東京ナイト

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寺田本家酒蔵見学会

2012-02-05 11:21:59 | Weblog
昨日は友人に誘われて千葉にある酒蔵「寺田本家」の酒蔵見学に行ってきました。

これまで酒蔵見学は何度も行ったことがあるし、自分自身も仲間たちとお酒造りを喜多方の酒蔵でさせてもらっているので、「今日はお酒を飲ませてもらうか」位の軽い気持ちで行ったのですが、いやー寺田本家、すごすぎました。

案内してくれた専務さん、それにきびきび働く若い蔵人たちが、「美味しいお酒を、真面目に作るんだ」という熱い気持ちで一丸となって働く様子に胸打たれました。

寺田本家は、無農薬米だけを原料として、昔ながらの生酛造りで醸している酒蔵。
これは言葉にすると簡単だけれど、じつは本当に大変な作り方。
確かに昔はそうやって作っていたんだろうけど、今の時代、ほとんどの酒蔵は機械化、コンピュータ制御で安定した品質のお酒を造る方向に進んでいると思います。
寺田本家は全く逆の造り方で、かつて使っていた機械もどんどん外し、蔵人がお米を手で触り、醸されるお酒の匂いや音を聞きながら造る方向にシフトし、やっと理想の環境に近づいているとのこと。



これはお酒が醸されるために必要な「微生物の発酵」が一番自然な形で行われるように酒蔵の環境を変えていった結果。
その思想は、単に機械を外すだけに留まらず、原料となるお米の調達から、果ては「麹」を麹屋から買うのではなく、自分たちで田んぼで取った麹菌を培養して使うようにまでなっています。


この稲穂の黒い部分が黄麹の元。これを培養して増やして使っているとの事!


ふつうの酒蔵では絶対に入れてくれない麹室にも案内され、「玄米」!!を使った麹米造りを見せてくれました。

これだけ自分たちの哲学に基づいて、酒造りの細部までこだわっている酒蔵はほとんどないはず。
うーむ、恐れ入りました。

案内してくれた専務さんも自分たちの理想の酒造りを目をきらきら輝かせながら語ってくれたし、蔵人達も自分の持ち場の仕事について同じ様に活き活きと話してくれました。
この蔵では、お酒造りの理想がしっかり共有されている事もすごいし、肉体的には辛い仕事なのかも知れないけど、みんなが楽しそうに仕事が出来る理由なんだと思いました。


若き専務さん。

で、最後に彼らが丹精こめて醸したお酒を試飲させてもらいました。
どのお酒もお米と土の力を感じることの出来る素晴らしい出来。
特に「醍醐のしずく」はうまー!!
飲んだ人が誰でも幸せになるお酒です。

他にも「こんなお酒を造ってみたい」というびっくりな夢も聞きましたが、公表していいのか分からないので秘密。
でもどんなお酒なのかすごく気になるし、何よりチャレンジし続ける姿勢が素晴らしいです。

という訳で、寺田本家、驚きのチャレンジはまだまだ続きそう。
これからも大注目していきたいと思いました。

蔵見学のあと最寄の駅までのんびりみんなで歩いたのですが、のどかな風景の中にもいろいろ面白いものを発見できたし、駅前の中華屋「力力」のスタッフさんの笑顔も良かったし、千葉県神崎へのプチトラベルを満喫しました。

寺田本家HP 通販も出来ます

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