[3月25日17時00分 天候:晴 栃木県那須塩原市某所 ホテル天長園1階・マッサージコーナー]
私は半鬼姉妹からのマッサージを受けていた。
今は仰向けになって、上野理子に膝枕をしてもらっている。
上野凛「次は足ツボです。愛原先生はよくお酒をお飲みになるということで、肝臓に効くツボを押させて頂きます」
愛原「それは助かる。……もしかして、リサみたいに手から触手を出せるとか?」
凛「さすがにリサ先輩のような器用はことはできませんので、そこはご安心ください」
愛原「何だ、そうか」
凛「むしろ、サラサラの血の方がいいみたいです」
愛原「うむ。健康の為には、血液はさらさらの方がいいってな……」
凛「母も、血液はサラサラの方が飲みやすいと言います」
愛原「そ、そうなのか……」
上野利恵は完全な『鬼』だからなぁ……。
それにしても凛は、母親が父親を食い殺してしまったことについて、何も思っていないのだろうか?
まあ、聞かない方がいいのだろう。
愛原「あれ?あんまり痛くない?俺の肝臓、大丈夫なんじゃない?」
凛「いえ。全然ツボに入って行かないので、これは相当やられてますよ?」
愛原「ま、マジか?」
凛「そういう時は、直接啜るのです」
愛原「ん?直接って?」
凛「……」
凛は舌をペロッと出すと、それが見る見るうちに細長くなっていき……。
凛「頂きます」
愛原「あうちっ!?」
ブスリと肝臓辺りの反射区に突き刺す。
上野理子「うわ、お姉ちゃん……直接啜ってる……。いいなぁ……」
愛原「あぁあぁあ……」
吸われてる吸われてる!
鬼と人間のハーフに、老廃物の溜まった生き血を啜られてる!
凛「さすがはリサ先輩の大好物……!」
愛原「鬼の好みは俺には分からんが、リサにバレたら大変なんじゃないのかい?」
凛「! どうか、内密にお願いします!口止め料は体で払います!」
凛はそう言って、ブルマを脱いだ。
ブルマの下は白い、スポーティーなショーツを穿いている。
さすがは陸上部だ。
愛原「その口止め料を受け取ったら、俺もリサに食い殺されるよ。分かったから、早くブルマを穿いて」
凛「はい……」
愛原「そのブルマは学校で買ったヤツ?」
凛「はい。リサ先輩が購買で目ざとく見つけた、紺色のヤツです」
愛原「なるほど、そうか」
スクールカラーがグリーンの東京中央学園では、体操服も緑を基調としている。
なのでジャージもクォーターパンツも緑色である。
かつてのブルマや短パンも、同じ色だった。
リサ達『魔王軍』のブルマ復活運動が実を結び、ブルマは復活したものの、廃止前のメーカーが既に製造を中止していた為に、今でも細々と製造を続けているメーカーに依頼するしか無かった。
その為、ブルマの値段は通常のクォーターパンツよりも高い。
従って、実際に着用しているのは『魔王軍』のメンバーやそのシンパだけである。
その為、『魔王軍』のメンバーが卒業してしまうと、再びブルマは廃れるだろうとされている。
凛「まあ、私は陸上部ですから、特に問題無く穿いてますけど」
愛原「でもスパッツなんだろ?」
凛「後で、ブルマに換えますから。リサ先輩からも、『愛原先生の御心が分からないのか!?裏切り者は処刑だ!』というお怒りを受けまして……」
愛原「うちのリサが本っ当すいません!」
すると突然、後ろから誰かに抱き着かれた。
理子だった。
理子「お姉ちゃんだけずるい。私も先生の血……欲しい……!」
凛「理子はダメだよ!」
理子「ヤダヤダ!欲しい欲しい!」
愛原「少しだけならいいよ」
理子「ほら、先生もそう言っているし!」
凛「でも、肝臓の老廃物は私が吸い取っちゃったし……」
