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(世界ランクシリーズ その9 2024年版)
3.FDI Inward Stock(FDIインバウンド残高) (続き)
(34年間で300倍に増加したインドのインバウンド残高!)
(2) 1990-2023年のFDI Inward Stock(FDIインバウンド残高)の推移
(図http://rank.maeda1.jp/9-G04.pdf参照)
ここでは1990年末から2023年末までの全世界並びに主要経済大国(米国、中国、日本、インド)及び中東2か国(サウジアラビア、イラン)のFDI Inward Stock(FDIインバウンド残高)の推移を概観する。
世界全体の1990年末のFDIインバウンド残高は2.2兆ドルであった、その後2000年末には3.4倍の7.4兆ドル、2020年末には42兆ドルに増加、2023年末の残高は49兆ドルを超えている。全世界のFDIインバウンド残高は1990年から2023年までの34年間に22倍に膨張している。
国ごとに見ると世界最大の残高を誇る米国は1990年末の残高5,400億ドルが2000年末には5倍の2.8兆ドルに急増、その後増加率は鈍化したが2010年以降は再び急拡大し、2023年末の残高は12.8兆ドルに達している。1990年からの34年間の伸び率は世界全体とほぼ同じであった。
日本のFDIインバウンド残高は、99億ドル(1990年末)→500億ドル(2000年末)→2,100億ドル(2010年末)→2,500億ドル(2023年末)であり、34年間の伸び率は世界平均を若干上回る25倍である。年代別に見ると2010年代までは4~5倍の大幅な伸びを示したが、それ以降は横ばい状況である。
これに対して中国の残高の推移は、200億ドル(1990年末)→1,900億ドル(2000年末)→5,900億ドル(2010年末)→3.6兆ドル(2023年末)と1990年代は9倍、2000年代及び2010年代も10年間で3倍の大幅な伸びを示しており、かつて1990年末に米国の30分の1でしかなかったインバウンド残高は、2023年末には4分の1まで縮まっている。
中国をさらに上回る急成長を遂げたのがインドである。1990年末以降のインドのインバウンド残高は、17億ドル(1990年末)→163億ドル(2000年末)→2,100億ドル(2010年末)→2,500億ドル(2023年末)である。2010年代には日本を追い越し、34年間で300倍に増加している。
サウジアラビア及びイランの中東2か国を比較すると、1990年末の残高はサウジアラビア152億ドル、イランは20億ドルに過ぎなかった。両国のFDIインバウンド残高は2000年代に急成長し、2010年末のサウジアラビアの残高は1,800億ドル、イランは290億ドルであり、いずれもこの10年間に10倍以上増加している。2010年以降の増加率はそれまでより大きく減速している。
(続く)
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