子供時代の「異文化理解」について、大切とされることに、
自分たちとは「異なる点」と共に、「共通する点」についても話し合ってみる
ということがあります。
例えば、
アフリカの辺境の地の子どもたちの暮しをDVDなどで観ているとして、
洋服をほとんどきてないとか、
土でできている家に住んでいるとか、
食事を床に置いて手で食べているとか、
湖で身体を洗っているとか、
様々「違う点」が目につきます。
同時に、
お母さんが赤ちゃんをおんぶしている姿とか
カメラを向けられた子供が少しはにかんでいる様子とか
兄弟姉妹喧嘩して泣いている様子とか、
子供達がお祭りの時にはしゃいでいる様子とか
ところ変わっても、自分たちと同じように日々暮らしている様子にも目を向けてみます。
子供は、自分と似た部分がある相手に、より親近感を持つ、
そう示す研究がいくつかあります。(参考資料1&2)
確かに、
「ああ、こんなに自分たちとは違うけど、似てるところもあるんだなあ」と思うと、
それまで遠い果ての世界での出来事だったのが、
一気に身近に感じやすくなりますよね。
少し視点が変わりますが、アラスカの小学校時代、
「ミディエーター(仲介者)」という、生徒間のいざこざを仲介する係がありました。
・子供達自身で葛藤解決、「ミディエーター」という係りがあるのっていい
毎年、クラスから何人かがミディエーターとなり訓練を受けます。
その就任式で、かつてミディエーターだったという高校生がスピーチに来ていて、
こんなことを言っていたのを思い出します。
「ミディエーターという係を通して学んだことの中で、
一番よかったと思うのは、
人と人の間に、いかに共通点があるかを見つける力が鍛えられたことです。
いざこざが起こって、思いや気持ちが食い違っても、
互いが納得できるような着地点を見出すには、
互いの共通点を見ていくことが大切なんです。
ミディエーターの体験のおかげで、私は、
どんな場で、どんな違って見える人と出会っても、
繋がりを築くことができるようになりました」と。
違いを認めながらも、
共通点を見出し、互いに納得できる着地点を見出す。
まさしく、「グローバル人材」に必須の力ですよね。
そしてそれは、多様な文化が共生するための土台にもなるでしょう。
「異なる点」とともに、「共通点」を見出すこと、
心掛けていきたいですね。
「異文化理解」について、これまで書いてきたようなことが、
さらっと読めるようコンパクトにまとめてあります。
興味ある方是非どうぞ!
・今スグ取り組みたい「グローバル人材の必須スキル」を培う工夫6つ #8
さて、あと1時間もすると、夫の母親が到着します。
共通点、着地点を見出す、心がけていきます。
みなさん、心躍る週末を!
参考資料:
1.Zahn-Waxler C, Hollenbeck B and Radke-Yarrow. 1984. The origins of empathy and altruism. In MW Fox and LD Mickley (eds): Advances in animal welfare science. Humane Society of the United States
2.Smith PK 1988. The cognitive demands of children's social interactions with peers. In RW Byrne and A Whiten (eds.), Social experience and the evolution of intellect in monkeys, apes, and humans. Oxford: Clarendon Press.