2012年9月18日夜に、慶応義塾大学SFC研究所プラットフォームデザインラボが主催したイノベーション創出セミナー「日本再生のための知財戦略」が慶応大三田キャンパスで開催されました。
主催者の慶応大学SFC研究所プラットフォームデザインラボは、総合政策学部長・教授の國領二郎さんが、プラットフォームについて研究し、新規事業起こしなどを支援するプロジェクトです。

テーマ「日本再生のための知財戦略」と掲げたために、聴講者は知的財産を取り扱う弁理士や特許事務所の方などが半数以上だったようです。
その基調講演の話し手は、東京中小企業投資育成の代表取締役社長を務める荒井寿光さんです。元特許庁長官であり、小泉純一郎内閣時の2002年に内閣官房・知的財産戦略推進事務局長として、知的財産基本法の策定に尽力され、2003年7月からの知的財産推進計画を推進した中心人物です。
基調講演「国際化時代の新知財戦略」では、最近の米国アップル社と韓国サムソン電子が10カ国で知財訴訟を繰り広げているとの話から入り、欧州(EU)では欧州統一特許裁判所(European Patent Office)を2014年に設立する準備を進めていると解説しました。欧州では、この欧州統一特許裁判所の設置によって、欧州では統合(単一)特許システムが制定される見通しになったと語りました。
この欧州統一特許裁判所の話は、世界で統合(単一)特許システムをつくり、“世界特許”を策定することを日本が先導する「第2次知財立国運動」を始めようと伝える内容でした。
この基調講演に対して、4人の“豪華な”パネリストがコメントを伝えました。

凸版印刷の元専務で現在は青山学院大学法学部特別招聘教授の石田正泰さん、武田薬品工業の元常務で現在は知的財産戦略ネットワーク(東京都千代田区)の代表取締役社長の秋元浩さん、一橋大学大学院商学研究科客員教授の妹尾堅一郎さん、内田・鮫島法律事務所の弁護士・弁理士の鮫島正洋さんが登壇しました。司会は、インテレクチュアル・ベンチャーズ日本総代表の加藤幹之さんです。
それぞれが知的財産やMOT(技術経営)の論客であるパネリスト4人は、かなり示唆に富むコメントを発言し続けました。あれこれと話が及んだのですが、要は日本企業の多くが将来の事業計画・戦略をきちんと考えずに、機械的に知的財産戦略を考えたために、いろいろな事業で儲からない事態に陥ったと分析しました。また、現在の大手企業には、競合相手に勝つ事業戦略や知的財産戦略を立案できる知財人材が少ないので、こうした人材育成から始めないと、日本再生は難しいと解説されました。
こうした難問を解決するには、荒井さんが提唱した「第2次知財立国運動」を始めようという意見にまとまりました。そして“世界特許”を策定することで、日本企業再生の道筋をつけるという意見がまとまりました。
荒井さんと4人の論客パネリストは、ここ10数年間にわたって、日本の知財立国化を進めてきたキーマンです。示唆に富む意見を受け止めて、「第2次知財立国運動」を担う若手知財人材の台頭が強く望まれていると感じました。
主催者の慶応大学SFC研究所プラットフォームデザインラボは、総合政策学部長・教授の國領二郎さんが、プラットフォームについて研究し、新規事業起こしなどを支援するプロジェクトです。

テーマ「日本再生のための知財戦略」と掲げたために、聴講者は知的財産を取り扱う弁理士や特許事務所の方などが半数以上だったようです。
その基調講演の話し手は、東京中小企業投資育成の代表取締役社長を務める荒井寿光さんです。元特許庁長官であり、小泉純一郎内閣時の2002年に内閣官房・知的財産戦略推進事務局長として、知的財産基本法の策定に尽力され、2003年7月からの知的財産推進計画を推進した中心人物です。
基調講演「国際化時代の新知財戦略」では、最近の米国アップル社と韓国サムソン電子が10カ国で知財訴訟を繰り広げているとの話から入り、欧州(EU)では欧州統一特許裁判所(European Patent Office)を2014年に設立する準備を進めていると解説しました。欧州では、この欧州統一特許裁判所の設置によって、欧州では統合(単一)特許システムが制定される見通しになったと語りました。
この欧州統一特許裁判所の話は、世界で統合(単一)特許システムをつくり、“世界特許”を策定することを日本が先導する「第2次知財立国運動」を始めようと伝える内容でした。
この基調講演に対して、4人の“豪華な”パネリストがコメントを伝えました。

凸版印刷の元専務で現在は青山学院大学法学部特別招聘教授の石田正泰さん、武田薬品工業の元常務で現在は知的財産戦略ネットワーク(東京都千代田区)の代表取締役社長の秋元浩さん、一橋大学大学院商学研究科客員教授の妹尾堅一郎さん、内田・鮫島法律事務所の弁護士・弁理士の鮫島正洋さんが登壇しました。司会は、インテレクチュアル・ベンチャーズ日本総代表の加藤幹之さんです。
それぞれが知的財産やMOT(技術経営)の論客であるパネリスト4人は、かなり示唆に富むコメントを発言し続けました。あれこれと話が及んだのですが、要は日本企業の多くが将来の事業計画・戦略をきちんと考えずに、機械的に知的財産戦略を考えたために、いろいろな事業で儲からない事態に陥ったと分析しました。また、現在の大手企業には、競合相手に勝つ事業戦略や知的財産戦略を立案できる知財人材が少ないので、こうした人材育成から始めないと、日本再生は難しいと解説されました。
こうした難問を解決するには、荒井さんが提唱した「第2次知財立国運動」を始めようという意見にまとまりました。そして“世界特許”を策定することで、日本企業再生の道筋をつけるという意見がまとまりました。
荒井さんと4人の論客パネリストは、ここ10数年間にわたって、日本の知財立国化を進めてきたキーマンです。示唆に富む意見を受け止めて、「第2次知財立国運動」を担う若手知財人材の台頭が強く望まれていると感じました。
特許をどう使うかは、米国人の方が一枚も二枚も上手でした。
こうした動きの中で、日本企業はどう動いているのでしょうか。
越後製菓(新潟県長岡市)が佐藤食品工業(新潟市)に特許権を侵害されたとして、損害賠償を求めた訴訟に対して、最高裁第2小法廷は9月19日に佐藤食品工業側の上告を棄却しました。
これによって製造差し止めや約8億円の支払いを命じた2審判決が確定しました。
特許係争になったのは、焼いて膨らんだ際に、餅の表面が破れないよう側面に入れる切り込みについての特許です。佐藤食品工業の商品は上下面にも十字の切り込みがあることについて、2審の知財高裁は「側面にあれば特許権を侵害する」と判断していました。
日本でも特許係争が活発化する可能性がありそうです。