メロディック・ハード/メタルが好き~♪

シンフォニックでメロディアスなのHM/HRのCDを中心に感想を書いていきます。サッカーやバレーのことも。

AvantasiaのGhostlights

2016-04-09 13:29:58 | メロディック・ハード
EdguyのTobius SammetによるプロジェクトAvantasiaの7作目。
シンフォニックなロックオペラ。
 
今作も、捨て曲なしの素晴らしい出来。
キャッチーさは若干少なくなったかも知れないが、細部まで作り込まれていて、聴くほどに惹き込まれる。
シンフォニックで、曲の展開が多く、その芸術性の高さは、少し聴いただけでもわかる。
 
今回のゲスト・ボーカリストは、おなじみのヨルン・ランデ、マイケル・キスク、ボブ・カトレイが、それぞれの持ち場を固める。
2回目のロニー・アトキンス、シャロン・デン・アデルが、要所を守る。
期待通り、いや、期待以上のパフォーマンスで酔わせてくれる。
 
初参加のロバート・メイソン、ディー・スナイダー、ジェフ・テイト、ハービー・ランガンス、マルコ・ヒエタラらは、それぞれ個性的で驚きの歌声を聴かせてくれる。
新風を送り込むことを超え、主役を取ろうとするかの勢いだ。
皆の力が劇的に融合して、圧倒的な作品を作り上げた。
その迫力と、パフォーマンスの高さに、心から満足させてもらえた。
 
 
1曲目の“Mistery Of A Blood Red Rose”は、女性コーラスを従えて、トビアス一人で歌い切る。
シングルカットできそうな、コンパクトな曲だ。
いきなり重厚で始まっていたこれまでの幕開けと違い、身構えないでいいから、軽く聴ける。
 
今作『Ghoastlights』の中心となる曲は、12分を超える2曲目の“Let The Storm Descend Upon You”だろう。
4人のボーカリストが、入れ代わり立ち代わり歌い上げる。
そのやり方は、1stから変わらない。
ライブで再現されたら、興奮するだろう。
 
3曲目の“The Haunting”は、ディー・スナイダーが悪夢役で邪悪に歌う。
Avantasiaに必ず1曲ある、スローな異次元空間を、しゃがれ声で迫る。
トビアスは、突破口のつかめない閉塞感をもがく気持ちを、叫んでいる。
 
私が1番好きなのは、4曲目の“Seduction Of Decay”だ。
ヘヴィーでありながらシンフォニックで、広がりがあるサウンド&うねりのあるリフ。
ジェフ・テイトの歌が迫力があって見事だ。
完全にトビアスを食っている。
声の好みは、絶対的にトビアスなのに、高音の突き抜けが心地良い。
間奏は、オリエンタルで、どこかDream heaterの“Home”を思い出させる。
異国情緒が、また違った次元を感じさせ、広がりとなる。
曲の終わりに余韻を残すのがまたいい。
 
そして、間髪を入れず、マイケル・キスクの5曲目“Ghostlights”が始まる。
アップテンポで、Helloweenタイプのリズムなので、これはマイケルの曲だとすぐわかる(笑)
これもAvantasiaの1面。
「They  call me home」の4連続は、ライブでは完全に一緒に歌うパートでしょうね(笑)
 
6曲目は、ハード・ポップとも言える“Draconian Love
ここで、トビアスとボーカルを務めるハービー・ランガンスの声がとにかく低く、異色である。
暗闇の住人というか、光の消滅という役を、声だけでも表現している。
ドラキュラ伯爵というか(笑)
普段は、Seventh Avenueで声を張り上げているというので、動画を見たら、まるでDio。
別人のようだ。
キャッチーで聴きやすい。
 
7曲目のNightwishのマルコ・ピエタラ参加の“Master Of The Pendulum”の緊迫感は凄まじい。
ヘヴィーなAメロBメロに比べると、サビがキャッチーだ。
 
8曲目のWithin Temptationのシャロン・デン・アデル参加の“Ise Of Evermore”は、ケルト音楽が入っている。
シャロンが美声を濁らせて、切なそうに歌うのがいい。
女性ボーカルはこの曲のみなのに関わらず、しっかりした存在感だ。
トビアスが、シャロンに合わせて?切なそうに歌っている。
 
この曲に限らず、トビアスはまずゲスト・ボーカリストに歌わせてから自分が歌うというスタイルを取っている。
ゲストは自分の持ち味をフルに発揮しており、トビアスはそれに敬意を払っているかのように、多少影響を受けた歌い方をしている。
そういったトビアスの幅の広さが素晴らしい。
トビアスの作る曲は、ゲストに合わせているのか?
彼らのバックグラウンドにあまりにも合っている。
いや、合わせているのではなく、作った曲に合うボーカリストを当てはめているのか?
ともかく重要なのは、ゲストのバックグラウンドまでも取り込んでしまうトビアスの凄さだ。
それによってもたらされる広がりが、Avantasiaの魅力である。
 
