ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその119-トレーシー・ウルマン

2013年11月20日 | 洋楽ポップス
80年代の隠れた名歌手。

その昔「昭和歌謡」華やかなりしころ俳優がヒット曲を量産した時代があった。
またその逆で歌手が俳優業もこなし見事な名演を見せていた。
今ではこのような傾向は見られなくなってしまった。
懐かしきかな「昭和」である。
今回紹介するCDは「トレーシー・ウルマン」の「夢見るトレーシー」
80年代の隠れた名盤である。
全11曲からなるこのアルバムの中でも白眉といえるのがアルバムタイトルにもなっている「夢見るトレーシー」であろう。
美しい旋律に隙のないアレンジ完成度の高さでは群を抜いている。
その次は1曲目の「ブレイク・ア・ウエイ」か。
このトレーシ・ウルマン、元々は自身の持つトークショウのホストを努めて有名になったイギリス出身の女性である。
それ以前にも映画や舞台に出演し俳優としても成功している。
このアルバムは音楽としては完璧な出来である。
その完成度の高さでは評価を十分与えられる作品であろう。
各楽曲とも音に隙が無い、完璧な作りである。
彼女の歌唱も流麗にして巧み、申し分がない。
以前のブログ記事でも取り上げたがCDで再販されているものは「ボーナストラック」が入っている(ボーナストラックの無意味さは以前のブログ「明日のためにその49」を参照願いたい。)
もし入手できたならボーナストラックは聴かずにおいたほうが良いだろう。
やはり折角の完成度の高いアルバムがボーナストラックのために台無しになる。
11曲目が終ったらアンプのヴォリュームは絞っていただきたい。
それほどこのアルバムはアルバムとしての完成度も高い。
現在このCDは廃盤になっているようだが、もし入手できるようであれば是非入手され聴いていただきたい一枚である。


明日のためにその118-ザ・ストライプス

2013年11月14日 | ロック
久しぶりに現れたロック界の新星。

1960年代ビートルズに始まった「ブリティッシュインヴェンション」は時を経て1970年代の「ロック混沌期」から1980年代の「パンク・ニューウエイヴ」に至った。
その後1990年代から現在に至るまでブラックカルチャーの「ラップ」がメインストリームとなっている。
現在の音楽要素にはラップは必須となっている感がある。
どのアーティストの音楽もラップに少なからず影響を受けている。
しかし最近アイルランドから新たなるロック界へ彗星の如く登場したバンドがいる。
「ザ・ストライプス」
彼らは平均年齢16歳の若さで2011年にバンド結成。
かのジェフ・ベック、エルトン・ジョンからも高くその資質を評価されているバンドだ。
既に来日も果たし、各公演全てチケットはソールドアウトだったと言う。
日本のテレビ番組「ミュージックステーション」にも出演したということだ。(私は未見だが)
彼らのルーツはブルースをベースにしたロックンロールである。
若干初期のストレインキャッツを彷彿させるところもある。
ルックスあたりまえだがとても若くまだ音楽界に染まりきっていない瑞々しさを感じさせる。
最近ファーストアルバム「スナップショット」をリリース。
早速私も聴いてみたが切れの良いビートには久々に感動を覚えた。
以前このブログで紹介した「ジョンスペンサー&ブルースエキスプローション」と比べるとまだサウンドが軽いと思う。
しかし経験を積み重ねることによりより重厚なロックンロールを聴かせてくれるバンドになりそうだ。
このようなバンドを音楽界は良い方向に育成する義務があると思う。
ロックロールの王道の復活に期待だ。

明日のためにその117-レッドツェッペリンⅣ

2013年11月13日 | ロック
70年代を代表する1枚。

1970年代洋楽の世界はホワイトカルチャーとブラックカルチャーがせめぎあっていた。
まさに洋楽界はカオスの状況を呈していた。
同じ時期彗星の如く表れ今日にもつながるジャンルが誕生する。
「ハードロック」である。
ハードロック界も群雄割拠、様々なバンドが切磋琢磨していた。
代表格では「ディープパープル」「ブルーチェア」「マウンテン」や路線をややハードロックよりにした「ザ・フー」などが挙げられる。
その中でも郡を抜いて実力人気ともに併せ持ったのが今回紹介するイギリス出身の「レッドツェッペリン」である。
ヴォーカル:ロバート・プラント、ギター:ジミー・ペイジ、ベース:ジョン・ポール・ジョーンズ、ドラム:ジョン・ボナーム。
以上の4人が様々な楽器を演奏し革新的な楽曲を次々の作り「ハードロック」界に新しい波を送り込んだ。
今回紹介するアルバムは「レッドツェッペリンⅣ」
名曲揃いの名作である。
発売当初はこのアルバムからのヒット曲が多くコアなフアンからは「駄作」扱いを受けていたものである。
しかし近年評価も変わり「レッドツェッペリンⅡ」と並んで代表作に数えられるようになった。
アルバムA面(アナログ表記になるが)だけでも「ブラックドック」「ロックンロール」「天国への会談」とハードロック界と言う境界線を越えた名曲揃いである。
アルバム全体を通じても様々な要素の楽曲が並び安心して聴いていられる完成度の高いものである。
1968年から1980年までの短い時間の活動であったがこの他名曲の数々を彼らは残していった。
最近では聞かなくなった「ハードロック」と言うジャンルのデファクトスタンダードとしても一聴すべきアルバムである。
1977年発表。


明日のためにその116-タオさんのしあわせ

2013年11月04日 | アジア映画
人と人を結ぶ絆。

人と人とは絆で結ばれている。
やがてその絆は愛となり結ばれる。
更に子供が生まれて新しい絆ができあがる。
しかしこの絆は小さな家庭の中だけではない。
他人との間にも深い絆も存在する。
今回紹介するのは「タオさんのしあわせ」
ストリーを紹介しておこう。
14歳で両親をなくし、梁家の家政婦として60年間一緒に暮らしてきたタオさん。
今は末っ子の映画監督をしているロジャーと同居して家政婦を続けている。
ある日タオさんは脳卒中で倒れ入院する。
タオさんは退院後自らのお金で老人ホームへ入るとロジャーに言うのだが......
結局タオさんを見捨てられないロジャーは自身のお金でタオさんを老人ホームに入れる。
彼はそのとき初めて気づく。
両親の代わりに自分を育ててくれたのは彼女であったことを。
ロジャーはまるで自分の母親の面倒を見るようにタオさんに接する。
ここに彼と彼女の深い絆が見て取れる。
脚本もしっかりしていて映画の作りもしっかりしている。
タオさんの幸せ....それは何を指しているのだろか?
きっと彼女の家政婦としての14歳から奉公にでて60年奉公先で築いた家族との絆その全てを指すのではないだろうか。
久しぶりに他人との絆と言うものを気づかせてくれた佳作である。
是非観ていただくことをお勧めする。
蛇足だが私がこの映画には本人役でカメオ出演してる人達がいる。
私が確認できたところでは香港のアクション映画の巨匠「ツイ・ハーク」ゴールデンハーベストプロダクションの創始者のレイモンド・チョウなどがいた。
2011年香港・中国合作、2012年日本公開、カラー、119分、監督:アン・ホイ