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ファイナンシャル・ジャーナリスト 竹川美奈子のブログ。
お金に関する情報や日頃感じたことを発信していきます。

亀井大臣会見-国債買うのは悪くない!?

2010-03-30 14:23:22 | リンク
午前中に亀井大臣の会見に行ってきました。
郵政問題でも注目を浴びているためか、今日は参加者が多かったです。

私の質問と、(関連して)そのあと週刊朝日の記者から出た質問についてまとめました。

--郵貯の限度額2000万円に引き上げると資金が集まると思うが、出口の運用部分について現状でどう考えているのか。

 地域を活性化していくために中小零細企業にとって、日本経済にとって有用な使い道を考える。斉藤社長とも言っているが、一気に運用のノウハウは生まれない。残念だが、そういうノウハウを身につけている職員がどれくらいいるかといえば、少ない。それを今から養成していかないといけない。だからといって、(外部から)ハンティングするわけにもいかない、民間の金融機関が怒るから。
 
 運用については大きな課題。信用金庫や信用組合、第二地銀など、そういう融資のノウハウを持っているところと協調して運用していくとか・・・。かつてのように、郵貯がお金を集めるだけ集めて、後は財務省がやるということではなく、斉藤社長も自主的な運用するようにしようと言っている。なかなか大変だが、今そのノウハウがないから日本郵政を殺してしまっていいというふうにはいかない。

――(週刊朝日)民間の金融機関は国債がポートフォリオの2割を超えると指導が入ったりするが、郵貯は今でも8割国債を買っている。預入金額を増やすなら、これ以上国債を買わないようにルールを設定するなどしないのか?

 郵政改革の1つの議論は財投と国債の受け皿になっているということ。あたかもそれが悪い、不正な金の使い方という前提に立っている。でも、別に好きで国債を発行しているわけではない。税収があがらないから、やむを得ず、経済を活性化するため、国民生活を間持つために国債を発行している。

 国債を発行しても買う人がいないと困る。買う人間が郵貯であるということは、本来、国としては感謝しなくてはいけない。買う人がいないと長期金利がビーっとあがってくる。そういう意味では、130~140兆円買っているけど、あんなに買うところはない。

 税収が37兆になってしまったし、特別会計だってそんなにでてこない。緊縮予算を組むわけにはいないから借金しかない。国債発行しかない。でも、国債を買ってくれる人がいないと長期金利が上がるんですよ。そういうことがあるから、国債を買っているのが悪いのだというのはおかしい。

――では、民間への対応も変えるのか?

 俺が言っているわけではないが、いまの金融機関の悪いところは産業資金に供給することよりも、借りたいところがあっても、とくに中小企業や零細企業にお金を貸さないで、安易に国債に行くからそれはいかんよ。

 国債を買ってくれるのはありがたいことだが、金融機関の立場に経った場合は、安易な資金運用ばかりしないで、手数料稼ぎばかりしないで、もっと産業資金を供給していく。それで利ザヤを稼ぐというまっとうなあり方を考えたらどうだと。

--(産業資金に供給せずに国債で運用という点は)それは郵貯も同じでは。投資系ファンドなどを考えたり、財投が悪いことばかりではなかったといっているが、それは・・・。

 財投のあり方の問題だよ。悪いところだけ拡大していいところまで否定している。悪いところはちゃんとしないといけないが、いいところは評価しなくてはいかん。

--財投を復活するということですか?

 そういうことを言っているんじゃないよ。国家として社会として必要な投資がある。政策投資銀行などがやろうとしているが、なかなかうまくいっていない。そういうことを別のかたちで郵政が補完をしていることもやればいいと。斉藤社長のもとで、幅広いことをやればいいと思う。