9曲目の“Babylon Vampyres”はアップテンポな曲。
出だしのツインギターからして、高揚する。
ギターソロでは、サシャ・ピート、オリバー・ハートマン、ブルース・キューリックが順に弾きまくる。
高音を効果的に生かすブルース、リズミカルな早弾きなオリバー、メロディアスで華麗なサシャって感じだ。
3人とも素晴らしいが、私はサシャが好き。
演奏にタメがあるから。
エモーショナルに心にダイレクトに響いてくる。
ロバート・メイソンの、ソウルフルに張り上げた歌と、トビアスの甘い声との絡みがいい。
 
10曲目は、ピアノで始まるバラード、“Lucifer
地味目だが、私は好きだ。
なぜなら、後期Purpleのデビッド・カバーディルとグレン・ヒューズのような声を感じたから。
 
11曲目の“Unchain The Light”は、サビを歌うマイケル・キスクの高音が印象的だ。
キスクの声は、歌詞の通り、天高く響き渡っている。
ちょっと軽めのAメロが洒落ている。
 
12曲目は“A Restless Heart And Obsidian Skies
ここでやっとボブ・カトレイが登場する。
Spirit(魂)という役柄を、混じりけのないまっすぐな気持ちで歌い上げる。
1曲目と同じように、ゴスペルっぽい。
 
 
『Ghostlights』は、まさに世の中と心の希望のない闇を表現している。
闇と時間を操ろうとする権力に、自分が消滅する怖れを抱きながらもがく、トビアス扮するアーロン。
幽霊が持つ「Ghostlight」は、負へのエネルギーに思えた。
神も天使も希望も腐敗し、アーロンは闇を彷徨い、いつしか命を落とすのかと思っていたが、
この最後の曲により、多少は希望が持てる結果になったように私は受け止めた。
自分に降りかかる圧力を緩められたのだ。天からのゴーストライトを浴びながら。
 
“Lucifer”では、月はBloodshot(充血している)で、夜はscarlet(緋色)だったものが、
“A Restless Heart And Obsidian Skies”では、夜は暗く(Dark)、月はscarlet(緋色)に変化している。
さらに、空はObsidian(黒曜石)が、ポイントだ。
黒いけど透明ということで、闇に見えても濁ってはいない、暗いだけと私は理解した。
アーロンの中で、怖れや邪悪さは浄化されつつあるのだろう。
 
歌詞は難解で、理解しきれていないが、自分なりの解釈でいい。
そう、「I'm on my way」で。

The Richie Blackmore Story

2015-11-23 16:23:51 | メロディック・ハード

Deep Purple、Rainbow、Blackmore's NightのギタリストであるRichie BlackmoreのインタビューDVD。

リッチー自身と、リッチーから影響を受けたギタリスト達、音楽評論家、キャンディス・ナイトのインタビューがふんだんに使われ、リッチーがいかように音楽を作り、音楽に対峙して来たかを表している。
随所にライブ映像が使われており、それを見ているだけでも楽しい。

リッチーが、音楽面で対立すると、自分と合わない相手を切るという事実は、あまりにも有名だ。
理由は簡単、自分のやりたくない音楽はやらないからだ。
それを、我儘、偏屈、固執、変人と、さんざんな言われようをしてきた。

だが、リッチーから出てくる音は、中世の音階を取り入れたオリジナリティ溢れるロックで、その独自性は他の追随を許さない。
ブライアン・メイやジョー・サトリアーニ、スティーブ・ルカサー、イアン・アンダーソンなど、数々のギタリストやアーティストが証言した。
彼がいなかったら、今ある音楽はなかったとさえ。
リッチーの音楽性に惹かれる私としては、すごく気持ちのいいDVDだ。
もっと褒めてほしいと思ってしまう。

また、私はPurpleより断然Rainbowが好きだ。
その理由がわかった気がする。
つまり、Purpleはブルースが好きなイアン・ギランの要素があるから。
リッチー色が薄まってしまっていたのだ。
Rainbowがどうキャッチーに変化しようと、付いて来られたのは、根底にあるリッチーらしさが普遍だからだ。
彼がRainbowの中で一番気に入っている“Street Of Dreams”を聴き直してみたくなった。

他に、なぜ人気絶頂だったPurpleを脱退してしまったのか(ファンキー色が強まった)など、リッチーの口から改めて語られ、感慨深い。

リッチーは、内に引き篭った時に、いいアイディアが浮かぶという。
内から発してくる音を、必死に正直に表現してきたように受け止めた。時に狂気と言われながら。
それが、天才である証なのだろう。


Boston/Heaven On Earth Tour

2014-10-13 22:17:30 | メロディック・ハード
2014.10.9  於:日本武道館

ボストンのライブ。
35年ぶりの来日という。
 
トム・シュルツは変わらぬ容貌、サウンドは、月日を感じさせなかった。
トムは、ギブソンのロゴが入った、黒いスリーブレスのTシャツを着ていた。
下は、白っぽいハーフパンツ。
長身で、お腹が出ていない彼は、ラフな格好と裏腹に、禁欲生活を送ってきたのではと思わせる。
左膝には、青い靭帯保護用のサポーターをはめ、右腕にも細いサポーターをしていた。
 
何かあったのか?それとも予防?
 
