[3月8日16時30分 天候:晴 静岡県沼津市某所 日本アンブレラ沼津保養センター跡]
愛原「……はい。そういうわけで、取りあえず中を探索します」
私は一応、中に入る前に主任に連絡した。
本来、民間の探偵業者なら、仕事はここまでで、後は警察やBSAAに任せるのが常である。
しかし私達の場合、それまでの実績が買われて、中までの調査が許された。
愛原「死体でも見つかったら、すぐに引き上げるぞ」
高橋「分かりました」
正直、私は車の男達が生きているとは思えなかった。
恐らくは、栗原蓮華に食い殺され、死体がこの中に転がっているくらいは予想していた。
それを見つけて通報するまでが、私達の仕事だと思っていた。
ところが……。
高橋「先生……何か呻き声が聞こえません?」
愛原「聞こえるな……。多分、上の方……」
私は吹き抜けエントランスの上を見上げた。
2階まで吹き抜けになっていて、そこからゾンビのような呻き声が聞こえた。
高橋「行ってみますか?」
愛原「行ってみよう」
私達は吹き抜け階段から2階へと上った。
薄暗い廊下の奥には、客室の扉が続いている。
高橋「ここから、声が聞こえますね」
愛原「よし、開けてみよう」
私は客室のドアを開けた。
モールデッド「ギャアアアアア!」
愛原「モールデッドじゃん!?」
それは特異菌に感染したものの、適合できずに化け物と化した人間の成れの果てである。
体全体を黒カビの塊に覆われた化け物であり、動きはTウィルスのゾンビよりやや早い。
また、耐久力もそれより強い。
更に壁の隙間や天井のダクトも自由に行き来できる。
高橋が先手必勝で、手持ちのライトニングホークでモールデッドの頭を撃ち抜いた。
人間ならそれだけで即死ものだが、モールデッドはそうはいかない。
私も持って来たショットガンで、援護する。
そして、ようやくモールデッドは体をバラバラにして絶命した。
で、何かアイテムを落とす。
ドロップアイテムというヤツだ。
拾ってみると、それは車のキーだった。
トヨタのマークが入っている。
高橋「これ、外に止まってたクラウンのじゃないっスか?」
愛原「なにっ?すると、こいつはあの車の持ち主か?」
部屋の中を調べたが、他には誰もいないようだ。
廃墟になってからそんなにまだ年数が経っていないこともあり、館内はそこまで荒れ果てている感じは無かった。
私達は一旦外に出て、手に入った車の鍵がそのクラウンなのか確認することにした。
愛原「開いた!」
すると、車のドアロックが外れた。
この車の鍵で間違い無いようだ。
車の中を見てみるが、中には誰もいない。
どうやら、全員降りたようだ。
この車の持ち主1人だけが中に入ったとは思えないので、他にも中にいるのだろう。
高橋「何をしてるんです?」
愛原「車検証を調べるんだよ。オーナーの住所や名前が書かれてるだろう?」
高橋「それもそうっスね!」
私は車検証を調べた。
案の定、この車のオーナーは同じ沼津市内に自宅があることが分かった。
一応、この車検証も写真に撮る。
愛原「よし。ここまででいいだろう。あとはデイライトやBSAAに任せるとしよう」
モールデッドが出た以上、他の同乗者達もホテルの中で同様の姿となっているだろう。
確かに分類上はBOW(生物兵器)ではないクリーチャー(感染者)であり、そこまで取るに足る相手ではないのだが、積極的な交戦は避けるように言われている為、このくらいが潮時だと思った。
3月に入って日が長くなっては来たが、夜を迎えた時に危険に巻き込まれる恐れがある。
なので、さっさと帰った方が良い。
ところが、だ。
愛原「えっ?」
ガッシャーンとガラスが割れる音がしたかと思うと、2階の窓から化け物が飛び出して来た。
高橋「な、何だありゃ!?」
愛原「す、スキャグデッドかな?」
人間の体を2つ繋ぎ合わせたような姿をしているが、それ以外は最初に戦ったモールデッドと同じだ。
2つの頭のうち、1つは 、『美味そう!』『今夜の飯ィィィィィッ!!』と喋っているが、もう1つの頭は、『俺は人間だぁ……!』『助けてくれぇぇぇ……!』と、うわ言のように呟いている。
しかし人間の体を2つ繋ぎ合わせたような姿から、その体型は大きく、また、手足も太いのが2本、細いのが2本と、バランスの悪い姿をしている。
高橋「ヤんのか、コラァッ!!」
化け物「肉ゥゥゥゥゥ!食わせロォォォォッ!!」「メーデー、メーデー……」
愛原「やるしかないか!」
私は銃弾をリロードすると、化け物達に向かって撃った。
愛原「お前達は、あの車に乗ってた連中か!?」
私は化け物に向かって呼びかけたが、全く会話にならない。
巨体に似合わず、突進してきたり、飛び掛かってきたりと、なかなか素早い動きをする。
人数的に、私はあの化け物は、あの車に乗っていた残り2人が融合したものなのではないかと思った。
高橋「先生!このままでは、弾が持ちません!」
愛原「仕方が無い!一旦、退散するぞ!閃光手榴弾で、怯ませるんだ!」
高橋「分かりました!」
と、その時だった。
上空にヘリコプターの音がしたと思って見上げてみたら、BSAAのヘリコプターであった。
もう来たのか!?
