ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその500-今週の一曲

2020年11月27日 | 今週の一曲
みなさま、週末のひととき、いかがお過ごしでしょうか。
今回の今週の一曲は、バングラデシュの女性歌手をご紹介します。
名前はるルーナ・ライラ。バングラデシュの歌手の中でもヴェテランの唄いてです。
なかなか可憐な歌声で、パンジャブビートを軽々唄いあげます。
それでは、みなさま、ご堪能あれ。


明日のためにその499-青春の夢よいまいづこ

2020年11月23日 | 邦画
小津映画にしては、シリアスな作品

青春時代から培った友情は、果たしていつまで続くものだろうか。
人は皆時を経て、成長し、感情も変わってくる。
青春の大切な感情、友情は永遠なのだろうか。
今回紹介する映画は「青春の夢いまいづずこ」。
友情の大切さと、その変化を描いた作品である。
ストーリーを紹介しておこう。

大学生活を謳歌する4人、彼らは深い友情で結ばれていた。
しかし、その中の堀野は、会社社長の父を急病で失う。
失意の中、父親の会社を引き継ぎ、大学を中退して、社長となった彼は、就職難の中、他の3人から会社への入社を懇願される。
入社試験で、その3人に不正な待遇を与え、何とか就職できた3人。
皮肉にも大学の同僚は、堀野の部下として働くことになるのだが......

全く皮肉な内容である。当然のことながら、入社した3人は、堀野を社長と仰ぎ、だんだん遠ざかってしまう。
しかし、大学時代の感覚を失っていない堀野は、同等に彼らと付き合おうとする。
ここの視点が面白い。普通は、社長になった堀野が偉そうになり、友情に亀裂が入るのが普通の描き方だと思うが、小津は違う。
いつまでも変わらない友情を小津は大切に描く。ここは私が一番共感するとこだ。
そして、堀野は、大学時代から好意を抱いていた、女性繁に結婚を申し込もうとする。
しかし、繁は4人の中でも一番体裁の上がらない、斉木と結婚するという。
そのことを知らなかった堀野は、3人の前で、繁へのプロポーズをほのめかす。
苦悶する斉木。堀野に大きな借りのある彼は、繁への思いを断ち切ろうとする。
それを知った堀野は、斉木を叱咤し、自分たちの友情の大切さを訴える。
このあたりの作りが、甘いと思われる方もいるだろうが、私は大いに感動した。
ラスト、新婚旅行に向かう列車を、3人は自社ビルの屋上から、手を振って見送る。
いつまでも変わらない友情を称えた、さすがの小津映画である。

1932年、日本製作、モノクロ、サイレント、85分、監督:小津安二郎


明日のためにその498-今週の一曲

2020年11月20日 | 今週の一曲
みなさま、週末のひととき、いかがお過ごしでしょうか。
今回の今週の一曲は、キューバの黄金コンビ「ペレスプラード&ベニーモレ」の楽曲をご紹介します。
曲は、マンボのなかでは珍しいジャンル「マンボヴァティリ」です。
ヴァティリとは、ヴァラエティのことで、曲の中で、様々な曲調を盛り込んだ展開をする、とても興味深いものです。
今回紹介するリンクは、マンボヴァテイリが複数繋がった長いアルバムになっていますが、最初の楽曲「マンボヴァテイリ」を聴くだけでも、その面白さを味わえるでしょう。
それでは、みなさま、ご堪能あれ。


明日のためにその497-奥様は魔女

2020年11月17日 | アメリカ映画
クレーヌの作る爽やかなコメディ。

このところ、ルネ・クレーヌの作品を追っている。
今回はその中から、毛色の変わった作品を紹介しよう。
タイトルは「奥様は魔女」。昔アメリカドラマでヒットした作品の、原点ともいえる映画だ。
ストーリーを紹介しておこう。

17世紀に、体を燃やされ、樫の樹に封印されてしまった魔女とその父。ジェニファーとダニエル。
二人は20世紀のある日、嵐の中、雷に打たれた樫の樹から復活する。
自分たちを苦しめた、一家の末裔、ウォーリに復讐すべく、新しい体を手に入れた二人。
魔法で作った惚れ薬をウォーリに飲ませ、ジェニファーの虜にして、復讐を企てるが、ひょんなことからジェニファーがそれを飲んでしまい.......

作品内容はいたってシンプル。
愛の力は、魔力より強いという設定だが、ひねた表現は全く無く、ひたすらシンプルに物語は進む。
もう少しひねったところがあってもいいと思うが、この表現方法こそ、クレーヌであると感心させられる。
ある意味とても爽やかな作品とも言えるだろう。
ヴェロニカ・レイク扮する、まさに小悪魔的な魅力が観るものの心をそそる。
ルネ・クレーヌの作品としては、傑作と言えぬとも、佳作と言える良い作品である。

1942年、アメリカ製作、モノクロ、76分、監督:ルネ・クレーヌ

明日のためにその496-今週の一曲

2020年11月13日 | 今週の一曲
みなさま、週末のひととき、いかがお過ごしでしょうか。
今回の今週の一曲は、前回に引き続き「イカ天」バンドをご紹介します。
バンド名は「クスクス」。シンプルなバンド編成ですが、なかなかの演奏を聴かせてくれます。
曲名は「オレンヂバナナ」。トロピカルで軽快な一曲です。
では、みなさま、ご堪能あれ。


明日のためにその495-破局

2020年11月11日 | 
散漫な表現。

最近、また芥川賞を読む機会があった。
前回記事にした同じ芥川賞作に、あまり納得がいかなかったので、今回は期待して読んでみた。
今回読んだ作品は「破局」まだ20代である作者の感性に期待して、読んでみた。
物語は主人公を中心に、彼のライフワークと、彼女とのセックスを交互につなげたもので、ストーリー性はない。
よって、ストーリーは割愛させていただく。

