ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその128-天才スピグェット

2014年12月30日 | ヨーロッパ映画
優しく、心温まる一品。

家族。
時に愛おしく、時に疎ましい存在である。
しかし人間は一人では生きてゆけない。
年齢を重ねる程人は故国を目指し、家族は自身にとって安住の場となるのである。
今回紹介する作品は「天才スピグェット」
「アメリ」と撮ったジャン=ピエール・ジュネの作品である。
ストーリを紹介しておこう。
アメリカの西部モンタナ州に住む10歳のスピグェットは天才少年。
両親と姉、弟と住んでいる。
ある日弟が銃の暴発がもとで死んでしまう。
スピグェットは弟が自分より可愛がられていたと思っており、自分が弟の代わりに死ねば良かったとおもう日々。
そんな彼のもとへワシントンから彼の発明した装置が栄誉ある賞に選ばれたと電話がかかってくる。
スピグェットは一大決心、一人でワシントンへ向かおうとするのだが......
さすがジュネ監督、遊び心一杯の作りが良い。
観ていてとても心温まる作品になっている。
ラスト、終始優しい目線でこの作品を撮ったジュネ監督の優しさがしみじみ感じられる感動的なシークエンスである。
以前観た「アメリ」ももう一度観てみたくなってしまった。
彼の作品はどの作品もその目線は優しい。
映画ファン全員にお勧めできる傑作である。

2013年、フランス・カナダ合作、2014年日本公開、カラー105分、監督:ジャン=ピエール・ジュネ

今年もこのブログを読んでいただいた方に感謝いたします。
皆様良いお年をお迎えください。

ダーリン三浦


明日のためにその127-ジャージーボーイズ

2014年12月11日 | アメリカ映画
イーストウッドの傑作また誕生。

1950年~1960年代にかけてアメリカではまさにポピュラー音楽の黄金期をむかえていた。
数々生まれる名曲、才能をもったコンポーザーまさに当時アメリカはポピュラー音楽の宝庫であった。
その中でも男性コーラスグループ「フォーシーズンズ」は特に人気があった。
遠い記憶になるが、日本でも日本語のカバー曲「シェリー」などがヒットした。
今回紹介する映画は「ジャージーボーイズ」
フォーシーズンズの伝記的映画である。
ストーリーを紹介しておこう。
ジャージー州に住む若者トミーはなかなかの悪童で夜はクラブでアマチュアバンドとして演奏しそれをなりわいにしていた。
彼は町でも「天使の声」を持つと評判だったヴァルをバンドに迎える。
更にマイナーではあるがヒット曲を持つ作曲家もバンドに迎え入れる。
彼らを加えたバンドは「フォーシーズンズ」名を改めヒットを連発する。
一見順風満帆に見えた彼等だったが......
映画の見所はなんといっても出演者による演奏シーンである。
もともと舞台劇だった本作は俳優もその舞台から採用した物が殆どであるため偽りのない演奏が楽しめる。
更にイーストウッドの彼独特のしっかりした映画つくり、スムーズな物語の進行なども楽しめる。
イーストウッドの傑作がまた増えたと言えよう。
音楽映画のお好きな方は勿論、そうでない方にも十分お勧めできる映画である。
私は本作を観終わった後、久しぶりにアメリカのオールディズポップスのオムニバスLPを聴いてみた。
勿論そのLPには「シェリー」が収録されている。

2014年、アメリカ製作、カラー134分、2014年日本公開、監督:クリント・イースト・ウッド