ライブは、“Rock & Roll Band”で始まった。
手拍子に合わせ、ノリノリの演奏を聴かせてくれる・・・
もしかして、私のこの手拍子がトムに届いているなら・・・
トムの演奏に合わせて、私が一緒に歌っている・・・
そんな妄想を持ち、すごく幸せな時間が流れた。
 
新作Life, Love & Hopeからの曲が始まった。
私は、BostonはThird Stageで終わってると思ってるので、一気に冷めてしまった。
Bostonのアコースティックな魅力や初期の瑞々しさがなく、もはやAOR化してしまったからだ。
でも、新作からは“The Last Day of School”と“Life, Love & Hope”だけ。
彼らも心得ているのだろう。
 
“Peace of Mind”が始まった。
今思うと、ドゥービー・ブラザーズの“Listen To The Music”からの影響大なのね。
派手なピックスクラッチが楽しい。もう一人の痩身のギタリストGary Pihlとやたら連発していた。
 
爽やかで、当時のAmerican Dreamが思い出され、とてもいい。
コーラスは、ブロンド女性のKimberley DahmeyやGary Pihlも担当し、分厚くて美しい。
 
ギターソロは、思いの外ヘヴィーで、早弾きもできる。
タッピングによる息を付かせぬ早弾きは圧巻だった。
Kimberley Dahmeyも入れてトリプルギターは、見ごたえが聴き応えがあった。
 
Hitした“Don't Look Back”や、むしろ後発のアメリカン・ハード・プログレの影響を受けたとさえ思われるキャッチーな“Amanda”にうっとり。
宇宙船の音から始まる、広がりのある“More Than a Feeling”は、本当に素晴らしかった。
難しいと思われるBostonサウンドの完全再現。
ネットで見つけたというTommy DeCarloの歌声は、想像を遥かに超えて、Brad Delpだった。
ライブでの歌声なら、彼の方が上かも知れない。高音が抜けていたなぁ。
 
“Foreplay / Long Time”も素晴らしかった。
キーボードソロでは、ここでもバロック音楽から影響を受けたような、リズミカルな響きだった。
トムは、何をやっても素晴らしいし、絵になる。
 
 
ただ、欲を言えば、バラードがほしかった。
“A Man I'll Never Be”が聴きたかった。ホントに聴きたかった。
“Livin' For You”でもいい。
そうすれば、やや一本調子なリズムに変化がつけられただろう。
っていうか、キャッチーで心を揺さぶるベタなサウンドを私が欲したのだ。
 
高度な演奏はみんなを満足させ、優れた楽曲は色褪せないのだと思わせるパワーがあった。
何歳になっても、変わらないBoston!
この頃のようなサウンドがまた流行らないかと、密かに期待している。
 
 
セットリスト
 
1. Rock & Roll Band
2. mokin'
3 .Feelin' Satisfied
4. The Last Day of School
5. Life, Love & Hope
6. Peace of Mind
7. It's Been Such a Long Time
8. Cool The Engines
9. Surrender to Me
10. Don't Look Back
11. Something About You
12. Amanda
13. The Launch
14. More Than a Feeling
15. Instrumental
16. A New World
17. To Be a Man
18. Get Organ-ized
19. Walk On (Some More)
20. Foreplay / Long Time
 
アンコール:
 
21. I Think I Like It
22. Party

TOTOライブ!!

2014-04-27 08:49:29 | メロディック・ハード

35th Anniversary Tour Liveの一環らしい。

そんな基礎情報もなく、ライブに来てしまった。
けれど、結果は来て正解!
彼らの35年間のキャリアは、ここに来てより一段と円熟し、素晴らしいパフォーマンスを見せてくれたのだ。

何より、スティーブ・ポーカロが復帰し、TOTOのキャッチーで耳障りのいいサウンドを聴かせてくれたのがいい。
彼のいない時代のTOTOサウンドは、技術的には及第点なんだけど、何か惹きつけるものがなかったんだよね。
この日のライブは、スティーブ・ポーカロ側の高い場所からだったので、彼がどんなタイミングでどんなフレーズを弾いたのかがはっきりとわかった。
今更ながら、Africaのキーとなる異民族的なフレーズは、彼なしでは得られなかったのがわかった。
そして、スティーブ・ルカサーと共に、曲の急転換を演出していた。

音楽的リーダーは、むしろデビッド・ペイチの方だと思っていたが、そうでもなかった。
彼のクラシカルな要素は、TOTOサウンドのエッセンスのひとつに過ぎなかったのだ。

そのスティーブ・ポーカロは、いつものように踊りながら楽しそうに演奏していた。
曲によっては、後ろ向きになって弾いて・・・。
メンバー紹介の時でも、ジョゼフとか、敬意を持っていたのがわかった。
彼は、“Feeling”でボーカルも取っていた。

でも、なんと言ってもスティーブ・ルカサーだろう。
往年の輝きを倍加させるフレーズの数々。
リズムの難しい早弾きであるでも難なくこなす。
そして一番の魅力である、バラードでのギターソロ。
“99”、“I Won’t Hold You Back”、日本の女性に捧ぐと言っていた“I Will Be Over You”
余韻があり、うっとりするほど美しい。
ライブだからと、過度に長く演奏することなく、オリジナルのままに、エモーショナルはいっぱいだった。
それを聴いているうちに、80年代にこの曲を一緒に聴いた人の顔が、浮かんでは消えた。
35年の時の流れは、こう思うとあっという間だったし、流れたからと言って変わるものでもない。
その記憶の断片を、ルカサーのギターは優しく包んでくれた。
涙が出そうになった。

