ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその489-カツベン

2020年10月26日 | 邦画
周防にしては、平均的な作品。

昔映画が、モノクロでサイレントだった時、日本にはその映画を説明する「弁士」なる職業があった。
彼らは、独特の語り口調で、映画に華を添える役割をしていた。
弁士自体が人気者になり、それを目当てに客は劇場に、足を運んでいた。
今回紹介する映画は「カツベン」。
映画の弁士を主人公にした作品である。

ストーリーを紹介しておこう。
時は大正、幼い俊太郎は、映画が好きで、特に弁士に憧れていた。
ある日彼は、梅子と言う少女と出会う。
彼らは意気投合し、一緒に遊ぶ仲になる。
時は流れ、俊太郎も青年になったのだが、ある窃盗集団に入り、盗みを続けていた。
そんなある日、彼は成長し、女優となった梅子と出会う。
昔を懐かしみ、次第に近い仲になる二人だったが......

この映画は周防正行監督作品である。
彼は、今までも沢山の名画を撮った監督であり、今では「名匠」と呼んでもいい立場にある。
しかし残念ながら、この映画は、周防にしては物足りない、印象が残るものだ。
古き映画の時代へのオマージュにしては、作りが浅く、そうなっていない。
映画全体の作りはしっかりしているものの、何か食い足りない気分になってしまう。
特にラスト近くの、追いかけっこのシークエンスは「スラップスティック」にしたかったのかもしれないが、セリフが多く、動きも緩慢でそうなっていない。非常に残念な所である。
周防作品にしては、主題が見えず、映画としての平均的作りしかなされいないのは、残念な所か。
かなり期待して観たので、ちょっと肩透かしを覚えた。
彼の映画にもこのようなものがあるのだなぁと、ちょっと残念な気になってしまう映画である。
彼の次回作に期待をしよう。

2019年、日本製作、カラー、127分、監督:周防正行

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2 コメント

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こんばんわ....。 (kiyasume)
2020-10-27 21:12:02
blog記事参考になりました。

処で「手塚治虫」の息子の映画監督「手塚眞」が
撮った「ばるばら」が11月20日に一般公開され
ますね。私は期待して居るのですよ・・・・・。

原作は手塚治虫のちょっと退廃的な漫画ですけど。
1970年代の話を現代に移した問題作です。

次回の私のblog記事で詳しく紹介しますので、
良かったら読んで見て下さい。
そして今あの「白痴」_(手塚眞作品の方です)が
デジタルでリバイバル公開して居るかと思います。

この作品はDVDも出て居ますね。
1990年代に30億かけて松竹から公開されて、
ヴェネチア映画祭で賞を貰いましたよね。

なんかヨーロッパでも公開された見たいですね。
「ばるばら」は公開が楽しみなんですよ。

処で、浜田マロンと言う歌手知って居ますよね。
もし知らなかったら聴いて見て下さい。
彼女も良いですよ。

https://www.youtube.com/watch?v=t8Z-GIAuPxY&feature=emb_logo

また来ますね。。。
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コメントありがとうございます。 (ダーリン三浦)
2020-10-28 00:58:17
kiyasumeさん。コメントありがとうございます。
手塚眞の「ぱるぱら」ですか、是非次回の記事を読ませていただきます。
浜田マロンは知らなかったです。
聴きましたが、堂々とした歌いっぷりがいいですね。
好きになりました。
また、遊びに来てくださいね。
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