[4月3日21:30.天候:曇 秋田県大館市郊外某所 スーパーラーメンショップ]
愛原:「高橋、こっちだ!」
高橋:「はい!」
倉庫の鍵を壊し、私と高橋は中に飛び込んだ。
愛原:「誰かいるか!?」
店長:「た、助けて……」
店長の声がした。
愛原:「大丈夫か!?」
私はマグライトで倉庫を照らしながら、店長を探した。
すると倉庫内に設置された大型冷蔵庫の陰に、店長が手足を縛られた状態で転がっていた。
愛原:「一体、何があった!?」
店長:「オーナー達がやってきて、あなた達のことを話したら、突然襲われてここに入れられたんだ!」
愛原:「オーナーというのは、白井伝三郎か?」
店長:「そうだ!」
やはりこの土地を相続していたのは白井伝三郎だった!
愛原:「『達』というのは?白井が1人で来たんじゃないのか?」
店長:「違う!何か、ガスマスクをしてサバゲーの恰好をした人達が数人ほど一緒だった」
愛原:「ガスマスクって……!」
高橋:「ヴェルトロっスね!」
すると、BSAAの応援部隊も倉庫に突入してきた。
BSAA隊員G:「外はクリアした!早く外に!」
愛原:「わ、分かりました!この人をお願いしていいですか!?」
隊員G:「その人は?」
愛原:「生存者です。あのラーメン屋の店長さんです」
隊員G:「すぐこっちに!」
私達は倉庫を出た。
店は完全に焼失し、焦げ臭い臭いが立ち込めているのはもちろんのこと、他の臭いも混じっていた。
愛原:「リサ!」
リサ:「先生」
リサは第1形態になっていた。
リサ:「何とか倒したよ」
愛原:「よくやった!」
BOWは肉片の状態になって、あちこちに転がっていた。
それをBSAAがかき集めている。
持ち帰って調査するのだろう。
店長はBSAAのヘリコプターに乗せられた。
病院で検査と、それから事件に関する経緯の事情聴取をされるのだろう。
バイオハザード絡みはもうBSAAの管轄になるからな。
愛原:「俺達も帰ろうか。帰って一っ風呂浴びたい」
高橋:「そうですね」
私達はBSAAから借りていた銃を適当に置いて、そそくさ~と帰った。
いや、今から思えば、銃の無断拝借はさすがにマズかったかなと思った次第だ。
バリケードの外では、警察が交通規制をやっていた。
バイオハザードの中では、警察ができることは交通規制くらいか。
急いで陣馬駅に戻り、止めていたライトバンに乗り込む。
愛原:「久しぶりに戦闘に参加したせいか、変な汗かいちゃったな」
高橋:「そうですね」
そして高橋はエンジンを掛けて車を走らせた。
[4月4日07:00.天候:晴 同市内 大館矢立ハイツ4F大浴場→1Fレストラン]
愛原:「ふぅーっ……」
朝風呂に入る私達。
実は昨夜、宿に帰ったら、入浴時間は終了していて入れなかったのだ!
温泉がこんこんと湧き出る所だから、24時間入り放題だと思っていたのだが、残念だった。
仕方ないので昨夜は体を拭いて着替えて、朝早く起きて入浴することにした由。
朝は7時から入れるので、朝一を狙った。
愛原:「やっとさっぱりしたな~」
高橋:「全くです」
湯船に浸かってゆっくりする私達。
内湯の後は露天風呂に移動する。
高橋:「今日はどうしますか?もちろん、東京には帰るでしょうけど……」
愛原:「まずは昨夜のことを善場主任に報告するよ。もしかしたら、もう秋田入りしてるかもしれない」
高橋:「分かりました」
風呂に入ってサッパリした後は、1Fのレストランに向かう。
従業員:「おはようございます」
愛原:「おはようございます」
レストランに行くと席は用意されていて、『愛原様』と書かれていた。
そこに座る。
朝食はバイキング形式ではなく、定食形式だった。
従業員がすぐに持って来てくれる。
ベタな法則で、焼き鮭に玉子焼き、味付けのりや納豆、1人鍋もあった。
リサが喜びそうな量だ。
リサ:「♪」
リサはおひつの御飯を自分でよそうと、期待を裏切らない。
山盛りにした。
御飯はお代わり自由らしい。
高橋:「しかし先生……」
愛原:「何だ?」
高橋:「ゾンビ無双した後で普通に帰って寝て、朝起きてのんびり温泉入って、こうして飯を食おうとしてるんですよ」
愛原:「何が言いたい?」
高橋:「多分俺達、もう普通の人間じゃないんたろうなぁって思います」
愛原:「何を今さら……。あの霧生市のバイオハザードを生き延びただけで、もう俺達は普通の人間じゃないんだよ」
そしてそれは、同じ生存者の栗原蓮華さんもそう。
愛原:「だから気にしないことだ。気にしたら負けだぞ」
高橋:「分かりました」
愛原:「それじゃ、食べよう」
私が合図を出すと、リサが一心不乱になって食べ始めた。