ジョゼフの歌声は、全く色褪せていなかった。
むしろパワーアップしたんじゃないだろうか?
(腹がパワーアップしたのは間違いない)
“Rosanna”や“White Sister”の高音部など、キレイに出ていて、聴きごたえがあった。
ストレスが全く感じないばかりか、もっと聴きたくなる。
観客をノセるのもうまく、両手であおったり、一緒に歌わせたりしていた。

スティーブ・ルカサーのMCの時に、うまく説明が行き渡らないと心配して、タカハシさんがステージに出てきた。
ツアースタッフだろう。珍しい光景だ。
彼は僕より日本語がうまいという説明だった。笑える。
天国にいるジェフ・ポーカロ、闘病中のマイク・ポーカロに向けて、1曲歌った。


ライブは、“Hydra”や“St.George And The Dragon”、“Anthem”(1部だけ)、“Hold The Line”の、初期ナンバーが多かった。
これが、すごくうれしかった。
TOTOがデビューした時の衝撃は大きかったものね。
定番の“Africa”も、何回もサビの『I bless the rains down in Africa』を会場にいる皆で繰り返し、広大な大地に雨が注ぐイメージが広がった。
ちなみに、歌詞がうろ覚えだった私は、テキトーに『I feel the rain from the Africa~』とか歌っていた。
『アフリカからの雨を感じて・・・』って、なんだそりゃ??

ZEPみたいなリフが強力で、ギターソロがヘヴィーはブルースナンバーとか、知らない曲もあったけど、楽しませてもらった。
“Pamela”“Hold The Line”は、ライブ向きで、盛り上がる。
ベースのネイザン・イーストによる会場のとの掛け合いも楽しかった。

今度は40年記念になるのだろうか?
またぜひ来日してほしい。健康に気をつけて・・・


Moon Safari の Himulabacken Vol.1

2013-09-22 17:13:57 | メロディック・ハード
スェーデンのPOPなプログレバンドの4作目。
このバンドをジャンル分けするのは、本当に迷う。プログレなのは間違いないが、コーラス多用の歌メロはPOPだし、暗さはなく爽やかなのだ。
 
今回は、前作『Lover's End』にあったハード・ロック路線は減り、その分プログレ感が復活した。
私には、ちょっぴり物足りない。
“Heartline”のような、ヘヴィーなギターソロ、アップテンポな曲があっても良かったのに。。
とは言え、それを抜きにすれば、質の高い作品が多く、丁寧に仕上げたのがわかる。
 
アカペラの“Kids”で幕を開ける。
Moon Safariは、コーラスが本当に凄い。
こちらは、“Constant Blooms”と違い、マーチング・バンドのように堂々とスケールの大きさを表現している。
 
2曲目の“Too Young To Say Goodbye”は、私の一番好きな曲だ。一番HRっぽいから。
弾けるようなPOPなリズムに、泣きのギターが重なる。
今作では、ビーチボーイズっぽいコーラスよりも、むしろQueenっぽいコーラスが多い。
が、“Too Young To Say Goodbye”では相変わらずカラッとしたコーラスと、Petterのソウルフルな歌声が聴けて心地いい。
 
3曲目の“Mega Moon”は、オシャレな曲だ。
Simonの素直で清潔な声が心にしみる。
メインのメロディに挟み込まれる、攻撃的で泥臭いコーラスとか、時代を思わせるピアノ、これぞプログレ的な暗さが楽しい。
曲調がコロコロ変わって、どう展開するのかわからないのに、最後はギュっとまとめてしまう。
そして、最後の最後に、男マンハッタン・トランスファー登場!!
いやぁ、すごくうれしい。
これだけ盛りだくさんなのに、全然疲れさせないのはさすが。
 
4曲目の“Barfly”は、ビートルズっぽい。
オルガンの音色や、ドラムスのリズムとか、やけに古い。
なのに、Moon Safariのコーラスが加わると、雰囲気が一変してしまうのだ。
何だか、ギターがロイネっぽいから、後半はFlower Kingsのよう。
 
5曲目の“Red White Blues”は、爽やかなラブソング。
「Red White Blues」は、どういう意味なのだろうか?
アメリカやイギリスの国旗??
 
6曲目の“My Little Man”は、産まれたばかりのPontusの子供のことを歌ってる。
シンプルでアコギ1本で歌われており、即興で作ったのでは?って感じだ。
 
7曲目の“Diamonds”には、
「My uncle on my father’s side’s a farmer…」とあり、さては、ジャケットの絵は、ここから来ているのかと思った。
歌詞を読むと、
【祖先の土地で生き、そして働くことが 僕たちの正義が要求している贈り物なのかもしれない】
【ああ 僕が彼のようになれたらどんなにいいだろう 加速する世界から解放されるんだ】
とあり、変哲もない昔ながらの毎日を、当然のように実直に暮らすことへのあこがれが読み取れる。
そんな伯父の言葉、【盲目が手にしてる石以上の価値が、ダイヤモンドにあるのか】が繰り返し歌われる。
自分が欲しいものを手に入れるために、前に進み、自由を失う。
大地を相手に逞しく働く農夫達へのエールにも思える。
 
