ショッキングなタイトルですが、実は小林一茶の
ハンノキのそれでも花のつもりかな がベースになっています。
作者のペンネームも、イラストの女の子も、そしてタイトルも、現代の女の子達が心惹かれそうな本です。そして実際そうです。
帯に書かれているのは、「北海道南西部の町を舞台に、少女の闇と光を描いた衝撃作」。
主人公は星亜梨沙。心の通わない母と二人暮らしの上、学校ではいじめにあっています。そのいじめは巧妙にエスカレートして、気づいたときには家庭科の授業中、包丁をクラスメートに向けていました。しむけられたわなにはまったように、学校にいられなくなった亜梨沙は、転校を余儀なくされます。
バスで通うことになった新しい学校でも、心を開くことなく過ごしていた亜梨沙ですが・・・。
亜梨沙は、絶望から「死」を考えるようにもなります。それを彼女は「オールマイティ」と言います。何かとからんでくる担任にも仕返しをしたい。遺書に担任のことを書けば、自分が新だ後、彼女の人生も終わるという企みです。
いじめが社会問題になってから、かなりの年月が経ち、いじめが原因の自殺や不登校がめずらしくなくなっています。
この物語の中では、とうとう最後まで母と子の関係は修復されません。そこがリアリティがあると思いました。それでも亜梨沙は、希望を見いだします。
それにしても、どんな人と出会えるかで、人の人生は大きく変わっていくのだなと、改めて思いました。
亜梨沙と同年代の人にも、かつて亜梨沙と同年代だったことがある方にも、読んでいただきたいと思います。
ハンノキをちゃんと見たことがありません。
ちゃんと見たいと思いました。
作者は札幌在住。別名で長く児童文学をやっていらした方です。
今回、鮮烈なデビュー! おめでとうございます!!!
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます