Luntaの小さい旅、大きい旅

ちょっとそこからヒマラヤの奥地まで

キプロスの旅 2 トロードスの教会

2010-08-28 00:32:15 | ヨーロッパ
8月10日

リマソールのホテルから見る朝焼け
 キプロスでは毎日、朝は薄曇り、時間がたつにつれてピーカンという天気だった。

海辺にある町を出て島の内陸、トロードス山系に入っていく。

 
途中の景色はこんな白っぽく乾燥した山が多い。キプロス最大のダム湖もたいした大きさではなく、この島が慢性的に水不足であると言うことが実感できる。

やがて道はくねくねとした山道になり、標高が上がるにつれて緑も増えてくる。
 キプロスの最高峰、1952メートルのオリンポス山のまわりは避暑のための別荘地なのだそうで、鄙びた田舎の村を想像していたらこぎれいな新しい建物が多くてちょっとびっくり。

そんな村の一つ、ガラタ村にあるのがユネスコの世界遺産になっているパナギア・トゥ・ポデトゥ教会。
  
外側には教会らしいシンボルなどまったくなく、まるで農家の納屋のようだが、がっしりとした石造りの壁と大きな屋根の形が美しい。
  
内部は写真撮影禁止のため絵葉書から

この教会の装飾はごく簡素で祭壇と入り口の上にフレスコ画がある程度だが、内部が二重構造壁になっているのがおもしろい(ただし一番奥は二重になっていないのでぐるりと回るわけには行かない)。

この教会のすぐそばにはもう一つ、アルハンゲロス教会がある。
  
こちらはごく小さくて、内部は10畳間ぐらいだろうか。
ただしこちらの壁にはぎっしりとフレスコ画。
 
16世紀のものだそうで素朴な絵だが色が鮮やかに残っている。

この二つの教会はふだんは鍵がかかっていて、鍵番のおじさんを呼ばないと中に入れない。どちらも年に一度ぐらいしか教会としては使われていないそうで、博物館となってしまっているらしい。

ここからはまた山道をくねくねと走って、キプロスで最も有名なキコス修道院へ。

この修道院のさらに上にはキプロス初代大統領、マカリオス大司教の墓がある。
 入り口には大司教の巨大なブロンズ像。
聖職者でありながら大統領というのはどうしてそうなったのか。しかし考えてみれば聖職者の国家指導者はそう珍しくもないのか。

 
墓自体は簡素なもの。しかしよく見ると奥のくぼみの中に銃を構えた兵士が微動だにせずに立っていてびっくり。いやはや、お勤めご苦労様。

 お墓の前に広がるトロードスの山並みを眺めたらすぐ下の修道院へ。

  
11世紀の創建といわれるこの巨大な修道院、何度も火事などで焼けて現在の建物は1979年にできたと言うごく新しいもの。
  
羽振りの良い修道院らしく、壁は金を多用した壁画でおおわれ華やかだ。
 
この修道院の由来を伝える壁画。ビザンチン皇帝の娘が病気にかかったとき、聖ルカの描いたイコンに触れたら病が癒えた。そのイコンを守っているのがこの修道院というわけ。
そしてそのイコンがここの最大な目玉なわけだが
 内部は写真撮影禁止のため絵葉書から

キンキラキンの礼拝所の中、東方正教の特徴であるイコノスタシス(聖障)の中にはめこまれた聖ルカのイコンは、しかし銀のカバーに覆われてどのような絵か見ることはできない。
日本にも決して開帳されることのない秘仏と言うのがあるが、あれと同じようなものだろうか。

 露出度の高いリゾート姿の観光客はこんなガウンを着せられて、それでも殊勝に並んでイコンに口づけしたりしている。


にほんブログ村 旅行ブログへ  ←人気ブログランキングへ一票、お願いします。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする