淡々と映し出す家族の風景。
人は成長し、やがて思春期を向かえ、更に成長し、結婚、子供の誕生と様々な変化を経験する。
宇宙的時間に比べれば、ほんの「瞬き一瞬」と言える人間の人生も、生きてゆくうえでは長い道のりである。
特に「家族」を自ら持った場合、その人生には様々な変化が伴うことになる。
本日紹介する映画は「6才のボクが大人になるまで」
実に撮影すること、12年間と言うかってないスケールの映画だ。
ストーリーを紹介しておこう。
両親の離婚後、母親と姉と一緒に生活するメイソン・ジュニアは6才。まだあどけなさが残る男の子だ。
別れた父親は、定期的に子供達に会いにきて、一緒に遊ぶことを楽しんでいる。
母親は、遅ればせながら通い始めた大学で、そこの教鞭をとる教授と親しくなる。
そして、母親はその教授と結婚することになり、子供達は教授の子供達と同じ家での共同生活をすることになる。
しかし、その教授は酒を呑むと乱暴になり、家族に罵声をあびせる性格だった。
その状況に嫌気がさした母は、教授と離婚することとなるのだが......
母親は、その後結婚に懲りずに、再婚することになる。
しかし、彼女が何度再婚しても、子供達の父親は必ず会いに来て、子供達と遊ぶ。
母親が離婚、再婚をする中、子供達はしっかり自分の意思をもって、非行にはしることなく、素直に成長していく。
そこには、どんなに離れても、時間が経っても、会いに来てくれる父親の存在が重要だ。
特に男性である、メイソン・ジュニアは、男同士隠し事なく話せる父親の存在は貴重だったろう。
印象的だったシーンがある。
父親が再婚後、以前乗っていた車を新車に買い替える。その車でメイソン・ジュニア達を迎えにくる。
メイソン・ジュニアの誕生日を、再婚した細君の両親に合わせるためだ。
その新車を見たメイソン・ジュニアは、父親に言葉をもらす。
「以前の車は僕が16才になったらくれる約束だった」と。
しかし、父親の反応は冷淡で「そんな約束はした覚えがない」「車が欲しければ自分で働いて買え」と返す。
その時のメイソン・ジュニアの、なんとも言えぬ表情が印象的だ。親は常に子供の事を思っていると、メイソン・ジュニアは考えていたのだろう。
しかし、現在、その父親は再婚しており、そちらの家庭を大切にしているのだ。
そこに気づかされた瞬間である。
また、別のシーンで印象的だったのは、大学に入学するために母親の元を離れることになったメイソン・ジュニア。
既に姉は母親の元を離れて、寮で暮らしている。メイソン・ジュニアがいなくなるとひとりぼっちになってしまう母親。
そこで母親は叫ぶ「結婚して、離婚して、子供を育てて、私の人生なんだったのよ」と。
この叫びは、男性には分からない感情だろう。母親もまた一人の女性である。それがよく現れたシーンだった。
前述したとおり、この作品は12年間と言う、長い歳月をかけて撮った映画である。その間、キャストも変わらず、この映画の観衆もきっと成長してゆく子供達の外見や、心情の変化を読み取れたであろう。
この映画は、昨年のアカデミー賞に多部門でノミネートされた。しかし、受賞できたのは「助演女優賞」だけだった。
個人的には、監督賞は受賞してもらいたかった作品である。
本日、日本時間の朝は第88回アカデミー賞の発表がある。
今年はどんな作品が、どの賞を受賞するのであろうか。
人は成長し、やがて思春期を向かえ、更に成長し、結婚、子供の誕生と様々な変化を経験する。
宇宙的時間に比べれば、ほんの「瞬き一瞬」と言える人間の人生も、生きてゆくうえでは長い道のりである。
特に「家族」を自ら持った場合、その人生には様々な変化が伴うことになる。
本日紹介する映画は「6才のボクが大人になるまで」
実に撮影すること、12年間と言うかってないスケールの映画だ。
ストーリーを紹介しておこう。
両親の離婚後、母親と姉と一緒に生活するメイソン・ジュニアは6才。まだあどけなさが残る男の子だ。
別れた父親は、定期的に子供達に会いにきて、一緒に遊ぶことを楽しんでいる。
母親は、遅ればせながら通い始めた大学で、そこの教鞭をとる教授と親しくなる。
そして、母親はその教授と結婚することになり、子供達は教授の子供達と同じ家での共同生活をすることになる。
しかし、その教授は酒を呑むと乱暴になり、家族に罵声をあびせる性格だった。
その状況に嫌気がさした母は、教授と離婚することとなるのだが......
母親は、その後結婚に懲りずに、再婚することになる。
しかし、彼女が何度再婚しても、子供達の父親は必ず会いに来て、子供達と遊ぶ。
母親が離婚、再婚をする中、子供達はしっかり自分の意思をもって、非行にはしることなく、素直に成長していく。
そこには、どんなに離れても、時間が経っても、会いに来てくれる父親の存在が重要だ。
特に男性である、メイソン・ジュニアは、男同士隠し事なく話せる父親の存在は貴重だったろう。
印象的だったシーンがある。
父親が再婚後、以前乗っていた車を新車に買い替える。その車でメイソン・ジュニア達を迎えにくる。
メイソン・ジュニアの誕生日を、再婚した細君の両親に合わせるためだ。
その新車を見たメイソン・ジュニアは、父親に言葉をもらす。
「以前の車は僕が16才になったらくれる約束だった」と。
しかし、父親の反応は冷淡で「そんな約束はした覚えがない」「車が欲しければ自分で働いて買え」と返す。
その時のメイソン・ジュニアの、なんとも言えぬ表情が印象的だ。親は常に子供の事を思っていると、メイソン・ジュニアは考えていたのだろう。
しかし、現在、その父親は再婚しており、そちらの家庭を大切にしているのだ。
そこに気づかされた瞬間である。
また、別のシーンで印象的だったのは、大学に入学するために母親の元を離れることになったメイソン・ジュニア。
既に姉は母親の元を離れて、寮で暮らしている。メイソン・ジュニアがいなくなるとひとりぼっちになってしまう母親。
そこで母親は叫ぶ「結婚して、離婚して、子供を育てて、私の人生なんだったのよ」と。
この叫びは、男性には分からない感情だろう。母親もまた一人の女性である。それがよく現れたシーンだった。
前述したとおり、この作品は12年間と言う、長い歳月をかけて撮った映画である。その間、キャストも変わらず、この映画の観衆もきっと成長してゆく子供達の外見や、心情の変化を読み取れたであろう。
この映画は、昨年のアカデミー賞に多部門でノミネートされた。しかし、受賞できたのは「助演女優賞」だけだった。
個人的には、監督賞は受賞してもらいたかった作品である。
本日、日本時間の朝は第88回アカデミー賞の発表がある。
今年はどんな作品が、どの賞を受賞するのであろうか。