”は、YYZと並ぶ高度なインストナンバーだ。
ニール・パートの変幻自在な変リズム、Alexの引っ掻くようなギターソロ、ゲディのリード・ベースたる洒落た入り具合がたまらない。

そして11曲目の“Everyday Glory”だ。
エッジの利いたギター、リズムギターを兼ねるドライブ感のあるゲディ・リーのベース、ハードなサウンドの中に生きる、ソフトなゲディ・リーのハイトーン・ヴォイス!
キャッチーでヘヴィーだ。
ニール・パートの哲学的な詩を『明日を希望に満ちた1日にしよう!』と明日への活力に変える自分流の解釈によって、気分良くアルバムは終了する。

捨て曲がない。
中後期での最高傑作であると確信する。97点。