ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその456-今週の一曲

2020年05月29日 | 今週の一曲
みなさま、週末のひととき、いかがお過ごしでしょうか。
今回の今週の一曲は、インドネシアのダンドゥットをご紹介します。歌手は「カメリア・マリク」。
あまり東南アジアのポップスは、人気が無いようですが、このダンドゥットは、手打ちのクンダンが心地よい、なかなかの名曲です。
では、みなさま、ご堪能あれ。


明日のためにその455-今週の一曲

2020年05月22日 | 今週の一曲
みなさま、週末のひととき、いかがお過ごしでしょうか。
今回の今週の一曲は、トルコの女性歌手「デニズ・セキ」をご紹介しましょう。
彼女の少し太めの声で、安定した歌唱はきっと皆差を癒すことでしょう。
それでは、ご堪能あれ。


明日のためにその454-ジュディ 虹の彼方に

2020年05月17日 | アメリカ映画
ジュディ・ガーランドの悲しき生涯。

洋・邦問わず、名子役は数多存在した。
しかし、その殆どは、成長するに従い、その存在価値がなくなり、表舞台から姿を消した。
今存在している、子役から成長した役者は、ほんの一握りしかいないと言っても過言ではない。
今回紹介する映画は「ジュディ 虹の彼方に」。
オズの魔法使いで、一世を風靡した、ジュディ・ガーランドの人生を描いた映画である。
ストーリーを紹介しておこう。

ジュディ・ガーランドは、既に中年の域にかかり、幼い子供二人と、住むところもなく、安舞台をまわっていた。
そんな折、彼女にロンドン公演の話がまいこむ。
彼女は二人の子供を全夫に預け、単身イギリスに渡ることになる。
幼い頃からの心身不安定に悩まされていて、アルコール依存症の癖もある彼女だが、ロンドン公演に賭ける意気込みは凄いものがあった。
その彼女のロンドンでの公演が始まろとするが.......

まずこの映画、驚いたのが、主演のレネー・ゼルウィガーの歌唱だった。
自分で歌うことに拘った彼女の歌は、素晴らしい出来で、聴く者の耳を奪うだろう。
演技もとても悲哀があり、ジュディ・ガーランドの内面の悲しさを良く表現している。
彼女はこの映画で、今年のアカデミー賞の主演女優賞を獲得している。

映画は、ジュディ・ガーランドの一生を決め付けたともいえる「オズの魔法使い」の頃の彼女の生活を、若干フラッシュバックさせながら進行していく。
その結果彼女は常にむき身で、些細な事でも傷つきやすい精神状態になってしまう。
寝られない夜、深くなる酒への依存。彼女は日を追うにつれ、人間的に壊れていってしまう。
ロンドン公演も、最初は上手く乗り切るのだが、徐々に精神的に不安定になり、ステージ開園に遅れたり、ステージ上で客を罵倒したりして、彼女の評価は悪くなっていく。
全夫に預けた子供たちは、全夫と暮らす事を選び、いよいよジュディは窮地に追い込まれる。
その結果、ステージで失敗をしてしまい、ステージ契約を解除されてしまう。

ロンドン最後の日、ジュディはステージの外にいた、そして代役で歌うロニー・ドネガンに「一曲でいいから歌わせて」と懇願する。
ドネガンは快くステージを彼女に譲り、ジュディは最後のステージに臨む。
一曲見事に歌いこなした彼女は、最後の曲に「虹の彼方に」を選び歌いだす。
このころには、観ている私の涙腺が崩壊し、恥ずかしながら、涙で頬を濡らしてしまった。
ジュディはこの公演の半年後に47歳と言う若さで逝去してしまう。

この映画の作りとしては、フラッシュバックのところで、もう少し内容を掘り下げてもらいたいところもあったが、総じて丁寧で良い作りとなっている。
是非皆様にも観ていただきたい一本である。

2019年、アメリカ・イギリス製作、カラー、118分、監督:ルパート・グールド。

明日のためにその452-イエスタディ

2020年05月13日 | ヨーロッパ映画
ダニーボイルの秀作

ビートルズ。
言わずと知れた20世紀を代表する、ポピュラー音楽の巨匠である。
私自身も彼らに影響を受け、作詞・作曲を行うようになったし、今でも彼らの楽曲はよく聞く。
その偉大さは、計り知れないもので、今後現れることない現象であろう。
今回紹介する映画は「イエスタディ」。
ビートルズを中心にした、映画である。
ストーリーを紹介しておこう。

