ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその387-津軽じょんがら節

2019年09月23日 | 邦画
津軽の背景をダイナミックに捉えた名作

切ないばかりの男女の関係。
これに耐え、その中に喜びを見いだせる人はいるのだろうか。
男女の波長は、合っていなければいけない。
どちらかの波長が狂ってしまうと、もう元には戻れないだろう。
今回紹介する映画は「津軽じょんがら節」
日本を代表する名作である。
ストーリーを紹介しておこう。

徹男とイサ子は東京から逃げてきた。
徹男はヤクザで、敵対する組の幹部を自らの意思で殺し、自分が居た組からと敵対する組から命を狙われていた。
そこでイサ子は、自分の生まれ故郷である津軽へと、二人で逃げてきたのだ。
イサ子は、夜、場末の飲み屋で働き、徹男を養っていた。
一方徹男は、目の見えない娘、ユキと偶然出会う。
ユキは徹男に好意を抱き「あんちゃん」と彼のことを呼び親しくする。
何とか二人は追手から逃げ、安心した気持ちになっていたのだが.........

まずこの映画で、圧巻なのは、津軽の荒々しい波と曇天とした空を捉えた、ダイナミックなショットだろう。
これは観る物を圧倒して余りある表現だ。
徹男とイサ子の関係は、徐々にずれはじめ、破綻寸前となる。
徹男はユキに純愛を見つけたのか、彼女に徐々に引き付けられる。
このことを機会に、徹男は、アサリ漁師の弟子となり、毎日漁に出かけるようになる。
終盤、イサ子と別れた徹男は、ユキと結ばれる。
徹男は、この津軽に、心の安住を見つけたのだ。
しかし、徹男には悲しい現実が待ち構えていた。
ラスト荒々しい海を背景に、ユキが一粒の涙を流す。
ここがたまらなく観ている者の涙を誘う。
映画の作り、カットの素晴らしさ、どれを取っても言うことの無い名作である。
そして、ユキを演じた「中川三穂子」の素晴らしい演技にも称賛を送ろう。
是非観ていない方は、観ることをお勧めする。

1973年、日本製作、カラー、103分、監督:斎藤耕一

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