ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその440-パラサイト半地下の家族

2020年02月12日 | アジア映画
カンヌ、アカデミー賞受賞作品。

今年のアカデミー賞で、奇跡が起きた。誇張表現と思われる方もいるだろうが、私にとっては「奇跡」以外の何物でもない。
そう、韓国のボン・ジュノ監督の映画「パラサイト」が、アカデミー賞の監督賞と作品賞を受賞したのだ。
これは92回を誇るアカデミー賞の中で、母国語の「英語」以外が使用された映画が、作品賞を取るのは初めてである。
それもアジア圏からそれが現れるとは、誰も予想だにしなかったことではないだろうか。
早速それを受けて、私もパラサイトを観に行ってきた。
普段ならばここで、ストーリーの紹介をするのだが、この映画、ストーリーを紹介すると、全てネタバレとなってしまうので、あえてここは割愛させていただく。
よって、今回は、私のこの映画を観たストレートな感想を書いてみたい。

ボン・ジュノ作品は何本か観ており、正直あまり好きな監督ではない。
何と言うか、作品は実に上手く作ってあるのだが、その作りの上手さがスクリーンに出過ぎてしまって、少々鼻につくのだ。
今回もそのような点が目立つのを覚悟に、劇場へと足を運んだ。
しかしどうしたことだろう、いくら時間が経ってもその「鼻につく上手さ」が全く出てこないのだ。
これは意図的なものか、彼の作風が変わったのか、私は知るべくもない。
ここについては、観終わった後、今になっても、この映画の最も疑問な点である。
そして、韓国映画については、いつも思うのだが、脚本が上手い。
韓国映画は脚本で持っていると、私は常々思っている。
この映画も例外ではない、脚本の上手さが目立つ。
しかし、前述のとおり、監督の映画作りの上手さは、全く目立っていない。
繰り返し申し上げるが、いつものボン・ジュノの映画とは違うのだ。
それが功を奏したと言うことは無いと思うのだが........
それと、何故か映画の前半に、是枝裕和の「万引き家族」の臭いがしていた。(私だけがそう思ったのかもしれないが)

韓国には名匠「キムギドク」が居る。果たしてボン・ジュノは彼に追いつき、追い越せるのだろうか。
各国の映画賞を受賞した作品が、全て名画とは限らない。後に語られる映画になるとも限らない。
果たしてこの「パラサイト」は、後年どのような評価を受けるのだろうか。
私自身は、傑作と呼べるほどの映画だとは言えないと思った。これが素直なこの映画の感想である。
しかし、昨年のカンヌ映画祭のパルムドールを受賞し、今年の米国アカデミー賞の作品賞、監督賞を受賞した作品だ。
特にアカデミー賞の受賞内容が凄いので、駄作ではないとは言えよう。
現在公開中であるから、観ていない方には、観ることをお勧めする。

2019年、韓国製作、カラー、132分、監督:ボン・ジュノ


最新の画像もっと見る

コメントを投稿