Thomasが求めるボーカリスト像が固まっているのだろう。
Thomasが求めるボーカリスト像が固まっているのだろう。
(Constant Bloom)観客の頭が気になるけど、コーラスのバランスが絶妙
Dukes of September Rhythm Revue Japan Tour 2012
11月1日(木) 日本武道館
【来日メンバー>】
Donald Fagen
Michael McDonald
Boz Scaggs
Jon Herington (g)
Freddie Washington (b)
Shannon Forrest (ds)
Jim Beard (key)
Jay Collins (sax)
Michael Leonhart (tp)
Walt Weiskopf (sax)
Carolyn Escoffery (vo)
Catherine Russell (vo)
【セットリスト】
01. People Get Up and Drive Your Funky Soul (James Brown cover) (Live Intro)
02. Who's That Lady (The Isley Brothers cover)
03. Sweet Soul Music (Arthur Conley cover)
04. I Keep Forgettin' (Every Time You're Near) (Michael McDonald cover)
05. Trouble Man (Marvin Gaye cover)
06. Kid Charlemagne (Steely Dan cover)
07. The Same Thing (Muddy Waters cover)
08. Miss Sun (Boz Scaggs cover)
09. I Heard it Through the Grapevine (Gladys Knight & The Pips cover) (sung by Caroline Leonhart)
10. You Never Can Tell (Chuck Berry cover)
11. Summer in the City (The Lovin' Spoonful cover)
12. If You Don't Know Me By Now (Harold Melvin & The Blue Notes cover)
13. What a Fool Believes (The Doobie Brothers cover)
14. Hey Nineteen (Steely Dan cover)
15. Love T.K.O. (Teddy Pendergrass cover)
16. (Take a Little) Piece of My Heart (Erma Franklin cover) (sung by Catherine Russell)
17. Peg (Steely Dan cover)
18. Lowdown (Boz Scaggs cover)
19. Takin' It to the Streets (The Doobie Brothers cover)
20. Reelin' in the Years (Steely Dan cover)
---encore---
21. Lido Shuffle (Boz Scaggs cover)
22. Pretzel Logic (Steely Dan cover)
23. Thank You (Falettinme Be Mice Elf Agin) (Sly & The Family Stone cover)
24. Them Changes (Buddy Miles cover)
25. People Get Up and Drive Your Funky Soul (James Brown cover) (Live Outro)
素晴らしい演奏だった。
メインの3人の変わらぬ歌声、まずこれが圧倒的だった。
それに絡む、黒人女性と白人女性のコーラス。
彼女達の力量はまた、最高だった。
びっくりしたのは、ボズ・スキャッグスだ。
全く衰えがない。
頭が多少薄くなった程度で、外見もそれほどは変わらない。
声の質、声の艶、楽曲のノリ、グルーブ感、どれを取っても全盛期のそのままだ。
いや、今が全盛期と言われても、信じてしまう。
彼は、ストラトキャスターや、レスポールとセミアコの中間のようなギターを弾いていた。
ドナルド・フェイゲンは、ど真ん中に陣取ったピアノの前にいた。
MCのすべてを彼が担当していた。
彼もまた、変わらぬ歌声だ。
でも、元々渋い声が、益々渋くなっていた。
彼がメインボーカルを取る時は、ピアノから立ち上がり、なぜかピアニカを左肩に掛けて演奏していた。
縁が水色の、小学生が使うようなピアニカをだよ。
それを嬉々として弾いていたように見えたから楽しい。
残念だったのが、マイケル・マクドナルドだ。
彼は太ってしまった。それも大幅に。眼鏡もしていた。
歌う声は大きく、力強い。
けれど、高音がかすれてしまっていた。
すごく心配したけど、後半になるにつれて出るようになったのはさすがだ。
バックも、実力者達が務め、すごく気持ち良く聴けた。
聴いている人も、ほとんどが50歳以上のオヤジ、オバさんばかりだったが、長いこと聴いて来ただけある。
どこで拍手すべきか、歓声を上げるべきかを押さえていて、全然ストレスが溜まらなかった。
HMと違って、シャイな人が多いのかと心配したが、そんなことはなく、ドナルド・フェイゲンの問いかけにも応じていた。
本当に心地よく、心が豊かになるのを感じた。
演奏は、AORばっかりだろうと期待していたが、そうではなく、バラエティ豊かだった。
ホーン・セクションを前面に出しての、ブラック・ミュージック、カントリー、ジャズ、ブルース、ダンス・ミュージックなどだ。
ホンキートンクな曲調もあった。
私は、ホーン・セクションが苦手で、ロックがかっているなら大丈夫なのだが、カントリーとなると。。
ブラックもなぁ。
ちょっとむずかしい時間が続いたのも事実だ。
というのも、カバーが多かったからだ。
それでも、彼らの持ち歌となると、一気に会場が沸き起こり、たちまちテンションが上がった。
私目に一番盛り上がったのが、ボズの“Lowdown”だ。
オリジナルは、ジェフ・ポーカロが叩いたんだなぁと思うと感慨深く、1階席からは彼のドラミングがハイハットまでよく見えたので、ドラマーのShannon Forrestばかり凝視してしまった。
“Lido Shuffle”の変リズムは、本当にカッコ良かった!