物語の前半は、描写する文章のそれぞれが、ちぎっては投げられてくるちょっと粗々しさを感じる。
文章は、軽いので、読み進むのに苦労はないだろう。そして、文章の若さが目立つ。当然、深みやコクのある物ではない。
通常の情景描写については、まったく現在に関係していないものを持て来たりと、散漫なところが目立つ。
しかし、セックスの描写になると、非常に丁寧で、時間経過に伴うものになっている。
この小説は、彼の教えている出身高校のラグビー部の練習風景と、付き合っている彼女とのセックスの描写だけで成り立っている。
途中に何か所か、友人達の言葉で埋まる章があるが、このあたりは、今のテレビドラマを見るようで、ちょっといただけない。

若い作家だけに、小説の新機軸を求め、読んでみたが、正直期待外れは否めない。
今年も、下半期の、芥川賞が発表される時期に来たが、どんな作品が受賞するやら。
受賞作が発刊されたら、また読んでみることにしたい。

2020年第163回芥川賞受賞、作者:遠野 遥

明日のためにその494-今週の一曲

2020年11月06日 | 今週の一曲
みなさま、週末のひととき、いかがお過ごしでしょうか。
今回の今週の一曲は、30年以上前に流行ったテレビ番組「イカ天」からの楽曲です。
曲名は「ハイになりましょう」演奏するのはブラボーです。
楽曲、演奏供に平均的なものですが、ヴォーカルの鈴木君のキャラクターが面白く、ステージ全体の雰囲気を盛り上げます。
では、みなさま、ご堪能あれ。


明日のためにその493-ザ・フォーリナー

2020年11月04日 | ヨーロッパ映画
なかなか良くできた作品。

ジャッキーチェン、アクション映画から引退してしばらくがたつ。
彼は映画界から引退したわけではないので、その後もいくつかの映画に主演している。
今回紹介する映画は、ほぼアクションを封印した彼の主演作「ザ・フォーリナー」。
娘を殺された父親役を好演している映画だ。
ストーリーを紹介しておこう。

ミンはロンドンで中華料理店を経営する中国人。
彼は或る日、娘を送迎中、爆弾テロに巻き込まれ、娘は命を落としてしまう。
怒りに燃える彼は、犯行声明を出した北アイルランドのテロリスト集団に復讐を誓う。
彼は、元テロリスト集団にいて、今や北アイルランドの副首相となっている男から、犯人を聞き出そうと動き始めるのだが......

まずは、ジャッキーチェンの憂いを帯びた演技に好感がもてる。
娘を失った悲しみを背負った、演技は成功していると思う。
そして、映画の作りが非常にしっかりしているのには驚いた。
何か事が起きる前の、シーンの作り方のうまさ。画面空間の作り方のうまさ。どれも一級品である。
アクション・サスペンスととらえられる映画の内容だが、それだけにとどまらな確かな作りを持った作品である。
ストーリー的には、平凡なものとなっているが、映画の作りの良さで、それをカバーしている。
また、約2時間近い作品なのに、その長さを感じさせないところがある。
この監督の作品は、他の作品も観てみたいと思った。

2017年、イギリス、中国、アメリカ合作、カラー、110分、監督:マーティン・キャンベル

明日のためにその492-首里の馬

2020年11月02日 | 
主題の見えてこない作品。

ここのところ、本をたてつづに読んでみた。
以前の記事にも書いたとおり、私は長年にわたり、芥川賞受賞作品を読んできている。
今回も、今年の前期の芥川賞受賞、2作有るうちの「首里の馬」を読んだ。
今回はその感想を綴ってみたいと思う。
おおまかなあらすじを紹介しよう。

沖縄の郷土資料館に眠る数多の記録。中学生の頃から資料の整理を手伝っている未名子は、世界の果ての遠く隔たった場所にいる人たちにオンラインでクイズを出題するオペレーターの仕事をしていた。
ある台風の夜、幻の宮古馬が庭に迷い込んできて......(単行本の帯より引用)

文章は比較的軽く、読みやすい。詰まるところはなく、スムーズに読み進めることができる。
ただ、状況説明がやたらに長く、前半はその説明を永遠と聞かされている感じがする。
その長い説明の後、ようやく物語本体に入る。ここまでで結構読者は疲労感を覚えるのではないだろうか。
また、情景描写、人物の動作の描写がやたらに細かく、そこまで描く必要があるのかも疑問に思える処だ。
そして場面が様々なところに飛び、その関連性を的確に結びつけていないので、主題が見えてこない。
また文書上に、私としてはやたらにカタカナが使われいるのも、ちょっと奇妙な感じを覚えた。
この本の一番の失敗点は、物語の前半に描かれている、PCの故障に関する描写だろう。
作者は、古いPCが立ち上がらない時、会社の契約している町の電気店の店主が来て治しくれると書いてあるが、私自身、自作のPCを今まで数台以上組み立てた経験から言えば、この本に書いてあるようなことはありえないのだ。
PCが立ち上がらない原因を即座に見つけ、それをその場で修理すると、この本には書いてあるが、それは限りなく不可能な事である。
作者はもう少しPC等について勉強してから書くべきである。他にも電子機器等について、怪しげな記述が多々ある。これも本全体を汚してしまっている要因のひとつだ。

作者は過ぎゆく時間の大切さ、そして世界平和の大切さを訴えたかったのかもしれないが、それがいまひとつ迫ってこない。
題名になっている「首里の馬」も、その登場場面は少なく、何故これを本の題名にしたのか不思議である。
今回読んだ作品は、私にとってはちょっと残念な作品になってしまった。

2020年第163回芥川賞受賞、作者:高山羽根子