以前お世話になった小児科医の診察室の壁に、
「どうぞ子どものために、NO! と言ってやってください」
というタイトルの記事が貼ってありました。
「昨今の子育ては、子供の意向を大切にし過ぎて、
子どもに対しNO!と言えなくなっています。
結果、したい放題の子が生まれてしまいます。
子どもにはリミットが必要です。
だめなものはだめと、はっきりNO!を言ってやってください。
それが子供のためです」
といった内容でした。
「確かになあ」と思う部分もあります。
「リミットなしのしたい放題」で最も苦しむのはその子自身。
それでも、
NO―――! うぎゃー!きー!と何度もぶつかるなかで、
結局、「NO!」と頭ごなしに向き合わない方が、
うまくいくことの方が多いよなあと思っていました。
「ゴミ捨てない!」より「どこに捨てる?」
「お友達の家に泊まりにいっちゃだめ!」より「誕生日会はOK」や「月1回」と話し合って決める。
「ゲームしない!」より、ゲームと同じくらい楽しいアクティビティーを組み込んだり、ゲームのメリットデメリットなど話し合って、スケジュールを一緒に立てる。
なるべくこうして普段から「NO!」と頭ごなしに言わない解決策を試し、
NO!は時間がない時や、
「ここぞ」という時に、取っておく。
すると、「NO!」に対しても、
「あ、今はだめなんだな」「これは交渉の余地なしなんだ」と、
子どもたちなりに、理解するようになっていきます。
受け入れることのできる「感情のストック」のようなものも、
蓄積されるということなのかもしれません。
幼児からティーンまで、NO!と頭ごなしに言われ続けるなら、
感情のぶつかり合いになることの方が多いもの。
何度も体験してきて、思います。
このことについて、「思慮あるしつけ」についてまとめる中で活用している
著書『No Drama Discipline』by Daniel J. Siegel, M.D. and Tina Payne Bryson, Ph.D.にこう説明されています:
NO!と言われると、人は本能的に「ファイト・フライト・フリーズ状態」になります。
つまり、「考える部分(階上)」より、
より原始的な「反射や強烈な感情(階下)」部分に脳がのっとられた状態とのこと。
(参照:脳全体に働きかけるイメージで子育て!脳の仕組みを分かるなら対応もより分かる)
ファイト!と感情むき出し攻撃的になるか
フライト!と一目散に逃げるか、
フリーズ!と思考停止で固まるか。
ましてやこちらも感情むき出し般若の形相で「NO!」というなら、
なおさら、「反射」状態は高まります。
それよりも、なるべく「考える部分(階上)」を用いるよう導くことで、
周りに何が起こっているのかと、他者とのつながりの中で、
学ぶことができますとのこと。
著書では、
「Noを条件をつけたYesで言いかえてみるといいですよ」とのこと。
例えば、
グランマの家にもっと泊まりたいという娘ちゃんに、
「それはだめだ!もう帰る時間だからね!」よりも、
「もちろん泊まれるよ。来週はどうだろう」と言葉をかける。
「駄目よ!公園へは行けないわ。だって雨降ってるじゃない」よりも、
「あなた公園行くの大好きね。雨が止んだら行こうか!」と条件をつけたyesを用いる。
だめ!いけません!と言いそうになったら、
そして、その場の状況が許されるようなら、
「条件をつけたyesの文章」や、
「服脱ぎっぱなしにしない!」→「服どうしたらいい?」など
より「子ども本人が考えられるような言葉」へと変換してみます。
そうすることで、「感情爆発」でも「思考停止の言いなり」でもなく、
著者曰く、「考える脳が鍛えられますよ」とのこと。
文章を言いかえるのって、
私自身実感しているんですが、
親にとっても、頭のストレッチになりますね。
明日は、「タイムイン」について書けたらなと思っています!
それではみなさん、今日も良い日を!