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(世界ランクシリーズ その9 2024年版)
4.FDI Outward Stock(FDIアウトバウンド残高)
(全世界の2割を占める米国の対外投資残高!)
(1) 2023年末のFDI Outward Stock(FDIアウトバウンド残高)
(表http://rank.maeda1.jp/9-T04.pdf参照)
2023年末の世界のFDIアウトバウンド残高(FDI Outward Stock)は総額44兆ドルである。2022年末の残高は41兆ドルであり、1年間で残高は3兆ドル(9%)増加している。
2023年末の残高が最も多い国は米国の9.4兆ドルであり、全世界の21%を占めている。これに次ぐのはオランダの3.4兆ドル、3位中国(2.9兆ドル)、4位カナダ(2.7兆ドル)、5位ドイツ(2.2兆ドル)である。
オランダは国内の経済規模が小さいわりに投資残高が多いが、これは世界各国からの資金がハーグの金融機関に集まりそれが対外投資に向けられていると考えるべきであろう。そして中国は国内に蓄積された自国資金であり、トップの米国は両者が混在していると考えられる。
上位5カ国以外の主な国の残高を見ると、日本の2023年末FDI Outward Stockは2.1兆ドルで世界6位、米国の2割強である。韓国とロシアの残高はそれぞれ6,800億ドル及び2,600億ドルであり、世界ランクは17位と26位である。インドの2023年末のFDIアウトバウンド残高は2,400億ドルであり、ロシアと肩を並べている。
ここにあげた9カ国の残高を前年と比較すると、米国、カナダは20%前後増加、日韓中印独の6カ国も増加している。これに対してロシア及びオランダ2か国は前年より減少している。ロシアはウクライナ戦争の影響で資本が逆流しているようである。
中東諸国の中で2023年末の残高が最も多いのはUAEの2,620億ドルである。UAEに続くのはサウジアラビア(2,040億ドル)、イスラエル(1,090億ドル)である。トルコはUAE或いはサウジアラビアの4分の1以下の600億ドルであり、エジプト及びイランはいずれも100億ドル未満である。
(続く)
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