ギターのJon Heringtonは、5台のギターを使い分け、スティーブ・ルカサー、ラリー・カールトン達の音色の特徴をよく再現していた。
柔らかさと温かみ、それと優しさを備えた、魅惑的なギターソロだった。
緻密で隙のない演奏、バック・コーラス共に、ハートフルな最高の歌声。
12000円は高かったけど、決して損はなかった。
30年以上前の胸のときめきを、再び与えてくれたから。
夢を見ているようだった。
演奏を聴いて、ベテラン勢の来日は、見たいのがあれば足を運ぼうと思った。
気が付いたら死んでしまっていたと、後悔しないように…(それかい 汗)
カナダのプログレッシヴ・メタル・バンドの、実に20作目。
前作Snakes&Arrowsから、5年の歳月が経っている。
メンバーも、全員が59歳を超えたため、名声を武器にマンネリでも売ってしまうサウンドになりはしないかと心配していた。
が、手にしたものは、不安を微塵も感じさせない、素晴らしい作品だった。
ジャケの時計が21時12分 ⇒ 2112 を示していることから、76年の不朽の名作『2112』を意識しているとされる。
実際、今年は2012年。100年早いメモリアル・イヤーではないか。
全12曲の中に、それぞれのストーリーを内包させているコンセプト・アルバムだという。
残念ながら、私は輸入盤なので、買い直し必至である。
Rushの作品は、ニール・パートの詩を理解してこそだから。
前置きが長くなってしまった。
サウンドは、アレックス・ライフソンのギターリフがいつもよりも力強く、テクニカルというよりヘヴィーだ。
そこに、ゲディ・リーのリード・ベースが駆け巡り、いつものRushさに口元が緩む。
9曲目の“Headloing Flifht”のギターソロは、サイケディックですらある。
自由に、70年代の古さも絡めつつ、縦横無尽に何でもアリに弾きまくる。
Rushのギターソロは、テクニカルであるべしとの固定観念を打ち破るようだ。
もちろん、テクニカルさはあるけれど、それよりもほとばしるパワーやエネルギーの熱情に圧倒された。
ゲディ・リーの声も健在。DVDのような不自然さはない。
柔らかく、時に高音を無理せず出してていい。
声が若く、80年代の声そのままなのに恐れ入る。
ニール・パートは、1曲目の“Caravan”から、変拍子多用の素晴らしいドラミングを聴かせてくれる。
衰えぬ体力と、作品を極める目的の高さは尋常じゃない。
お気入りは、4曲目のタイトル・ナンバー“Cloickwork Angels”と、6曲目のアコーステック・ギターがフューチャーされた“Halo Effect”だ。
“Clockwork Angels”は、明るめのサウンドと、Zepを思わせるヘヴィーなリフが楽しい。
ゆったりとしたリズムと速いリズムが交互に来て、変化があるのがまたいい。
そして何と言っても、アレックスの変幻自在なギターソロだ。
“Halo Effect”は、懐かしさが溢れて来てしまって、言葉にならない。
70年代~Rushに限らず~の空気感をそのまま切り取って持ってきたみたいだ。
胸がいっぱいになる。
これは、Rushの温故知新なのか、34年間の集大成なのか・・・。
おそらく、そのどちらでもない。
Rushの今現在の姿なのだろう。
スウェーデンのメロディアス・ハード・バンドの、再結成2作目。
これが、素晴らしくいい!
メロディラインにフックがあり、ドラマティックな仕上がりで耳が離せない。
ハードロックでありながら、AORの面を持ち合わせ、歌メロを聴かせるのだ。
80年代のアメリカン・ハード・プログレの側面もある。
特にギターソロにそれを強く感じると思ったら、ギターソロは、ゲスト・ミュージシャンとしてTOTOのSteve Lukatherが弾いていたのだ。
なめらかで、泣きがあって、余韻がある。
早弾きではなく、メロディの音としての美しさを追求している。
どおりで、琴線に触れ続けるわけだ。
さらに、2曲目の“Better Believe It”は、元エアプレイのJay Graydonが弾いていた。
なるほど、Grand Illusionのサウンドはエアプレイに似ている。
明るく、簡潔な親しみやすいサウンドであり、コーラスに凝り、洒落れている。
何より歌メロが美しく力強いので、思わず口づさんでしまう魅力がある。
またリズム・ギターには、Tim Pierceが参加だ。
彼は、セリーヌ・ディオンやボン・ジョビなど、さまざまなミュージシャンと仕事をしている。
他にも沢山のゲストが参加している。
なんか、ゲストばっかりすごいと思ったが、Grand Illusionの中心メンバーのAnders Rydholmこそが作詞、作曲、アレンジにプロデュースまで手掛けてしまうマルチですごい人物なのだ。
あのデーモン閣下のプロデュースもやったらしい。
楽器は、キーボードとベース、リズム・ギター。ここでもマルチだ。
あと忘れてはいけないのが、Peter Sundellの歌のうまさ。
ハイトーンで、カラっとしていて力強い。
ストレートな歌い方だが、時にソウルフルに歌うため、心に響くのだ。
励ましてくれるサウンドだ。高揚してくる。
心が沈んでいる時、物事がうまくいかない時には、特にオススメだ。