ダーリン三浦の愛の花園

音楽や映画など徒然なるままに書いてゆきます。

明日のためにその392-娘よ。

2019年10月06日 | アジア映画
パキスタンの雄大な風景を捉えた作品。

パキスタン。国としてはよく聞くことはあるが、内情は分からないのが現実である。
国内紛争が、絶えない国として捉えられることが多いと思う。
インド、中国と国境を接した国の内情はどうなのだろうか。
今回紹介する映画は「娘よ。」
日本で初めて公開されたパキスタン映画である。
ストーリーを紹介しておこう。

パキスタンとインド、中国の国境にそびえるカラコム山脈。
10歳になる娘、ゼイブナは、教養の無い母に、英語などを教える母アッララキの宝物のような存在。
しかし、父であり、部族の長であるドーラットは、他の部族と抗争を重ね、先の見えない状態だった。
抗争を終結したい彼は、抗争先の部族の長トールグルと和平を結ぶため、ある条件を受けることとした。
その条件とは、ゼイブナをトールグルの嫁に迎えることだった。
当然両者の間には、父娘以上の歳の差がある。
それを知った母アッララキは、娘を連れて村を脱出することを決意。
早々二人は村を抜け、脱走の旅を始める。
しかし、それを知ったトールグルは、自分の部下達を武装させ、二人を追うことにしたのだが.......

パキスタンの雄大な風景を、しっかり撮ってあり、印象的なシーンはいくつもある。
映画の作りもしっかりしていて、文句は無い。
しかし、何か足りない。それは何かと考えたが、やはり「主題」であろう。
この映画のキャッチコピーは「母と娘の脱出サスペンスドラマ」となっているが、サスペンスとしては要素が弱い。
私などサスペンスと言えば、ヒッチコックの一連の作品や、第三の男、恐怖の報酬等を想像してしまう。
これらの作品は、映画史に残る名作なので、それほどの要素は求めないが、それにしても要素が弱い。
そうなると、主題は何になるのか。母と娘の絆の強さか、それも違う。
この映画は、アカデミー賞のパキスタン代表としてエントリーされたということ。
と言うことは、この作品に「何か」があるのだろう。
残念ながら、私にはそれが感じられなかった。
決して駄作ではない。しかし何かが感じられない作品。
パキスタン映画としては、日本初公開と言うことを含め、興味を持たれた方は観ることをおすすめする。

2017年、パキスタン製作、カラー、93分、監督:アフィア・ナサニエル

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