神戸まろうど通信

出版社・まろうど社主/詩と俳句を書く/FMわぃわぃのDJ/大阪編集教室講師など多様な顔を持つ大橋愛由等の覚え書き

第136回「Mélange」例会〈9月30日(日)〉ほか

2018年09月18日 18時52分05秒 | 通信
9月。自然災害が続いています。
台風のなんどかの関西直撃で交通機関が遮断され、翻弄されました。
天候が不順だと、ひととひととの関係にも影響が出るのでしょうか。

神戸から、詩と俳句を中心とした文学イベントのお知らせです。秋の文学的営為がうごめいています。

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◆1.--第136回「Mélange」例会〈9月30日(日)〉
◆2.--カフェ・エクリの活動
◆3.―FMわぃわぃ「南の風」シリーズ番組「奄美にとって明治150年を問う」
◆4.--文学短報=A/――南海日日新聞の連載コラム「つむぎ随想」 B/――俳句情報〈俳句と評論誌「奔」〉 C/――近況集  D/――北の句会は9月24日(月・祝)に開催。E/――元正章牧師からの発信  F/――沖縄の詩人・高良勉氏からのメッセージ04
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◆1.--第136回「Mélange」例会〈9月30日(日)〉


136回目の「Mélange」例会はいつもと同じ構成となります。第一部「読書会」(pm1:00~3:00)。第二部「合評会」(pm3:15~6:30)です。

第一部の読書会は、詩人・中堂けいこさんに語ってもらいます。テーマは〈「記号論」……その入り口に立ってみる〉丁寧にテキストを読み込む人です。中堂さんの「Mélange」例会での語りは「ハンナ・アーレントを語る」以来です。楽しみにしています。

参加文献は丸山圭三郎著『言葉とは何か』(ちくま学芸文庫)です。入手しやすい文献です。


---------------中堂けいこさんからのメッセージ---------☆
「記号論」……その入り口に立ってみる
ふいに口をつくコトバは、はたして詩のきっかけとして捉えてよいのでしょうか。それら口からすべりおりる音声記号は現実外世界のカオスから生じ、共時的に分節されたコトバであると了解するなら、音声記号たるコトバは詩のフォルムを実現するかもしれません。ここで今一度、構造主義の父ともいわれるF・ソシュールの言語学に立ち戻って実学としての記号論をとりもどしてみるのは如何でしょう。
丸山圭三郎著『ソシュールの思想』をひきながら、記号学論の言語、記号、共時性、通時性、恣意性、差異性、社会規制等の体系の理解につとめたいと存じます。
参考として『言葉とは何か』(丸山圭三郎著、ちくま学芸文庫)をおすすめします。読みやすくざっくりとソシュールがつかめます。     

              中堂けいこ
―――――――――――――――――――――☆



第二部(pm3:00~6:00)は、詩の合評会です。

今回も意欲的な作品をお寄せください。
作品の締め切りは9月27日(木)です。 
合評会への詩稿は、(maroad66454@gmail.com)に送ってください。「月刊めらんじゅ136号」に掲載して、みなさんに当日配布いたします。

この会を運営しているのは、神戸を拠点とする詩のグループ「Mélange」。事務局は私・大橋愛由等。詩の会(二部構成)をほぼ毎月開催しています(8月と12月は休会)。

■会場:スペインレストラン「カルメン」電話:078-331-2228(阪急三宮駅西口から北へ徒歩一分)創業1956年の神戸でも有数の老舗レストランです。毎週土曜日にフラメンコライブをしています。

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「Mélange」月例会、2018年の日程です。(現在、2019年前半の読書会日程を作成中です)
(敬称略・開催場所はすべて神戸三宮のスペイン料理カルメン・開催時間は毎回午後1時)

予定ですので変更する場合があります。その際には、この月報(「Mélange」メールニュース)あるいは、ブログ「神戸まろうど通信」をご覧になって確認してください。

*2018年の開催予定と第一部読書会の内容(敬称略)

10月28日(日)/第137回/発表予定者/詩人・中嶋康雄/「詩のことば、広告のコトバ、法律の言葉」
11月25日(日)/第138回/発表予定者/木澤豊/「好評・宮澤賢治語りシリーズ〈宮澤賢治・初期童話「やまなし」―死をふくむ風景―〉」
(12月の「Mélange」例会は休会)
*2019年前半の日程と第一部読書会について現在策定中です。


◆2.―カフェ・エクリの活動

高谷和幸氏主宰の詩の会「カフェ・エクリ」についてです。
この会は、(兵庫県)播磨地域で表現活動することを全面に押し出した詩を中心とした文学集団です。

(1)9月10日(月)の月例会は終了いたしました。
話者は赤穂市在住の詩人・田村周平氏。テーマは本庄ひろし著『詩集台風一家』の語りでした。

月に一回の詩の会(「Mélange」例会と同じく読書会パーツと詩・川柳の合評会パーツの2部制)を中心に、シンポジウム開催や、年に一回程度の一泊の宿泊をともなう小紀行を実施しています。
 次回は10月01日(月)開催。午後2時から。会場・たつの「ガレリア」。発表予定者は美術家・原田哲郎氏です。