ジャケットの写真には、貧しさや孤独感を感じてしまったが、本当はそうではないのだろう。
そして、タイトルにある天国の丘に関連するのだろう。
う~ん、どうもわからない。だったら、空の色を明るくしてくれ~~。
 
サウンドは、バレンタインのような軽快なピアノで明るく始まる。
軽く爽やかで、ジャケットの写真だけアンバランス。
 
8曲目の“Suger Band”は、ゆったりした3拍子で始まる。
タイトル通り、甘い雰囲気だ。
が、これもしばらくすると曲調が変わり、切なくなったり、コーラスで盛り上がったりする。
中盤以降は、まるでFlower Kingsで、とてもいい。
Flower Kingsと同様、聴き終わった後の幸せな気分や満足感が味わえる。
 
 
聴き込むほどに、魅力が溢れてくる。
すごいアルバムだ。
でも次は、もっとヘヴィーめでお願いします。

Blackmore's Night の Dancer And The Moon

2013-08-18 13:22:39 | メロディック・ハード

Blackmore's Nightの8作目。

68歳を迎えたRichieの、相変わらずの作品である。
が、もはや変わる余地はないし、変わる必要もないのだ。
キャンディスとの間には、第2子が誕生したという。
そっちの方がよっぽど驚きだった。

簡単にまとめると、これだけのあんまりなレビューになってしまうから、もうちょっとひねり出してみよう。


曲は、1stの『Shadow Of The Moon』に多く聴かれたルネッサンス調や、2ndの『Under The Violet Moon』に多く聴かれた民族音楽トラッド調、4th~でよく聴かれた、誰かのカバーをブラナイ風に調理し、ついでにエレキ・ギターも演奏も入れてみましたって曲がバランス良く配置されている。
マンネリの中にも確かな満足感がある。
よく聴くと、初めて聴いたと思うが、サウンドを電気処理した曲もある。

私が一番気に行ったのは、3曲目の“Last Leaf”
ルネッサンス調で、アコギと民族的なホイッスルとキャンディスのボーカルによるシンプルな曲。
儚げで危うい。ブラナイの原点を感じさせる。
キャンディスの表現力は、さらに深まった。

一般受けするのは、1曲目の“I Think It's Going To Rain Today”じゃないかなぁ。
明るくて堂々としているし、POPでもある。
ベッド・ミドラーの曲だけあって、耳馴染みが良く、気がつくとリズムを取ってしまっていた。

Rainbowの“Temple Of The King”もカバーしている。
ブラナイを初めて聴いた時、真っ先に思い出したのがこの曲。
Temple Of The Kingがあったから、ブラナイにもすんなり入れた。
けれど、残念ながらこのアレンジはあまり好きではない。原曲の方がいい。
ギターソロだって、原曲は空間を切り裂いて登場してきたのに、今回はあくまでも添え物。

Urah Heepのカバーという4曲目の“Lady In Black”は、リズムやリフがRainbowの“16th Century Greensleeves”を思い起させる。

そして先ほどちょこっと書いた、電気処理した11曲目の“Moon Is Shining(Somewhere Over The Sea)”
ライナーには、10曲目のロック・バージョンとあるけど、まるでテクノ・ポップのような始まり。
あんなにアコースティックにこだわっていたRichieが、いったい??
この曲だけ聴いて、ブラナイと当てられたら偉い!!(ギターソロ除く)

ラストには、John Loadへの追悼作“Carry On…Jon”
60年代後期の空気感のあるブルースっぽいインストナンバー。
Richieは、Johnとこういった曲を演奏するのが好きだったんだろう。
ブラナイ風にも、60年代風にも聴こえる。自由なプレイがいい。
ある意味、Richieが弾けば一緒になるのだろう。
Richieは、昔から奥底はブレていなかったのだ。


Styx の Mr.Robot

2013-07-21 13:28:08 | メロディック・ハード

今朝の読売新聞の編集手帳に、こんなことが書かれていた。
大変だけど、書き写してみる。
 
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米国のロックバンド・スティクスが生んだ『ミスターロボット』(1983年)は、日本語の歌詞で始まる。
♪ドモ アリガト ミスター ロボット マタアウヒマデ…

日米両国が自動車、半導体と貿易摩擦に揺れた時代、ジャパン・バッシングも起こる中での“ありがとう”である。曲調も明るい。
いいものはいい、だから日本製品を買う、という米国市民の理性抜きには、曲の大ヒットは説明できないだろう。

かつて自動車産業で栄えたデトロイト市が財政破綻した。
ゼネラル・モーターズの不振から失業者が増え、人口が往時の半分以下まで減ったという。
廃墟となったホテルやビルが街のいたる所に残されている。

アーサー・ヘイリーの小説『自動車』(新潮社)にある。
会社の重役は、月曜と金曜に製造した車を決して買わなかった。
日曜と給料がもらえる木曜は、工場の労働者たちが深酒をする。
二日酔いで作った車は不良品が多く、とても乗れたものではないと。

一つの都市を人の心がだめにしたのかもしれない。
やっぱり誠心誠意、仕事をしないと。
お客さんに、ありがとうと言ってもらわないと。

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恐らく、言いたいことは、最後の2行だろうと思われる。
参議院選挙も絡めているのだろう。
人の心が都市どころか、国家も滅ぼす。
人に感謝されるために、一生懸命に仕事をする必要がある。
議員さんにはそういう仕事をしてほしいと、暗に訴えていると受け止めた。


