石油と中東

石油(含、天然ガス)と中東関連のニュースをウォッチしその影響を探ります。

石油と中東のニュース(7月26日)

2019-07-26 | 今日のニュース

(参考)原油価格チャート:https://www.dailyfx.com/crude-oil

(石油関連ニュース)

・英仏のホルムズ共同防衛構想、独はなお参加検討中

・イスラエル、11月にエジプト向け天然ガス輸出開始

(中東関連ニュース)

・トルコ、公定歩合を大幅引き下げ。24%から19.75%に

・アブダビ皇太子、中国に続きインドネシアを公式訪問

・トランプ大統領、議会のサウジ・UAE向け武器売却否決に拒否権行使

・チュニジア大統領死去、92歳

・IMF、エジプト向け120億ドル融資の最終分10億ドルを実行

・アブダビ、10月から一部道路を有料化

・サウジアラムコの印Reliance製油所出資、協議難航

 

 

 

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米国の原油生産、二年連続で世界一:BPエネルギー統計2019年版解説シリーズ石油篇(18)

2019-07-26 | BP統計

(注)本シリーズ(1~18回)は「マイ・ライブラリー」で一括してご覧いただけます。

http://mylibrary.maeda1.jp/0474BpOil2019.pdf

 

BPが恒例の「BP Statistical Review of World Energy 2019」を発表した。以下は同レポートの中から石油に関する埋蔵量、生産量、消費量等のデータを抜粋して解説したものである。

 *BPホームページ:

http://www.bp.com/en/global/corporate/energy-economics/statistical-review-of-world-energy.html

 

5.世界の石油精製能力(続き)

(慢性的な設備不足のインド、中国の稼働率は80%に改善!)

(5)主要な国と地域の精製設備稼働率(2000~2018年)

(図http://bpdatabase.maeda1.jp/1-5-G04.pdf 参照)

 精製能力に対して実際に処理された原油の量(通油量:Refinery throughputs)で割ったものが設備の稼働率である。ここでは日本、米国、中国、インド及び欧州について2000年から2018年の稼働率を比較検討する。

 

2000年には米国とインドが90%を超える高い稼働率を示し、日本及び欧州も80%強を記録している。これに対し中国は69%にとどまっていた。インドはその後も高い稼働率を維持し2003年以降は稼働率100%を超える状況が続き、2018年の稼働率は104%であった。前項の精製能力の推移に見られるとおりインドは2000年以降精製能力を拡大しており、2018年には2000年の2.2倍の能力に達しているが、需要の伸びに追い付かず慢性的な精製能力不足であることがわかる。

 

 米国の稼働率は2000年の91%をピークに年々低下し2009年には81%まで下がった。その後稼働率は回復、2018年には90%まで戻っている。同国の精製能力は2000年の1,657万B/Dに対して2018年は1,876万B/Dに増加しており、近年経済が回復しガソリンなどの石油製品の需要が堅調であることを示している。

 

日本は設備能力の削減により2012年以降2017年まで稼働率が上昇している。前項に示したとおり日本の精製能力は2000年の501万B/Dから2018年には334万B/Dへと3割強減少している。その間の稼働率は2000年の82%が2005年には91%に上昇し設備廃棄の効果が見られた。その後稼働率は再び低迷、2012年は80%に落ちたため、更なる設備削減が行なわれた結果、2017年にはこれまでで最高の96%になったが、2018年は若干低下し92%にとどまっている。

 

 中国の精製能力は2000年の591万B/Dから2018年には2.7倍の1,566万B/Dに急拡大している。但し2014年までの稼働率は60%台にとどまっており需要が追い付かない状況を示している。しかし2015年以降精製能力は削減又は横ばいの状態であり、その結果稼働率は2015年71%、2016年75%、2017年77%、2018年79%と上昇傾向にある。

 

欧州の精製能力は2000年の1,427万B/Dが2018年には1,279万B/Dに減少している。この間の稼働率は80%前後とほぼ横ばい状態であり、2018年の稼働率は82%である。

 

(石油篇完)

 

本稿に関するコメント、ご意見をお聞かせください。

        前田 高行         〒183-0027東京都府中市本町2-31-13-601

                               Tel/Fax; 042-360-1284, 携帯; 090-9157-3642

                               E-mail; maeda1@jcom.home.ne.jp

 

 

 

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