(2)11月12日(月)〈月村香詩集『蛍雪』出版を祝う会〉の開催
☆〈月村香詩集『蛍雪』出版を祝う会〉
 日時/11月12日(月)正午から午後2時30分まで
 場所/加古川市「和輝(わき)」
 〒675-0064 加古川市加古川町溝ノ口510-17 ホテルアゼリア1階,2階 電話079-420-8180
 会費/5000円 ☆花束代(エクリからの進呈)は別途頭割りで徴収
 進行・内容/詳細はこれから詰めます

(この日に予定していた「姫路エクリ」第一部読書会での大橋愛由等「井筒俊彦の哲学世界」の語りは延期となりました。いつになるのかは未定です。)

》》》》》》今後の「カフェ・エクリ」の開催日時(予定は変更されることがあります。敬称略・開催時間は毎回午後2時。日程は流動的です。決まり次第このメールニュースにてお知らせします)
・10月01日(月)会場・たつの「ガレリア」/発表予定者・原田哲郎(美術家)
・11月12日(月)〈月村香詩集『蛍雪』出版を祝う会〉/加古川市「和輝(わき)」
・12月3日(月)会場・赤穂「煉瓦屋」/発表予定者・得平秀昌
・1月/休会
・2月4日(月)または25日(月)会場・姫路「アイメッセ会議室」/発表予定者・千田草介
・3月18日(月)会場・たつの「ガレリア」/発表予定者・高谷和幸

◆3.―FMわぃわぃ「南の風」シリーズ番組「奄美にとって明治150年を問う」

 今年は明治維新から150年という区切りの年にあたります。そこでFMわぃわぃ「南の風」(番組企画とパーソナリティは大橋愛由等)では連続企画シリーズ〈奄美にとって明治150年を問う〉を7月からスタートしました。

 各界の専門家に、明治からの150年とは奄美にとってどのような時代であったのかを俯瞰的にとらえてもらい、かつなにか特定のテーマにそって語ってもらうことで、その個別テーマに含まれる普遍性を探っていこうとする趣旨です。

  7月から8月分の放送は以下のサイトから聴くことができます。
  https://tcc117.jp/fmyy/category/program-info/okinawa-amami/

 いままで放送した番組を含めてシリーズ内容を紹介することにしましょう(敬称略)。
 ①7月放送分/中井和久〈神戸奄美会元会長・奄美大島名瀬出身〉奄美出身者にとって、この150年を総括する。
 ②8月放送分/米川宗夫(ウタシャ・徳之島町出身)シマウタでたどる明治150年。「徳之島一切い節」「ぎーくん節」「くろだんど節」などを演奏。
 ③9月放送分/中西雄二(東海大学文学部講師)神戸を中心とした出身者の集住地域での動向について。
 ④10月放送予定分/前利潔(沖永良部島・知名町職員)「無国籍地帯としての〈奄美〉における近代の諸相について。
 ⑤11月放送予定分/酒井正子(歌謡研究者・川村学園女子大学名誉教授)いままで蓄積されてきた奄美歌謡研究とその成果。
 ⑥12月放送予定分/寺尾智史(宮崎大学准教授・専攻マイノリティー言語学)近代における標準語圧力とマイノリティー言語であるシマグチの相克。

 さらにこの番組で展開された語りを文章化したものを奄美の日刊紙・南海日日新聞に掲載する予定である。



◆5.--文学短報
A/――南海日日新聞(奄美で発行されている日刊紙)に私・大橋愛由等が書いたコラム「つむぎ随想」の第4回目の原稿が掲載されました(9月13日〈木〉)。一か月ごとのサイクルで、掲載されます。ツイッター https://twitter.com/gunshaku/status/1041477209678966785 にその記事コピーを貼り付けていますので、ご覧になってください。

第4回目のテーマは台湾です。私の祖父と父が1930年代に台南に暮らしていたことがあり、慰霊を兼ねて娘と旅したことを書いています。帰国後、ちょうど祖父と父が台南にいたころ活躍していたシュールレアリストの詩人集団「風車詩社」を追ったドキュメンタリー映画「日曜日の散歩者」(黃亞歴監督、2015)を観ました。映画の中で戦前に発行されていた詩誌「神戸詩人」が写しださされています。「風車詩社」のリーダ的存在である楊熾昌はシュールレアリズム系詩誌「神戸詩人」に作品を寄せていたのです。(1940年に「神戸詩人事件」が発生しています。これは小説、川柳〈鶴彬=つる・あきら〉、俳句〈京大俳句事件〉に向けられた日本国家〈特高〉による文学者への弾圧事件のひとつです)

