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にっぽん男優列伝(193)大地康雄

2013-05-18 04:20:04 | コラム
51年11月25日生まれ・現在61歳。
熊本出身。

公式サイト

桜金造と間違われることもある笑 ようですが、
個人的には(迫力レベルを「やや」下げた)ジャック・ニコルソンというほうがしっくりくる、大地康雄(だいち・やすお)さん。

板東英二が「ゆでたまご」のひと、とするならば、大地さんは大地という名らしく? 「トマト」のひと。

意味が分からない?
こういう映画を企画したから、そう評されているんですね。





前述した桜金造との共通点として、伊丹十三の映画でよく知られるようになった―というのがあります。
ただ伊丹監督との関係性という点で捉えると、大地さんは良好でしたが、桜金造は険悪だった、、、ようですけれど。

<経歴>

沖縄で育ち、俳優を目指して上京。
一時期は、怪優として名高い伊藤雄之助の付き人をやっていたそうです。

映画俳優デビュー作は、木下惠介による社会派『衝動殺人 息子よ』(79)。

87年―伊丹十三の『マルサの女』に出演、ヒロイン・亮子の同僚・伊集院を好演し評判を呼ぶ。

いま、あらためて伊丹作品を観返してみると、筋そのものよりキャスティングが冴えていたような気がするんです。
夫人の宮本信子はともかくとして・・・
『お葬式』(84)の江戸家猫八とか、『タンポポ』(85)の役所広司とか、『あげまん』(90)のMITSUKO、
常連の洞口依子に与えるキャラクターとか、絶妙だったなぁと。

話を戻し。
もちろん大地さんも絶妙なキャスティング、じつは当初、伊集院役は川谷拓三が演じるはずだったのですが降板、運が味方について大地さんに白羽の矢が立ったようです。

これによって波に乗った大地さんは、
『さらば愛しき人よ』(87)、『新宿純愛物語』(87)、『マルサの女2』(88)、『ぼくらの七日間戦争』(88)、
『バカヤロー! 私、怒ってます』(88…タクシー運転手としてワンエピソードに主演)、
『ほんの5g』(88)、『Aサインデイズ』(89)、
『夢見通りの人々』(89…南果歩が主演って、時代だなぁ!)、
『砂の上のロビンソン』(89)、『病院へ行こう』(90)、『ミンボーの女』(92)などに出演。

しかし。
『ミンボーの女』公開直後、映画の内容に腹を立てたヤクザ5人組に伊丹監督が襲われ、全治三ヶ月の重傷を負う。

憶測でしかありませんし、それだけが理由というわけではなかったのだと思いますが、
それ以降、しばらく俳優を休業することになります。

このあいだに、大地さんのなにかが変わったというか、なにかを得たのでしょう、
2005年、企画・脚本・製作総指揮を兼任した『恋するトマト』に主演する。

スクリーンに復帰した大地さんは『蝉しぐれ』(2005)や『武士の一分』(2006)、『檸檬のころ』(2007)、そして『レオニー』(2011)などでも好演していますが、
最新作は本年夏に公開される『じんじん』という作品で、これも自身による企画です。

「絵本」「農場」をキーワードにしており、『トマト』もそうでしたし、安易に決めつけるのはどうかと思いますが、自然回帰というものをテーマに表現をやっていこう、、、そう考えているのかもしれません。

繰り返しになりますが、「大地」という名に相応しいというか、ほんとうにやりたいことをやり始めた・・・という意味で、かなーり素敵な俳優人生だと思います。


次回のにっぽん男優列伝は、高岡蒼佑さんから。

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1 コメント

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映画よりテレビドラマで一時的は (夢見)
2013-05-18 08:07:44
稀に主役をはることもあったのに 見かけなくなったなーと思ってました

女優の洞口依子さん 週刊文春で シネマチャート 映画評の一人に入りましたね

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