東京ナイト

旅行、食事、映画にお芝居、日々のささやかな幸せを記録します

「マンホール・チルドレン」

2010-02-07 09:30:18 | 映画
昨日は友人に誘われ、新宿のシネコン「バルト9」で、映画「マンホール・チルドレン」を観てきました。
過去にNHKで放送されたドキュメンタリー番組を劇場公開する「This is REAL」という企画の一つ。NHKも映画で儲けている民放にあやかって、と言うことでしょうか。

で、「マンホール・チルドレン」。
90年代、資本化の進むモンゴルの首都ウランバートルで暮らすホームレスの子ども達が、暖かいマンホールの中に棲みつき、みんなで協力し合いながらたくましく生き抜いている姿、、、というのが最初の番組だったんだろうと思います。



でも、物語はさらに展開し、彼らの姿を6年後、10年後と追い続けます。
そこに待っていたのは、希望の見えない、いつまでも続く底辺での暮らし。

主な登場人物は同じ年代の男性2名(ボルト、ダシャ)と女性1名(オユナ)。
小さい時からマンホールで暮らし、教育も受けていない彼らは文字も読めずなかなか定職に就けません。
一度は、「自分の城」と誇らしく呼ぶ草原の小屋を懸命の努力で建てたボルトも、その土地を登記していなかったため追い出されてしまいます。
オユナも家族ができて幸せをつかめたはずなのに、その幸せがするりと抜け落ちてしまいます。
けっきょく酒におぼれ、仲間割れをしてしまう日々。

昔、ロシアのドキュメンタリー映画で、マンホールに暮らす少年達を描いた作品を観た事がありました。また、毎日盗みをして暮らすイギリスの労働者階級の若者たちを描いた作品も思い出しました。
共通するのが、希望のない未来。
日本でもマンホールに住んでいなくても、同じような心象風景を持つ若者たちがいるんだと思います。
その意味で、遠い外国の可哀想な話ではなく、身近な出来事として感じられた映画でした。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