〔「こちらはBSAA日本地区本部です!あとはこちらが引き受けます!一般人の方は、直ちに待避を!」〕
高橋「おおっ!助かった!先生、あとはあいつらに任せて逃げましょう!」
愛原「ま、待て。何か、ヘリの出てくるタイミングが何かおかしい」
高橋「えっ?」
愛原「こういう時、カプコン製のヘリは墜ちるって聞いたけども……」
すると化け物、正面エントランス前のロータリーに植えられていた植木を引っこ抜いた。
そしてそれをヘリに向かってぶん投げる。
それだけじゃない。
庭石まで持ち上げて、ぶん投げた。
〔「わぁぁぁぁっ!」〕
植木は避けたものの、今度は庭石が直撃した。
で、ヘリはコントロールを失って……。
愛原「こっちに落ちて来たぁぁぁぁっ!」
高橋「やばいっス!!」
私達は屋内退避をせざるを得なかったのである。
愛原「……はい。そういうわけで、取りあえず中を探索します」
私は一応、中に入る前に主任に連絡した。
本来、民間の探偵業者なら、仕事はここまでで、後は警察やBSAAに任せるのが常である。
しかし私達の場合、それまでの実績が買われて、中までの調査が許された。
愛原「死体でも見つかったら、すぐに引き上げるぞ」
高橋「分かりました」
正直、私は車の男達が生きているとは思えなかった。
恐らくは、栗原蓮華に食い殺され、死体がこの中に転がっているくらいは予想していた。
それを見つけて通報するまでが、私達の仕事だと思っていた。
ところが……。
高橋「先生……何か呻き声が聞こえません?」
愛原「聞こえるな……。多分、上の方……」
私は吹き抜けエントランスの上を見上げた。
2階まで吹き抜けになっていて、そこからゾンビのような呻き声が聞こえた。
高橋「行ってみますか?」
愛原「行ってみよう」
私達は吹き抜け階段から2階へと上った。
薄暗い廊下の奥には、客室の扉が続いている。
高橋「ここから、声が聞こえますね」
愛原「よし、開けてみよう」
私は客室のドアを開けた。
モールデッド「ギャアアアアア!」
愛原「モールデッドじゃん!?」
それは特異菌に感染したものの、適合できずに化け物と化した人間の成れの果てである。
体全体を黒カビの塊に覆われた化け物であり、動きはTウィルスのゾンビよりやや早い。
また、耐久力もそれより強い。
更に壁の隙間や天井のダクトも自由に行き来できる。
高橋が先手必勝で、手持ちのライトニングホークでモールデッドの頭を撃ち抜いた。
人間ならそれだけで即死ものだが、モールデッドはそうはいかない。
私も持って来たショットガンで、援護する。
そして、ようやくモールデッドは体をバラバラにして絶命した。
で、何かアイテムを落とす。
ドロップアイテムというヤツだ。
拾ってみると、それは車のキーだった。
トヨタのマークが入っている。
高橋「これ、外に止まってたクラウンのじゃないっスか?」
愛原「なにっ?すると、こいつはあの車の持ち主か?」
部屋の中を調べたが、他には誰もいないようだ。
廃墟になってからそんなにまだ年数が経っていないこともあり、館内はそこまで荒れ果てている感じは無かった。
私達は一旦外に出て、手に入った車の鍵がそのクラウンなのか確認することにした。
愛原「開いた!」
すると、車のドアロックが外れた。
この車の鍵で間違い無いようだ。
車の中を見てみるが、中には誰もいない。
どうやら、全員降りたようだ。