そして、スティクスのことを考えた。
当時の記憶では、『ミスターロボット』は、日本に対する皮肉だと思っていた。
まるでロボットのように、感情を内に秘めて働く日本人。
有能かも知れないけど、とっつきにくい。
何を考えているのかわからない…

なので、ここに書かれているように、
【いいものはいい、だから日本製品を買う、という米国市民の理性抜きには、曲の大ヒットは説明できないだろう。】
というのは信じがたい。
なぜって、日本人は見下されていたと思っていたから。
それでも、日本製は悪くないからと、分けて考えていたのだろうか。


一方スティクスは、前作Pradise Theaterで頂点を極めた。
その絶頂時にあってのKilroy Was Here(収録アルバム)
よりによって、このトータルアルバムを、デニス・デ・ヤングと並ぶもう一人の中心人物のトミー・ショウが嫌がり、二人の確執が始まった。
そして、トミーは去った。

私にとっては、二人が揃ってこそのスティクス。
そのせいなのか、ジャケの気持ち悪さのせいなのか、
今いちミスター・ロボットは好きではない。
よって、ミスターロボットを良いものとして捉えている編集手帳の文章は、ウソっぽく感じる。
締めの歯切れが悪く思えてしまう。

(Kilroy Was Here:監獄の中でキルロイが自由を手に入れるため、
ロボットの手を逃れて脱獄するというストーリーを元にしたトータル・アルバム。
ロボットが、ケンタッキーの箱を手にし、整然と運ぶ写真が印象的だった)


Avantasiaライブ! 2013.7.10

2013-07-15 15:50:00 | メロディック・ハード

Avamtasiaの3度目の来日です。
場所はいつもの、品川プリンス ステラボール。
日本で唯一行われるWorld Tourの一環、唯一の日本公演なのに、毎度同じ場所でいいの?
まぁ、めちゃくちゃお気に入りの場所だと思っておきましょう。


[来日メンバー]

 Tobias Sammet (Edguy, Avantasia) - Lead Vocals
 Michael Kiske (ex- Helloween, Unisonic) - Vocals
 Eric Martin (Mr. Big) - Vocals
 Bob Catley (Magnum) - Vocals
 Ronnie Atkins (Pretty Maids) - Vocals
 Thomas Rettke (ex- Heaven’s Gate) - Vocals
 Amanda Somerville (Trillium) - Vocals
 Sascha Paeth (ex- Heaven’s Gate) - Guitar
 Oliver Hartmann (ex At Vance) - Guitar, Vocals
 Michael “Miro” Rodenberg - Keyboards
 Andre Neygenfind - Bass、Backing Vocals
 Felix Bohnke (Edguy)- Drums


[セットリスト]

01.Spectres (Atkins/Sammet)
02.Invoke The Machine (Atkins/Sammet)
03.Black Orchid (Sammet/Atkins)
04.The Story Ain't Over (Catley/Sammet)
05.The Great Mystery (Sammet/Catley)
06.Reach Out For The Light (Kiske/Sammet)
07.Avantasia (Kiske/Sammet)
08.What's Left Of Me (Eric Martin/Sammet)
09.Promised Land (Eric Martin/Sammet)
10.The Scarecrow (Atkins/Sammet/Kiske)
11.The Wicked Symphony (Catley/Rettke/Somerville/Hartmann)
12.Lost In Space (Sammet)
13.Savior In The Clockwork (Sammet/Atkins)
14.Twisted Mind (Atkins/Martin)
15.Dying For An Angel (Sammet/Eric Martin)

ENCORE

16.Farewell (Sammet/Somerville/Kiske)
17.The Seven Angels (Kiske/Sammet/Hartmann/Catley)
18.Sign Of The Cross (Everybody)


今回も、本当に素晴らしいライブでした。
サウンドのバランスが良く、ストレスが全然溜まりません。
Tobias始め、みんなの技量が高いから、Avantasiaの世界に全身が入り込めるのです。

賛辞の言葉は山ほどありますが、ここではゲストのことを書きたいと思います。


初お目見えのRonnie Atkinsが、思いの外カッコ良く、観客をノセるのがうまかったのです!
HMっぽいジャケット着て、「お前ら、ノレよ、大声出せよ!」と危険な雰囲気を終始出しまくってました。
歌もうまく、舞台映えするし、お腹も引き締まっている!
Pretty Maidsという、かわいらしいバンド名は、絶対損してるよ~。

Jorn Landeのパートは、Ronnieが歌ってました。
それが、全然違和感なく、見事に自分のものとしてました。

Eric Martinは、黒っぽいオシャレなスーツの下が、赤のシャツ。
確か『Nameless begger ⇒名もなき乞食』という役柄だと思のになぁ~。
何ともゴージャスじゃないか!と突っ込みつつも、What's Left Of Meは、CDと変わらぬ豊かな歌声で魅了してくれました。