ジャックは売れない男性のアマチュアライブ歌手。
彼には長年ささえられている女性マネージャー、エリーがいる。
ある日ジャックはライブの帰り、いつもどおりエリーが運転する車から降り、自分の自転車で帰途につこうとするが、交通事故にあってしまう。
と、その瞬間、世界中で「12秒間」原因不明の停電が起きる。
ジャックは入院し、軽い症状だったので暫く療養した後退院する。
ジャックの友達が、彼の快気祝いを催す。
そしてその場で友達のリクエストに応え、ジャックはビートルズの「イエスタディ」を歌う。
その歌の素晴らしさに、友達は感激し、歌を称えるが、いくらジャックがビートルズの曲だと言っても彼らは分かってくれない。
そこでジャックはインターネットで、ビートルズを検索するが、いくら検索しても「カブトムシ」としてしか結果が出ない。
なんの因果か、彼はビートルズが存在しなかった世界で生きている事を気づく。
そこでジャックは、ビートルズの知っている曲を自分が作った楽曲として紹介し、一攫千金を狙おうとするのだが.......

やはり映画の作りが上手い。
ものの十数分で、映画の中に自分の身が置かれているのを観る者は感じるであろう。
私の勝手な持論だが、良い映画は、開始から十数分以内に客を取り込めなければならないと思っている。
この映画はまさにそれをやってのけている。
また、ニヒリストなダニーボイルは、劇中で、ビートルズ以外の有名な物「コカ・コーラ」等も歴史上から存在しないことにしている。
物語はジャックとマネージャー、エリーとの恋愛関係についても触れ、彼が正常な精神状態になるきっかけも作っている。
そしてラスト、ジャックとエリーの幸せな現実が描かれ、とても観客に人生の希望を与える良い映画に仕上がっている。
本物のエド・シーランも出演し、演技をこなしている贅沢な作品とも言える。
とにかく、奥の深い、しかしサラリと軽く表面をなでるような良い作品だ。
ビートルズの偉大さを再確認した私は、今彼らの楽曲を聴きながら、この文章を書いている。
是非多くの方に、観ていただきたい映画である。

2019年、イギリス製作、カラー、116分、監督:ダニーボイル。

明日のためにその451-今回の名盤

2020年05月11日 | 今回の名盤
アメリカンロックの金字塔

混沌とした70年代のロック。
メインストリームが無い中、様々なアーティストが様々な作品を残した。
それはまさに、音楽界の玉石混交。まさにカオス状態だった。
しかし、そんな中、ロック界の金字塔とも呼べるアルバムがリリースされる。
それが今回紹介する「オールマンブラザーズバンド」の「ブラザーアンドシスターズ」である。

ご存じの方も多いと思うが、このバンドを代表していたリードギターリスト「デュアンオールマン」が交通事故で夭逝し、バンドの中心を無くした彼らの復活劇を演出した名盤である。
曲目を紹介しておこう。
1.wasted words
2.ramblin'man
3.come and go blues
4.jelly jelly
5.southbound
6.jessica
7.pony boy
グレックオールマンとデッキーベッツのオリジナルメンバーが中心となり、製作されたこのアルバムは、本国アメリカで大ヒットを記録する。
特に私のお勧めは、4のjelly jellyと6のjessicaである。
前者はコクのあるブルースで、アンニュイな感じを醸し出しているところがいい。
後者はどこまでも明るく爽やかなインストゥルメンタルである。

基本このアルバムは「カントリー」「ブルース」「アメリカンロック」を基調とした音楽が多い。
そしてどの曲の完成度も高く、まさに「名盤」の名に恥じない作りとなっている。
このアルバムも昨今流行りの「デラックスエディション」などと言い、余分なトラックが入っているものが発売されている。
できれば、それが無いオリジナルのエディションを聴いていただきたい。聴き終わった後の感動が違うのだ。

混沌とした70年代のロック界に、一筋の光を当てたこの作品、是非多くの方に聴いていただきたいと思う。
下に「ジェシカ」のリンクを貼った、是非皆様に聴いてほしい。

1973年、アメリカ製作、全米チャート1位。


明日のためにその450-驟雨

2020年05月09日 | 邦画
夫婦愛を愛でる監督の目

夫婦。
結婚する前は、それぞれ他人として暮らしていた男女。
その男女が、一つ屋根の下で暮らすのだから、お互い価値観の違いから、仲違いすることもあるだろう。
しかし、子供が生まれても、所詮親元から旅立てば、最後に残るのは「夫婦」だけである。
そう考えると、お互いの事を慈しむ心も含め、考えも新たになるだろう。
今回紹介する映画は「驟雨」。
結婚倦怠期の夫婦を描いた映画である。
ストーリーを紹介しておこう。

亮太郎と文子は結婚4年目の夫婦であるが、既に倦怠期を迎えている。
亮太郎は休日の朝、些細なことから、家を出てしまう。
そんな折、新婚旅行に出かけていた文子の姪が、旅行先で夫と些細なことで喧嘩となり、新婚旅行を中断して帰ってきてしまう。
文子はそんな姪を諭し、もとのさやに収めようとするが..........

