ヒトリシズカのつぶやき特論

起業家などの変革を目指す方々がどう汗をかいているかを時々リポートし、季節の移ろいも時々リポートします

花菖蒲が近所で咲き始めました

2010年06月05日 | 季節の移ろい
 花菖蒲が近くの公園で咲き始めました。
 お恥ずかしいことですが、「花菖蒲」と「菖蒲」は違う植物であることを最近、知りました。端午(たんご)の節句の時に、菖蒲湯に入れる“菖蒲”は、花菖蒲の葉だと思っていましたが、菖蒲というサトイモ科の別の植物だということを知りました。葉はかなり似ているような気もしますが、花菖蒲はアヤメ科だそうです。

 埼玉県富士見市の水子に山崎公園という比較的小さな公園があります。荒川の支流の、さらに枝の小さな川沿いの細長い公園です。この中に花菖蒲園の「せせらぎ菖蒲園」があります。


 「水子」という地名は元々、荒川の支流の湿地帯を意味すると聞いています。戦国時代は、沼地が点々とする所なので軍馬が攻め込めない地域だったようです。湿地帯なので、少し離れた所には水田が広がっています。今は田植えが終わり、稲が青々と育ち、瑞穂の国を感じさせる田園風景になっています。

 山崎公園の花菖蒲園は規模は小さいのですが、花菖蒲の開花時にはNHKのニュースなどで何回か紹介されたことのある隠れた名所です(関東の地方のニュースだとは思いますが)。NHKのニュースで紹介された日は、当然、多くの方が訪れます。身近な所に、こうした花の名所があることは大変幸せなことです。時々、近くの介護施設の方々が来られて、花菖蒲の開花を楽しんでいます。

 花菖蒲園の入り口に立てられた案内板によると、花菖蒲には「江戸系」「伊勢系」「肥後系」などがあるそうです。江戸時代に武士などの趣味として、花菖蒲の園芸が盛んになったそうです。戦争のない平和な時代の賜(たまもの)です。野生のノハナショウブを基に、園芸植物として確立したものです。江戸系をはじめとする三系統すべて植えてあるそうです。



 江戸系は、花弁に隙間があって三英咲き(大きな三枚の花びらがあるもの)が中心とのことです。庭に群生する姿を美しくみせることに力点を置いて改良が進んだようです。肥後系は、江戸系を持ち帰った現在の熊本地方の方が独自に改良を加えたものだそうです。伊勢系は松阪を中心に今の三重県で改良されたものだそうです。花菖蒲の改良に燃えた地方とそうしなかった地方の差はどこから生まれたのか興味があります。



 花菖蒲が本格的に咲くころは、花菖蒲園に水が張られます。すると、カエルなどが姿をみせ、時々鳴きます。蝶などが飛ぶなど、昆虫も姿をみせます。水面には藻も発生します。ある程度の自然の豊かさ、多様性を感じさせる水場になります。

 花菖蒲園の奥には、ポピーが咲き乱れる花畑もあり、あじさいも咲きます。大きなヤマボウシ(山法師)の木もあり、ヒヨドリがよく来ています。近所に花を楽しめる公園がある幸せをしみじみ感じています。