愛原「ここはどうだ?ここの辺りも、随分ゴリゴリしていた。ゴリコリしてる部分は、老廃物が溜まってるんだろう?」
凛「それはそうですけど、そこは骨盤辺りですよ」
愛原「ということは、腰辺りじゃないか。ちょうど良かった。腰も少し痛いから、その辺りの老廃物は理子に取ってもらおう」
理子「わーい!」
凛「先生、やめた方が……」
愛原「だから何で!?」
ガブッ!(理子、愛原の足に噛み付く)
愛原「いっでーっ!?」
凛「理子、まだ舌変化ができないんです」
愛原「それを早く言えーっ!」
危うく鬼に捕食されるところだった。
[同日18時00分 天候:晴 同ホテル8階・展望レストラン]
天気が良ければ、窓から那須連峰が見えるという。
今はだいぶ日が傾いて、太陽がその那須連峰に沈もうとしていた。
愛原「逢魔が時だな……」
私は窓の前に立ち、その下を見た。
窓の下はホテルのエントランスがあり、ロータリーが見える。
そこに接続する県道も、僅かに街灯が付いているが、とても薄暗い。
夜しか活動できない妖怪達がそろそろ現れ、非力な子供達などは不幸にもエンカウントしてしまうと、連れ去られ、食い殺されるという。
それが逢魔が時だ。
上野利恵「いかがですか?窓から那須の山並みが一望できるんです」
愛原「ああ。素晴らしい景色だ。まさかとは思うが、あの山の方から鬼達が来るなんてことは無いだろうな?」
利恵「そう思いまして、何名かが様子を見に行っております。少しでも異常を発見しましたら、こちらに報告が来る手筈になっております」
そう言って利恵は、自分のスマホを取り出した。
利恵「先生方の御安全は、私共で確保させて頂きます。ですので、どうぞご安心ください」
愛原「それは助かる」
利恵「それでは、御夕食の準備が整いましたので、どうぞお席まで……」
愛原「ああ」
高橋とパールは、喫煙所に行ってしまっている。
なので私が先に、食卓に就くことになる。
テーブルの上には、『701 703 愛原様』という札が置かれていた。
数字は部屋番号だろう。
ホテルの夕食ということもあり、それはそれは立派な和膳が運ばれてきた。
私は半鬼姉妹からのマッサージを受けていた。
今は仰向けになって、上野理子に膝枕をしてもらっている。
上野凛「次は足ツボです。愛原先生はよくお酒をお飲みになるということで、肝臓に効くツボを押させて頂きます」
愛原「それは助かる。……もしかして、リサみたいに手から触手を出せるとか?」
凛「さすがにリサ先輩のような器用はことはできませんので、そこはご安心ください」
愛原「何だ、そうか」
凛「むしろ、サラサラの血の方がいいみたいです」
愛原「うむ。健康の為には、血液はさらさらの方がいいってな……」
凛「母も、血液はサラサラの方が飲みやすいと言います」
愛原「そ、そうなのか……」
上野利恵は完全な『鬼』だからなぁ……。
それにしても凛は、母親が父親を食い殺してしまったことについて、何も思っていないのだろうか?
まあ、聞かない方がいいのだろう。
愛原「あれ?あんまり痛くない?俺の肝臓、大丈夫なんじゃない?」
凛「いえ。全然ツボに入って行かないので、これは相当やられてますよ?」
愛原「ま、マジか?」
凛「そういう時は、直接啜るのです」
愛原「ん?直接って?」
凛「……」
凛は舌をペロッと出すと、それが見る見るうちに細長くなっていき……。
凛「頂きます」
愛原「あうちっ!?」
ブスリと肝臓辺りの反射区に突き刺す。
上野理子「うわ、お姉ちゃん……直接啜ってる……。いいなぁ……」
愛原「あぁあぁあ……」
吸われてる吸われてる!
鬼と人間のハーフに、老廃物の溜まった生き血を啜られてる!
