ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

朝日新聞紙の見出し「またぎへの道 イノシシ退治 猟銃を取れ」を拝読しました

2015年09月26日 | 日記
 2015年9月25日に発行された朝日新聞紙の朝刊の中面に掲載された見出し「またぎへの道の巻 イノシシ退治 猟銃を取れ」を拝読しました。

 このコラム記事は、朝日新聞社諫早支局長が、長崎県諫早市飯盛という山あいの棚田で稲作をしている話のコラム「アロハで田植えしてみました リターンズ」の最新版です。

 朝日新聞紙のWeb版である朝日新聞onlineでも、見出し「またぎへの道の巻 イノシシ退治 猟銃を取れ」と、掲載されています。



 田植えした棚田では、稲が実り、黄色く色づいた稲穂をスズメなどに食べられる被害が目立ってきます。このため、農業指導の“師匠”に相談すると、野鳥を脅かす反射光を持つテープを田んぼに張る対策を教えてもらいます。その反射光を持つテープを田んぼに張るための支柱となるタケ(竹)を、師匠の山から採取することになります。

 師匠の親戚と、師匠所有の山にタケを採取に行くと、イノシシがいた話になります。長崎県はイノシシの捕獲数が日本で一番多い都道府県で、それだけイノシシの被害も多いと伝えます。長崎県は山が多く、高齢者の農業従事者は棚田に通えなくなり、耕作放置地の割合が全国ナンバーワンだそうです。耕作放置地がイノシシの住みかになるからです。

 「山深い国土、高齢化、耕作放置地、イノシシ問題とは、日本問題である」と解説します。
 
 そこで、師匠などの地元のみなさんへの恩返しと、イノシシ退治を志願します。このため、猟銃の所有許可と猟銃免許の獲得を始めます。それぞれに筆記試験と実技試験があります。
 
 この試験を受けるためには、精神科医の診断書が必要になります。精神科医に電話すると、猟銃取得を目指す人が減っているために、いろいろな病院にたらい回しされ、大きな精神科病院で診療を受けます。過疎化と地方の病院不足の問題の一端です。
 
 この結果、県警本部での銃所持講習に臨み、筆記試験を受け、数日後に実技試験を受けます。今回は、この実技試験の体験談が面白く書かれています。
 
 このコラムは長崎県諫早市の山あいの問題の実態を語ります。さて、「山深い国土、高齢化、耕作放置地、イノシシ問題とは、日本問題」に対して、農林水産省や地方自治体などが有効な対策を打ってきたのか・・よく分かりません。
 
 9月24日に自民党総裁に再選された安倍晋三首相は「1億総活躍社会」というキャッチフレーズを語ります。しかし、そのみんなが主役となるために、この3年間にわたって、「山深い国土、高齢化、耕作放置地、イノシシ問題とは、日本問題」という課題に有効な行政手段を打ったのかどうかは疑問です。

 山間部で進む少子高齢者社会の実態解消に有効な手があるのかどうか、日本は問われています。本当の農業問題の一端です。
 
 アベノミックス第二ステージに入ると宣言していますが、アベノミックス第一ステージの肝心の成長戦略では、まったく実態がみえていません。実効が上がっていません。真の成長戦略を実現できない政府が、第二ステージを語る理由が理解できません。