文子の姪は、新婚旅行先での、夫の秩序の無い行動に腹を立て、我慢できずに途中で帰ってきたという。
文子は、自分たち夫婦のことは棚に上げ、あれこれ意見を言い、彼女を諭そうとする。
ここが可笑しい。自分たちも、先ほど些細なことから喧嘩になり、亭主が家出したと言うのに、そのこと気にせず姪を諭す。
しかし、このような風景は、どの家庭でも見られる、決して他人事ではないものである。
さすがは監督の「成瀬巳喜男」このあたりの表現をさせると、実に上手い。
諭された姪は、とりあえず実家に帰ってゆく。
その後亮太郎の会社は買収されることになり、彼は退職するか、職場異動するか選択に迫られる。
そんな折、彼と仲の良い会社の同僚が、彼の家に集まり、今後の相談をする。
その中で、仲間の一人が「クラブでも経営して水商売でもやろう」と提言する。
更に彼は文子を指し「奥さんなら、クラブのママになれるから、一緒にやりませんか」などど言ったものだから、亮太郎は怒り心頭に発するのを我慢しながら「お前には無理だよ」と文子に言う、
このあたりのシークエンスも、倦怠期でありながら、妻に嫉妬心をもつ夫の立場を見事に表現している。

そして暫くすると、新婚旅行を中断して帰省した姪から、夫婦中睦まじい写真いりのハガキが届く。
所詮子供の喧嘩見たいなものよと、嘯きながらそのハガキをテーブルに置く文子。
亮太郎は庭でのんびりしている。陽気の良い一日。
そこに、表で紙風船で遊んでいる子供達。誤って紙風船が亮太郎の足元に。
亮太郎は子供たちに紙風船を手で打って帰そうとするが、誤って紙風船は文子に当たりそうになる。
それをサッと避けた文子は、力を込めて亮太郎に紙風船を打ち返す。
いつの間にか、子供たちの紙風船は、亮太郎夫婦のストレス解消の糧となり、右へ左へと飛ぶ。
その微笑ましい光景を、私たち観客の後ろから、優しく見つめる成瀬の眼差しを感じる。
夫婦とは何かと考えさせられる秀作である。

1956年、日本製作、モノクロ、91分、監督:成瀬巳喜男

明日のためにその449-今週の一曲

2020年05月08日 | 今週の一曲
みなさま、週末のひととき、いかがお過ごしでしょうか。
今回の今週の一曲は、アラム歌謡から、Shadiaをご紹介します。
どくとくのこぶしと、コクのある旋律はアラブ歌謡特有のもの。
では、みなさま、ご堪能あれ。


明日のためにその448-ミッションインポッシブル

2020年05月06日 | アメリカ映画
007に代わるもの

007シリーズ。
毎回観客の度肝を抜くギミックで、その公開を楽しみにしていた映画である。
特に、特殊装備された「アストンマーチン」が活躍する「ゴールドフィガー」やモータボートが陸まで駆け上がり、派手なチェイスを見せた「死ぬのは奴らだ」には思い入れが深い。
しかし、残念な事に、この「007シリーズ」にとって代わる映画が完成してしまったのだ。
それは「ミッションインポッシブル」シリーズ。
トム・クルーズの豪快なアクションと、派手なアクション演出で知られるこのシリーズは、1作目から見ているが、どれも期待を裏切らない見事な出来となっている。
特に、ブライアン・デパルマがメガホンを取った1作目は、映画としても完璧なものであり、私は正直驚いた。
そして、遅ればせながら、最近最新作の「フォールアウト」を観た。それは私の予想以上にしっかり出来ており、ある種の感動を覚えた。
ここについに、前述の「007」越えがコンプリートされたのだ。

007シリーズが面白く無くなった(個人的にだが)のは「消されたライセンス」あたりからではないだろうか。
原作のジェームスボンドに一番雰囲気の近いと言われた「テモシー・ダルトン」が「リビングディライツ」からボンド役を担うわけだが、どうも雰囲気が暗い。
そして、消されたライセンス自体も、雰囲気の暗い作品として作られていて、観ていて気分爽快とはならない出来だった。
ここから007シリーズは一気に失速してゆく。
周りのアクション映画の演出が派手になってきたのに、007はそれ以上に派手で痛快な映画が少なくなってきた。
今ではもう、新作の公開を心待ちにしている人々も少なのではないだろうか。

ミッションインポッシブルシリーズには、全盛期の007シリーズの勢いがある。スリルがある。爽快感がある。
アクションさえ派手にすればいいと言うものではない。
映画としてしっかり作られていなければならない。
観客の度肝を抜く、ギミックもよく考えられたものでなければならない。
007シリーズの25作に対して、ミッションインポッシブルシリーズはまだ6作。
今後何作製作するのかは分からないが、私としては新作への期待が、常に心に膨らんでいる。