思えばリサが一番激しく動き回っていたのだから、彼女が一番腹が減っているはずなのだ。
にも関わらず、捕食行動を抑えられて偉いと思う。
私達が食べ終えるよりも先に、リサがペロリと平らげてしまった。
確か、御飯を何杯かお代わりしていたはずなのだが。
愛原:「せっかくスリムになったのに、またリバウンドしちゃうぞ?」
リサ:「気をつける」
食べ終えてレストランを出た時、私のスマホに善場主任から電話が掛かって来た。
愛原:「はい、もしもし。おはようございます」
善場:「善場です。おはようございます。昨夜はお疲れ様でした」
愛原:「いえ。お役に立てたかどうか……」
善場:「リサを使ってBOWを倒し、生存者を1名救出したということで、BSAAも唖然としていますよ。そのうち、入隊勧誘があるかもしれませんね」
愛原:「私はただの探偵ですよ」
善場:「いえ、ただの探偵ではないと思います。それより所長方は、特に体の変化はありませんか?」
愛原:「特に無いですね」
善場:「ですが、検査は受けて頂く必要があります。生存者も感染が確認されたので、今は病院に収容しています」
愛原:「あの店長も感染していたんですか!」
善場:「CウィルスとTアビスを融合したものを、BOWは撒き散らしていたようですね。所長も御存知の通り、前者は空気感染のみ、後者も初期の時点では空気感染しますから、それを吸ったものと思われます」
愛原:「なるほど、分かりました。それ以外に分かったことはありますか?」
善場:「それに関しましては、また後でお話しします」
愛原:「それで、私達はどこで検査を受ければいいのでしょう?」
善場:「大館市内の病院に行ってください。病院には私達の方から話を通しておきます。というか、そこの病院で落ち合いましょう」
愛原:「分かりました」
やっぱりBOWとの戦闘の後は、感染状態をチェックか。
リサと常に一緒にいるせいか、どんなウィルスでも怖くないんだよなぁ……。
うん、やっぱり私も常人ではなくなったようだ。
愛原:「高橋、こっちだ!」
高橋:「はい!」
倉庫の鍵を壊し、私と高橋は中に飛び込んだ。
愛原:「誰かいるか!?」
店長:「た、助けて……」
店長の声がした。
愛原:「大丈夫か!?」
私はマグライトで倉庫を照らしながら、店長を探した。
すると倉庫内に設置された大型冷蔵庫の陰に、店長が手足を縛られた状態で転がっていた。
愛原:「一体、何があった!?」
店長:「オーナー達がやってきて、あなた達のことを話したら、突然襲われてここに入れられたんだ!」
愛原:「オーナーというのは、白井伝三郎か?」
店長:「そうだ!」
やはりこの土地を相続していたのは白井伝三郎だった!
愛原:「『達』というのは?白井が1人で来たんじゃないのか?」
店長:「違う!何か、ガスマスクをしてサバゲーの恰好をした人達が数人ほど一緒だった」
愛原:「ガスマスクって……!」
高橋:「ヴェルトロっスね!」
すると、BSAAの応援部隊も倉庫に突入してきた。
BSAA隊員G:「外はクリアした!早く外に!」
愛原:「わ、分かりました!この人をお願いしていいですか!?」
隊員G:「その人は?」
愛原:「生存者です。あのラーメン屋の店長さんです」
隊員G:「すぐこっちに!」
私達は倉庫を出た。
店は完全に焼失し、焦げ臭い臭いが立ち込めているのはもちろんのこと、他の臭いも混じっていた。
愛原:「リサ!」
リサ:「先生」
リサは第1形態になっていた。
リサ:「何とか倒したよ」
愛原:「よくやった!」
BOWは肉片の状態になって、あちこちに転がっていた。
それをBSAAがかき集めている。
持ち帰って調査するのだろう。
店長はBSAAのヘリコプターに乗せられた。
病院で検査と、それから事件に関する経緯の事情聴取をされるのだろう。
バイオハザード絡みはもうBSAAの管轄になるからな。
愛原:「俺達も帰ろうか。帰って一っ風呂浴びたい」
高橋:「そうですね」
私達はBSAAから借りていた銃を適当に置いて、そそくさ~と帰った。
いや、今から思えば、銃の無断拝借はさすがにマズかったかなと思った次第だ。
バリケードの外では、警察が交通規制をやっていた。
バイオハザードの中では、警察ができることは交通規制くらいか。
急いで陣馬駅に戻り、止めていたライトバンに乗り込む。
愛原:「久しぶりに戦闘に参加したせいか、変な汗かいちゃったな」
高橋:「そうですね」
そして高橋はエンジンを掛けて車を走らせた。
[4月4日07:00.天候:晴 同市内 大館矢立ハイツ4F大浴場→1Fレストラン]
愛原:「ふぅーっ……」
朝風呂に入る私達。
実は昨夜、宿に帰ったら、入浴時間は終了していて入れなかったのだ!