凛「さすがはリサ先輩の大好物……!」
愛原「鬼の好みは俺には分からんが、リサにバレたら大変なんじゃないのかい?」
凛「! どうか、内密にお願いします!口止め料は体で払います!」
凛はそう言って、ブルマを脱いだ。
ブルマの下は白い、スポーティーなショーツを穿いている。
さすがは陸上部だ。
愛原「その口止め料を受け取ったら、俺もリサに食い殺されるよ。分かったから、早くブルマを穿いて」
凛「はい……」
愛原「そのブルマは学校で買ったヤツ?」
凛「はい。リサ先輩が購買で目ざとく見つけた、紺色のヤツです」
愛原「なるほど、そうか」
スクールカラーがグリーンの東京中央学園では、体操服も緑を基調としている。
なのでジャージもクォーターパンツも緑色である。
かつてのブルマや短パンも、同じ色だった。
リサ達『魔王軍』のブルマ復活運動が実を結び、ブルマは復活したものの、廃止前のメーカーが既に製造を中止していた為に、今でも細々と製造を続けているメーカーに依頼するしか無かった。
その為、ブルマの値段は通常のクォーターパンツよりも高い。
従って、実際に着用しているのは『魔王軍』のメンバーやそのシンパだけである。
その為、『魔王軍』のメンバーが卒業してしまうと、再びブルマは廃れるだろうとされている。
凛「まあ、私は陸上部ですから、特に問題無く穿いてますけど」
愛原「でもスパッツなんだろ?」
凛「後で、ブルマに換えますから。リサ先輩からも、『愛原先生の御心が分からないのか!?裏切り者は処刑だ!』というお怒りを受けまして……」
愛原「うちのリサが本っ当すいません!」
すると突然、後ろから誰かに抱き着かれた。
理子だった。
理子「お姉ちゃんだけずるい。私も先生の血……欲しい……!」
凛「理子はダメだよ!」
理子「ヤダヤダ!欲しい欲しい!」
愛原「少しだけならいいよ」
理子「ほら、先生もそう言っているし!」
凛「でも、肝臓の老廃物は私が吸い取っちゃったし……」
愛原「ここはどうだ?ここの辺りも、随分ゴリゴリしていた。ゴリコリしてる部分は、老廃物が溜まってるんだろう?」
凛「それはそうですけど、そこは骨盤辺りですよ」
愛原「ということは、腰辺りじゃないか。ちょうど良かった。腰も少し痛いから、その辺りの老廃物は理子に取ってもらおう」
理子「わーい!」
凛「先生、やめた方が……」
愛原「だから何で!?」
ガブッ!(理子、愛原の足に噛み付く)
愛原「いっでーっ!?」
凛「理子、まだ舌変化ができないんです」
愛原「それを早く言えーっ!」
危うく鬼に捕食されるところだった。
[同日18時00分 天候:晴 同ホテル8階・展望レストラン]
天気が良ければ、窓から那須連峰が見えるという。
今はだいぶ日が傾いて、太陽がその那須連峰に沈もうとしていた。
愛原「逢魔が時だな……」
私は窓の前に立ち、その下を見た。
窓の下はホテルのエントランスがあり、ロータリーが見える。
そこに接続する県道も、僅かに街灯が付いているが、とても薄暗い。
夜しか活動できない妖怪達がそろそろ現れ、非力な子供達などは不幸にもエンカウントしてしまうと、連れ去られ、食い殺されるという。
それが逢魔が時だ。
上野利恵「いかがですか?窓から那須の山並みが一望できるんです」
愛原「ああ。素晴らしい景色だ。まさかとは思うが、あの山の方から鬼達が来るなんてことは無いだろうな?」
利恵「そう思いまして、何名かが様子を見に行っております。少しでも異常を発見しましたら、こちらに報告が来る手筈になっております」
そう言って利恵は、自分のスマホを取り出した。
利恵「先生方の御安全は、私共で確保させて頂きます。ですので、どうぞご安心ください」
愛原「それは助かる」
利恵「それでは、御夕食の準備が整いましたので、どうぞお席まで……」
愛原「ああ」
高橋とパールは、喫煙所に行ってしまっている。
なので私が先に、食卓に就くことになる。
テーブルの上には、『701 703 愛原様』という札が置かれていた。
数字は部屋番号だろう。
ホテルの夕食ということもあり、それはそれは立派な和膳が運ばれてきた。
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