この車の持ち主1人だけが中に入ったとは思えないので、他にも中にいるのだろう。
高橋「何をしてるんです?」
愛原「車検証を調べるんだよ。オーナーの住所や名前が書かれてるだろう?」
高橋「それもそうっスね!」
私は車検証を調べた。
案の定、この車のオーナーは同じ沼津市内に自宅があることが分かった。
一応、この車検証も写真に撮る。
愛原「よし。ここまででいいだろう。あとはデイライトやBSAAに任せるとしよう」
モールデッドが出た以上、他の同乗者達もホテルの中で同様の姿となっているだろう。
確かに分類上はBOW(生物兵器)ではないクリーチャー(感染者)であり、そこまで取るに足る相手ではないのだが、積極的な交戦は避けるように言われている為、このくらいが潮時だと思った。
3月に入って日が長くなっては来たが、夜を迎えた時に危険に巻き込まれる恐れがある。
なので、さっさと帰った方が良い。
ところが、だ。
愛原「えっ?」
ガッシャーンとガラスが割れる音がしたかと思うと、2階の窓から化け物が飛び出して来た。
高橋「な、何だありゃ!?」
愛原「す、スキャグデッドかな?」
人間の体を2つ繋ぎ合わせたような姿をしているが、それ以外は最初に戦ったモールデッドと同じだ。
2つの頭のうち、1つは 、『美味そう!』『今夜の飯ィィィィィッ!!』と喋っているが、もう1つの頭は、『俺は人間だぁ……!』『助けてくれぇぇぇ……!』と、うわ言のように呟いている。
しかし人間の体を2つ繋ぎ合わせたような姿から、その体型は大きく、また、手足も太いのが2本、細いのが2本と、バランスの悪い姿をしている。
高橋「ヤんのか、コラァッ!!」
化け物「肉ゥゥゥゥゥ!食わせロォォォォッ!!」「メーデー、メーデー……」
愛原「やるしかないか!」
私は銃弾をリロードすると、化け物達に向かって撃った。
愛原「お前達は、あの車に乗ってた連中か!?」
私は化け物に向かって呼びかけたが、全く会話にならない。
巨体に似合わず、突進してきたり、飛び掛かってきたりと、なかなか素早い動きをする。
人数的に、私はあの化け物は、あの車に乗っていた残り2人が融合したものなのではないかと思った。
高橋「先生!このままでは、弾が持ちません!」
愛原「仕方が無い!一旦、退散するぞ!閃光手榴弾で、怯ませるんだ!」
高橋「分かりました!」
と、その時だった。
上空にヘリコプターの音がしたと思って見上げてみたら、BSAAのヘリコプターであった。
もう来たのか!?
〔「こちらはBSAA日本地区本部です!あとはこちらが引き受けます!一般人の方は、直ちに待避を!」〕
高橋「おおっ!助かった!先生、あとはあいつらに任せて逃げましょう!」
愛原「ま、待て。何か、ヘリの出てくるタイミングが何かおかしい」
高橋「えっ?」
愛原「こういう時、カプコン製のヘリは墜ちるって聞いたけども……」
すると化け物、正面エントランス前のロータリーに植えられていた植木を引っこ抜いた。
そしてそれをヘリに向かってぶん投げる。
それだけじゃない。
庭石まで持ち上げて、ぶん投げた。
〔「わぁぁぁぁっ!」〕
植木は避けたものの、今度は庭石が直撃した。
で、ヘリはコントロールを失って……。
愛原「こっちに落ちて来たぁぁぁぁっ!」
高橋「やばいっス!!」
私達は屋内退避をせざるを得なかったのである。
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