ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその429-左様なら

2020年01月19日 | 邦画
青春群像劇。

「青春時代」
特に記憶に残り、人生に多大な影響を及ぼすのは、高校時代ではないだろうか?
肉体的にも成長し、しかし、精神的には不安定な状態にあるアンバランスの時期。
この時期に、受ける衝撃は、深く心に刻み付けられるであろう。
今回紹介する映画は「左様なら」
一人の高校生を中心にした、群像劇である。
ストーリーを紹介しておこう。

高校生の由紀は、中学時代からの友人綾と仲が良い。
しかし、綾はある日突然、由紀に「引っ越すことになった」と言い、彼女の唇にキスをする。
だが、数日後、綾は死んでしまう。
それをきっかけに、由紀はクラスメイトから自ら離れ、孤独になってゆく。
誰も彼女に手を伸ばさない状況が進む中で、彼女はどんどん一人になってゆくのだが........

まず、この映画のPR点であった「高校生達の素直な演技」に関しては、とても中途半端な印象が拭えない。
もっとも、私が基準としている映画が「中原俊監督」の名作「桜の園」であるから、あの作品に及ばないとしても、もう少し手垢のつかない演技をしてもらいたかった。
映画の作りについても、したり。どうも自然さが足りず、これも中途半端な作りになっている。
特にラスト近く、いくつかのシーンを繋ぎあわせて、効果を高める主人公の心のイメージを表現したところは、説得性がない。
そしてラストシーンも、現代邦画のステレオタイプ。これでは作品全体にメリハリがなく、平坦な出来になっても仕方がない。
主人公の由紀を演じた、芋生悠の演技も、素直に見えるがまだまだ。
映画は肝心な綾の死亡原因がはっきりしないまま終わってしまう。
「それは別に指摘することではないだろう」と言う方もおられると思うが、残念ながら、それをカバーするシークエンスがこの映画には見当たらない。

もっと素直に映画を作っていれば、上記のような指摘もなくなる。
監督には、もっと頑張っていただきたいと思う。

2018年、日本製作、カラー、85分、監督:石橋夕帆

最新の画像もっと見る

コメントを投稿