続くPromised Landも、EricはTobiasと息の合ったプレイでした。

Ericは、MCがうまいのにびっくりです。
ホクは今、Avantasiaの一員だよ~なんてことを言ってました。
Tobiasと一緒にMCしてた時なんて、Tobiasだけにスポットライトが当たっていたことに気づき、
「あっ、スポットライトが…」と言いながら、しょげて後ろに下がって座り込んでしまったのが笑えました。
そうだよね、いかにかつてが輝かしかろうと、今は一メンバー、それもTbiasをサポートするメンバーなんだよね。
それを笑いにするなんて、恐るべし、アメリカ人。

Twisted Mindでは、観客に向かって「声を出してほしい」と。
「♪オッオオオオオー」
「Great!」と言い、続く「オオオオオオオ」をRonnieが歌うと、あっという間にTwisted Mindのイントロのコーラス完成。
そして、そのまま本曲が始まり、大コーラスの中、終始ノリノリで歌えました。
トビーのMCが減ったけれど、Ericががんばったおかげで、楽しかったなぁ。

Michael Kiskeは、相変わらずの歌声。
へたれっぽいのが、私の趣味じゃないけど、トビーが好きなのだからまぁいいや。
Oliver Hartmannがギター弾いているところにやてきて、彼の左肩にあごを乗せ、至近距離でじぃ~っと見てました。
おいおい、ギターだって相当重いのに、あごを乗せたら大変じゃないの~??と心配しつつ、
Michael Kiskeの甘えっぷり(へたれっぷり?)が憎めなくて、おもしろかったです。
なお、Oliverは必死にプレイしてたため、相手にされなくてそのうちどっか行っちゃいました。

白髪のBob Catleyは、この日も手をぎこちなく振り回すボディ・アクション!
前回よりも、登場回数が多かったです。

というか、トビーが表に出ない回数が増えてました。
The Wicked Symphonyなんて、トビー以外のボーカリストが横に並び(バック・コーラスのAmandaとThomas Rettkeも)
交代でリード・ボーカルを務め、まるで大カラオケ大会のようでした。
最後にトビーがやって来て、美味しいトコ取りで終わるのかなとの期待も虚しく、ついにトビーは現れず。
トビーは華があるんだから、やっぱりずっと表に出ていてほしい。

で、最後のメンバー紹介の時にわかりました。
Thomas Rettkeは、サシャと同じくHeavens Gateのボーカリスト…!
何で今回のバックコーラスは、女性2人じゃなく男性がいるんだ!と思いましたが、これならまっいっかぁ。
実際、Dying For An Angelは、トビーとEricのコーラスが、ぴんと張り詰めていてすごく美しかったんですが、
バックコーラスだけでも相当の美しさでした。
いえ、バックコーラスの美しさの上に、二人のハーモニーが鳴り響いて、至福の美しさと言った方が近いです。

トビーは、「今度は2~3年後に来るよ」とMCで言ったような…。
ってことは、その2~3年の間に新譜を作ってくれるんだな。
毎回期待を裏切らないAvantasia。
もう次の新譜が、ライブが、待ち遠しいです。

AvantasiaのFacebookによると、カナダと日本では、インフルエンザで熱が出て、いいパフォーマンスができなかったと書いてありました。
いえいえ、体調が悪いとは、全然思ってませんでした。
あれ以上のパフォーマンスができるのなら、次回はそれを期待したいです。
大カラオケ大会も、急場しのぎの策として、それもいいかなと今は思えます。


なお、Michael KiskeのHPに、Avantasiaの動画がたっぷりとありました。
Michaelが登場しない曲もUPしてあります。素晴らしい~!!

http://michaelkiske.jp/news/index.php?e=207


で、今回も買っちゃいました。
トビー様のサイン付きライブCD。DVDしか持ってないからです。
でも、聴かない気がする…。
…サインのために、やってしまいました。


Tobias Sammet's Avantasia の The Mystery Of Time -A Rock Epic-

2013-04-30 22:33:36 | メロディック・ハード

エドガイのTobias Sammetが主催するAvantasiaの6作目。
シンフォニックでスケールの大きい、壮大なロック・オペラである。

本来なら、5作目で終了する予定だったAvantasiaのプロジェクトだったが、考え直したという。
トビアスの中に曲が溢れんばかりに湧き起こり、Avantasiaらしいファンタジーな世界観をもっと創りたくなったためだ。

その気合は、本作の中にたっぷり注入されている。
どの曲も変化に富み、時間を掛けて制作されたのがわかる。
すべて捨て曲なし。

このアルバムを聴くにあたって要求されるのは、誰が歌のパートを取っているのか、歌詞の意味はどうなのかを、十分に理解することだ。
ただ、何となく聴き流すのでは、Avantasiaの魅力が半減してしまう。
リスナーに集中力が必要なのだ。
理解するのに時間と手間が掛かるが、それだけに、少しずつわかってきた時の感動は大きい。


①Specters
作品の導入部分である“Specters”は、ゲスト・ボーカリストがJoe Lynn Turner。
彼は、しわがれた声でありながら突き抜けた、深みのある歌い方をする。
まるでトビアスを年取らせたようだ。
トビアスは、悩める若きサイエンティストの役どころなので、年長のサイエンティストとしてJoe Lynn Turnerを起用したのはそんな理由なのかも知れない。