B/――俳句情報「俳句&評論 奔」
「奔(ほん)」2号について
俳人・望月至高氏の個人誌です。わたし・大橋愛由等は同人となっています。発行事務局は望月氏。年に二回発行予定です。第2号は沖縄特集です。俳句と沖縄についての評論が掲載される予定です。
☆第2号の要項です
 締め切り   2018年11月20日(火)
 発行     2019年01月10日(木)
 原稿(評論)    43字/行×23行/頁
「俳句と評論誌」です(詩と評論誌は多いのですが、俳句と評論がセットになった文芸誌はそんなに多くありません。このメディアはこれから注目されるでしょう)

C/――近況集
①小説家で詩人の高木敏克氏が短編小説集『港の構造』(航跡社)を上梓されました。
②8月18日(土)に行われた第21回ロルカ詩祭も無事終わりました。今年はロルカ生誕120年でした。当日の様子を詩人の永井ますみさんが録画してDVD作品としてまとめておられます。税込み・送料込みの500円という良心的価格です。ご希望の方は永井ますみさんに直接メールしてください。
永井ますみ
③川柳舎・みみひめきっちん(情野千里主宰) 25周年事業/11月2日(金)3日(祝・土)。会場/姫路文学館北館3階講堂A「シンポジウム「詩(うた)の持つ身体性」B「パフォーマンス『言の葉の八街(やちまた)』」C「冊子『25年目の踊り下駄…播磨文芸祭の川柳パフォーマンス』」

D/――北の句会は9月24日(月・祝)に開催されます。
北の句会は9月24日(月・振替休日)で
福島区民センター303会議室で開かれます。

E/――元 正章牧師のこと
島根県益田市で牧師をしている元正章氏。「ハガキ通信・益田っこ19号」を転載します。

-------------元 正章牧師からのメール転送----------------☆
「益田っこ」(19号)「いたしい け」

「なぜやめたんですか。ぼくらならどんな意気地ないやつでものどから血が出るまでは叫ぶんですよ。」(『セロ弾きのゴーシュ』)

賢治さんの詩句を引用しつづけています。賢治さんの本をしっかりと読んだわけではないのですが、彼の呟く言葉が胸の奥に留まり続け、魂のバイブレーション(震え)を引き起こしています。もしもイエスが東北の地に生れ育ったのならば、阿修羅のごとく、同じような“慟哭”の言葉を吐いたことでしょう。「まことのことばはここになく 修羅のなみだはつちにふる。」(『春と修羅』)

こちらに住んで、よく耳にする言葉があります。「いたしい け」。「苦しい、辛い、だるい、せつない、気が重い、うっとうしい」など、体調がすぐれない時に、よく用いられています。関西弁の「しんどい」とは、また違ったニュアンスが込められて、「いたしい」と言われると、「どこか悪いんだろうか」と、思わず心配したくさせます。この“心配”という言葉も、「不安、思いわずらう」と言う意味よりも、「心遣い、気配り」といった“他者への配慮”といった側面の方が強く滲み出ていて、そこに一種の「同病あい憐れむ」ような身内意識が秘められています。いつか私自身が、「いたしい」と素朴な感情を素直に吐露できたとき、皆さんの仲間に入れてもらえることでしょう。
「いったいどんなものがきたなくて どんなものがわるいのでせうか」(『イーハトーボ農学校の春』宮沢賢治)。

〒698-0021 益田市幸町4-54 日本基督教団益田教会牧師    元 正章

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F/――沖縄の詩人・高良勉氏からのメッセージ 04

沖縄の詩人・高良勉氏から送られてくるメールニュースの一部を転記します。現在、沖縄知事選挙が行われています。与党自民党はなりふりすかまわず自陣営候補の応援に執心。詩人・高良勉氏は、玉城デニー候補を応援しています。神戸からではありますが、刻々と変化する沖縄の情況を注視しています。 

-----------以下、高良勉氏からのメッセージ転記(一部)--------------☆
ベン@沖縄のタカラ・案内カンナイ親方です。
統一市町村選挙が終わると同時に、いよいよ明日から、「沖縄県知事選挙」が告示されます。
私たちは、「翁長知事の遺志を継承する市民の会」を結成し、「ひやみかち うまんちゅの会」の下に
玉城デニー候補の勝利のために活動しています。
翁長知事の遺志を継承するためにも、辺野古新基地建設を阻止するためにも、この県知事選挙は、ぜひとも勝利しなければなりません。
お互いの身の回りから、玉城デニー候補支持の輪を拡げていきましょう。
お互いに声を掛け合って、立ち上がりましょう。ゆたさるぐぅとぅ、うにげーさびら。
2018/09/12   ベン 拝

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