Cape Fear、in JAPAN

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『Cape Fear』…恐怖の岬、の意。

にっぽん男優列伝(252)中尾彬

2014-10-30 00:30:00 | コラム
42年8月11日生まれ、72歳。
木更津出身。

公式プロフィール


「―うちの志乃がね」なんつって。

ネクタイ代わり? にしている「ネジネジ」、
やや癇癪持ち、
江守徹との口喧嘩、

そして、奥さん・池波志乃の印象が強い中尾彬(なかお・あきら)さん、
格好よく見えるときもあるし、単なるヘンクツに見えるときもある不思議なひとです。

格好よく見えるのは、たぶん、あの低音ボイスが活かされているときなのでしょうね。

喋りが達者なひとなので、現在は主にバラエティで生計を立てている―とまでいってしまうとまずいのか、ただ70年代後半~80年代前半にかけての日本映画を観ていけば、「あらここにも!」「こっちにも!!」と、何度も何度も中尾さんの不思議な演技―そう、低音ボイスが邪魔をして、はっきりいえば上手なのか下手なのか分からない―を拝むことが出来ます。


※AKBのPVにも出ています
しかし、、、いきなりの前田あっちゃんの大根演技~





<経歴>

前妻は女優の茅島成美。
義父・金原亭馬生、義祖父・5代目古今亭志ん生、義叔父・3代目古今亭志ん朝―というのは、現在の奥さん・池波志乃の家系が落語家一家であるため。

実家は酒屋。
絵を描くのが得意で武蔵野美術大学油絵学科へ入学したりフランス留学を果たしたりするも、同時に俳優業への興味も抱き、第5期の日活ニューフェイスに応募し合格、俳優のほうを選ぶ。
どちらに進むか迷っていた高校生のころに、大スター・長谷川一夫の弟子入りを志願したことがあったそうです。

実質的な映画俳優デビュー作は、64年の『月曜日のユカ』。
加賀まりこが主演、彼女を一躍有名にした「軽やかなコメディ」です。
凝った映像と加賀まりこの魅力にやられて、正直、中尾さんは影が薄いですけれど、(観返してみたら)とてもいい演技をしていました苦笑

『結婚相談』(65)、『愛と死の記録』(66)、『逃亡列車』(66)、『幽霊屋敷の恐怖 血を吸う人形』(70)、『赤頭巾ちゃん気をつけて』(70)、『内海の輪』(71)。

このころは、まだスマートで、かつコワモテというわけでもありませんでした。
ですから善玉も色男も演じていましたし、75年には『本陣殺人事件』で主演を果たし、なんと金田一耕助を熱演しています。
意外と、似合っていましたよ~。

映画的キャリアとしては、ここから82年までがピークとなります。

『西陣心中』(77)、『帰らざる日々』(78)、『白昼の死角』(79)、『日本の黒幕(フィクサー)』(79)、
『燃える勇者』(81)、『悪霊島』(81)、『蔵の中』(81)、『誘拐報道』(82)、『伊賀忍法帖』(82)、『嵐を呼ぶ男』(83)。

並行してテレビドラマにも多数出演、肥えていくことで貫禄もつき、さらにあの低音ボイス・・・オファーは絶えませんが、徐々にクセのある悪役が多くなっていくようになりました。

『花園の迷宮』(88)、『極道の妻たち 最後の戦い』(90)、『浪人街』(90)、『首領になった男』(91)、『ミンボーの女』(92)、『七人のおたく』(92)、『民暴の帝王』(93)、『首領を殺った男』(94)、『ヤンキー烈風隊』(95)、『バブルと寝た女たち』(98)、『必殺!三味線屋勇次』(99)、『梟の城』(99)、『極道の妻たち 赤い殺意』(99)。

うん、タイトルで分かりますものね、ジャンル的に偏ってきたことが笑


2007年―急性肺炎および横紋筋融解症と診断され、芸能活動を休止する。
しかし3ヵ月後にテレビ出演を果たし復帰、以来、飲酒も喫煙もやめたそうです。

近年は北野武が好んで起用し、『アキレスと亀』(2008)と『アウトレイジ ビヨンド』(2012)に出演。

72歳ということは、自分の父親と「ほぼ」同級生です。
「わが」とーちゃんも元気ですが、このひとも元気ですねぇ、大病を患ったというのに。

将来に希望が持てるというか、ずぅっとこの調子で活躍していってほしいです。


次回のにっぽん男優列伝は、永島敏行さんから。

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本館『「はったり」で、いこうぜ!!』

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明日のコラムは・・・

『きらきらひかる:映画監督篇』

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1 コメント

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善人ぶって出てきても やっぱり悪役(笑) (夢見)
2014-10-30 09:01:10
テレビドラマだと女性を犯したりーそして殺されるーまたは殺すー
そんな役柄が多い時代があって

また池波さんと結婚した時もタバタあって
続かない結婚になるのかなーと 思っていたらー
続きましたね

長いこと続けていたら 人生の年輪みたいな「渋み」も出てきて
役者って不思議な仕事だなーって 思います

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