②The Watchmaker's Dream
同じくJoe Lynn Turnerが参加。
アップテンポで軽快で明るく、ノリがいい。
ライブでも『♪The Watchmaker's Dream~』と一緒に歌えそうだ。
Tobiasのまるでギターのようなメロディアスなベースランニングが楽しい。

③Black Orchid
Biff Byfordがゲスト。
今回は、Jorn Landeが参加していないが、彼の声がそっくりで同様に聴ける。

④Where Clock Hands Freeze
まるでファンタジー映画のようなオーケストラで始まる。
Michael Kiske参加で、Helloweenを彷彿させる歌声を聴かせる。
トビアスは、必ずマイケルにアップテンプで裏でリズムを刻むHelloweenちっくな曲を歌わせる。
トビアスは、本当にマイケルのファンなんだな。こう歌ってほしいんだな。

⑤Sleepwaiking
女性ボーカリストCloudy Yangとのデュエット。
ムーディーできれいな作品だ。
サビでの二人のハーモニーは圧巻だ。

⑥Savior In The Clockwork
10分を超える作品で、これこそ、ファンタジー映画のような導入だ。
Avantasiaらしさのあるヘヴィーな作品。『♪Time To Run~』も一緒に歌えるな(笑)
後半は、一転してロック・オペラになる。
TobiasとBiff Byford、Michael Kiskによる掛け合いは、迫力がある。
歌うパートが微妙に変化するのもいい。

⑦Invoke The Machine
スピーディーだ。Ronnie Atkinsの重いボーカルは、トビアスによく似合う。
中間部のSasha Paethのヌケのいい早弾きが気持ちいい。

⑧What's Left Of Me
8曲目はバラード。Eric Martinが情感たっぷりに歌い上げる。
ゴスペル風にアレンジしてあって、何とも感動する。
Avantasiaの中ではシンプルだが、こういうキャッチーで分かりやすい曲も必要だ。

⑨Dweller In A Dream
アップテンポ。ここでもMichael Kiske登場。

⑩The Great Mystery
これも10分を超える大曲だ。。
最後になって、ようやくBob Catley登場。Avantasiaに彼は欠かせない。
そして壮大なコーラスワークの中、感動的な大団円となる。


全編を通じて魅力的なのは、やはりTobiasの歌声だ。
丁寧に歌っている。迫力があるし、高音は突き抜けているし、中音には甘さがある。
表情が豊かで、めちゃくちゃ歌がうまい!
そして、彼のソングライティングの巧みさには驚きだ。
ち密で、クラシックやメヴィー・メタルの他に、POPSやブラックなど、幅広く取り入れている。
技巧に走らず、わかりやすい要素も残し、親しみやすさもある。
まさにアーチストである。


ボーカルを追った聴き方が普通だが、ギターを追っても楽しい。
ギタリストそれぞれに個性と音質の違いがあるからだ。
私は、Sasha Paethが好きだ。高音の抜けが良く、スピーディでタメと泣きがあるからだ。
何となく、キコに似ているような。
Arjen Lucassenの駆け巡るようなメロディアスなギターもいい。

まだまだわからない点が多いから、
もっと聴き込まなくては!!


ゲスト・ボーカリスト:
  Joe Lynn Turner (ex.Rainbow)
  Biff Byford (ex.Saxon)
  Michael Kiske (ex.Helloween)
  Ronnie Atkins (ex.Pretty Maids)
  Eric Martin (ex.Mr.Big)
  Bob Catley (ex.Magnum)

ゲスト・ギタリスト
  Bruice Kulick (ex.KISS)
  Arjen Lucassen (ex.Arjen)

いつものメンバー
  Sasha Paeth
  Oliver Hartmann
  Cloudy Yang
 Amanda Somerville…and more


Deliain の We Are The Others

2013-03-25 16:17:54 | メロディック・ハード

オランダのシンフォニック・メタルバンドの3作目。
2012年作品。

元Within TemptationのMartijn Westerhoitが結成したためか、重低音を効かし、シンフォニックに味付けし、ギターソロは少ないというサウンドスタイルは、Within Temptationによく似ている。
けれど、Deliainの方が、サウンドの密度が薄く、キャッチーなために聴きやすい。
4th以降のWithin Temptationなら、Deliainの方が好きだ。

女性ボーカリストは、Charlotte Wessels.
彼女の声は、明るくカラッとしており、妖しさもある。
それでいながら、曲の静のパートでは、憂いのある歌い方もできる。
何よりも、メジャーコードでは元気があるので、非常に耳障りがいい。

すんなりと入り込むので、むずかしいことを考えずに聴くのにはうってつけ!

9曲目の“Babylon”は、シンプルに何度も♪バビロン~ と歌って単純なのだが、嫌いじゃない。
まるで80年代のヘヴィー・メタルみたいだからか?


ボーナス・トラックで、よく聴いたような男性ボーカルが。
すぐに確認すると、やっぱりNightwishのMarco Hietalaだった。
彼の圧倒的な迫力と同等なボーカルは、そう容易く現れないだろう。

7曲目の“Where Is The Blood”にもデス声ちっくな男性ボーカル(Burton.C.Bell)が使われており、Charhotteの声は、デス声との相性バツグンなのを証明した。
ちょっとお疲れの時に聴くのに、最高だ!