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宮沢りえ主演『今ひとたびの修羅』@新国立劇場

2013-04-06 13:16:46 | ライブ、芝居、演芸など
去年、渋谷のシアターコクーンで宮沢りえさんのお芝居、『下谷万年町物語』を観ました。
彼女の舞台を観たのはその時が初めて。
で、宮沢りえさんが、舞台に登場した途端、急に舞台の空気が変わったのが分かりました。
本当に見事な存在感に感心して、以来、何度か舞台を観ています。

『下谷万年町物語』の観劇記

昨日は、新国立劇場で初日を迎えた舞台、『今ひとたびの修羅』を観てきました。
主演は、宮沢りえさんと堤真一さん。
他に、風間杜夫、小池栄子、岡本健一などが共演していました。



結論から言うと、しょうじき、宮沢りえさんの魅力がまるで引き出されていなくてがっかり。
別にこの役は、彼女じゃなくても良かったと思うし、むしろその方が良かったかも。

物語は昭和初期、渡世人の堤と、その連れ合いの宮沢がいろんなしがらみや事件から、なかなか添い遂げられない、といったもの。
男と女の出会いと別れを描いているのですが、新国立劇場の回り舞台の装置を駆使して、とにかく忙しく舞台転換して、さまざまな時間と空間を描きます。
今回、一番頑張っていたのは、舞台美術のスタッフさんかも。

ただ、新国立劇場の空間の大きさと、描かれている物語の小ささが合わなくて、ただただ忙しい舞台転換ばかりが印象に残ってしまいます。
しょうじきストーリーと台詞が薄っぺらなので、舞台転換が多いのは書き割り感が増してむしろ逆効果だった気が・・・。

前回のお芝居であれほどの存在感を放っていた宮沢りえも、今回は薄っぺらな台詞でやりにくそう。
しょうじき主役二人の関係がきちんと描かれていないので、その二人がくっつこうが分かれようが、いまいちピンと来ません。

うーむ・・・。
むしろ、渋い渡世人の親分を演じた風間杜夫や、小説家の旦那に捨てられてしまう小池栄子の方が感情移入できます。
と言っても、なんで親分はあそこまで堤に肩入れするんだ?とかいろいろ不思議な気もするんだけど・・・。

という訳で、今回は本当に残念。
役者を生かすも殺すもやっぱり「物語」なんだなと思った次第。

あ、あと、新国立劇場の椅子がすごくチープでこれもがっかりだったかも。
うーん、褒めるとこないのが残念っす。

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