温泉がこんこんと湧き出る所だから、24時間入り放題だと思っていたのだが、残念だった。
仕方ないので昨夜は体を拭いて着替えて、朝早く起きて入浴することにした由。
朝は7時から入れるので、朝一を狙った。
愛原:「やっとさっぱりしたな~」
高橋:「全くです」
湯船に浸かってゆっくりする私達。
内湯の後は露天風呂に移動する。
高橋:「今日はどうしますか?もちろん、東京には帰るでしょうけど……」
愛原:「まずは昨夜のことを善場主任に報告するよ。もしかしたら、もう秋田入りしてるかもしれない」
高橋:「分かりました」
風呂に入ってサッパリした後は、1Fのレストランに向かう。
従業員:「おはようございます」
愛原:「おはようございます」
レストランに行くと席は用意されていて、『愛原様』と書かれていた。
そこに座る。
朝食はバイキング形式ではなく、定食形式だった。
従業員がすぐに持って来てくれる。
ベタな法則で、焼き鮭に玉子焼き、味付けのりや納豆、1人鍋もあった。
リサが喜びそうな量だ。
リサ:「♪」
リサはおひつの御飯を自分でよそうと、期待を裏切らない。
山盛りにした。
御飯はお代わり自由らしい。
高橋:「しかし先生……」
愛原:「何だ?」
高橋:「ゾンビ無双した後で普通に帰って寝て、朝起きてのんびり温泉入って、こうして飯を食おうとしてるんですよ」
愛原:「何が言いたい?」
高橋:「多分俺達、もう普通の人間じゃないんたろうなぁって思います」
愛原:「何を今さら……。あの霧生市のバイオハザードを生き延びただけで、もう俺達は普通の人間じゃないんだよ」
そしてそれは、同じ生存者の栗原蓮華さんもそう。
愛原:「だから気にしないことだ。気にしたら負けだぞ」
高橋:「分かりました」
愛原:「それじゃ、食べよう」
私が合図を出すと、リサが一心不乱になって食べ始めた。
思えばリサが一番激しく動き回っていたのだから、彼女が一番腹が減っているはずなのだ。
にも関わらず、捕食行動を抑えられて偉いと思う。
私達が食べ終えるよりも先に、リサがペロリと平らげてしまった。
確か、御飯を何杯かお代わりしていたはずなのだが。
愛原:「せっかくスリムになったのに、またリバウンドしちゃうぞ?」
リサ:「気をつける」
食べ終えてレストランを出た時、私のスマホに善場主任から電話が掛かって来た。
愛原:「はい、もしもし。おはようございます」
善場:「善場です。おはようございます。昨夜はお疲れ様でした」
愛原:「いえ。お役に立てたかどうか……」
善場:「リサを使ってBOWを倒し、生存者を1名救出したということで、BSAAも唖然としていますよ。そのうち、入隊勧誘があるかもしれませんね」
愛原:「私はただの探偵ですよ」
善場:「いえ、ただの探偵ではないと思います。それより所長方は、特に体の変化はありませんか?」
愛原:「特に無いですね」
善場:「ですが、検査は受けて頂く必要があります。生存者も感染が確認されたので、今は病院に収容しています」
愛原:「あの店長も感染していたんですか!」
善場:「CウィルスとTアビスを融合したものを、BOWは撒き散らしていたようですね。所長も御存知の通り、前者は空気感染のみ、後者も初期の時点では空気感染しますから、それを吸ったものと思われます」
愛原:「なるほど、分かりました。それ以外に分かったことはありますか?」
善場:「それに関しましては、また後でお話しします」
愛原:「それで、私達はどこで検査を受ければいいのでしょう?」
善場:「大館市内の病院に行ってください。病院には私達の方から話を通しておきます。というか、そこの病院で落ち合いましょう」
愛原:「分かりました」
やっぱりBOWとの戦闘の後は、感染状態をチェックか。
リサと常に一緒にいるせいか、どんなウィルスでも怖くないんだよなぁ……。
うん、やっぱり私も常人ではなくなったようだ。
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