報恩坊の怪しい偽作家!

 自作の小説がメインのブログです。
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 実際のものとは異なります。

“私立探偵 愛原学” 「帰京日の朝」

2022-11-05 21:11:50 | 私立探偵 愛原学シリーズ
[8月15日23:00.天候:曇 宮城県名取市美田園 スーパーホテル美田園・仙台空港 愛原達の部屋]

 大浴場で最後の温泉を楽しんだ後は、部屋で過ごす。
 コネクティングルームになっていることもあってか、リサが私の部屋で過ごしている。
 私が寝る下段ベッドに横になって、私に引っ付いて来たり、テレビを観たり、友達とスマホでLINEをしたりしていた。
 これだけ見ると、普通の女の子で、とてもラスボスを張れる特級BOWだとは思えない。

 愛原:「明日も早いし、そろそろ寝るか」

 私は両隣に座る高橋と寝転がるリサに言った。

 高橋:「分かりました」
 リサ:「えー……。わたし、ここで寝る」
 愛原:「そうか。じゃあ、俺は隣の部屋で寝るよ」
 リサ:「あっ、じゃあわたしも隣!」
 愛原:「せっかくオマエ用の部屋なんだから、いいから隣に行け!」
 リサ:「えー……」
 高橋:「おい!先生の御命令は!?」
 リサ:「……絶対」
 高橋:「だろ?」
 リサ:「……はーい」

 リサは仰向けになっていたが、ゴロンと一回りすると、足を大きく開いて、ベッドから立ち上がった。
 その際、ワンピースタイプのナイトウェアの裾が捲れて、中の黒いショーツが丸見えになった。
 しかし、リサは特に気にする様子は無く、裾を戻した。
 プーマのビキニショーツである。

 リサ:「ドアは閉めないでね?」
 高橋:「ダメだ。閉めて鍵掛ける」
 リサ:「ヤダ!」
 高橋:「勝手に入って来るだろう?」
 リサ:「わたしは先生に入って来て欲しいの」
 愛原:「いや、朝まで寝させてもらうよ。だいたい、家では鍵掛けてるじゃないか」

 私の部屋は、リサ侵入防止の為、鍵を3つ付けている。
 もっとも、リサが本気を出せばそれでもブチ破れるし、場合によっては壁をブチ破ることもできる。
 アメリカのオリジナルのリサ・トレヴァーでは、やらなかったことだ(できないとは言っていない)。

 リサ:「うぅ……分かった。でも、わたしの部屋からは鍵掛けないよ?」
 愛原:「それでいいから」

 リサは渋々と自分の部屋に戻って行った。
 そして、ドアを閉めてレバータイプのドアノブを回す。
 その後でドアノブを外すと、向こうからも開かなくなるはずである。
 ……確か。
 この取り外し式のドアノブのことをグレモン鍵といい、実はこれ自体が鍵である。
 私が警備員時代、派遣されていた高層ビルにもこれがあった。
 主に、機械室のドアとかで使われていることが多い。

 愛原:「というわけで、そろそろ寝るか」
 高橋:「うっス」

 私はバスルームに入った。
 大浴場はあるが、それとは別に、3点式のユニットバスもちゃんとある。
 洗面所に行って、歯を磨くだけだが。

 リサ:「せんせぇ~……」

 天井からリサの声が聞こえた。
 そういえばユニットバスには、天井に点検口があって、そこから侵入可能だったりする。

 愛原:「ダクトから侵入して来るなよ!?」

 その為には、第3形態くらいにまで変化しないといけない。
 そこまで行くと、体全体が軟体化し、ダクトを通ってマップ移動が可能になるのだ。
 2005年辺りから、ザコクリーチャーでもそのような事をするようになってきた為、鍵を掛けて籠城したとしても油断できないのである。
 また、リサのようなパワータイプは、壁自体ブチ破ったりするし。
 私は天井越しに、リサに注意をしておいた。

[8月16日06:00.天候:晴 同ホテル・同客室]

 枕が変わると、抵抗無く起きられるものである。
 枕元に置いたスマホのアラームが鳴ると、私はすぐにそれを止めた。

 高橋:「ん……もう朝ですか?」
 愛原:「そうだよ」

 私は欠伸をしながら起き上がった。

 愛原:「リサは起きたかな?」
 高橋:「あいつ、いつも先生のモーニングコールで起きてやがりますからね」
 愛原:「あー……じゃあ、起こしてやるか」

 私は部屋の電話を探した。
 だが、電話が無い。

 愛原:「あっ、そうか!スーパーホテルには、客室に電話が無いんだ!」
 高橋:「そうなんですか」

 その為、モーニングコールのサービスは無い。
 スマホ以外のアラームだと、備え付けの目覚まし時計を使用することになる。

 愛原:「しょうがないな……」

 後から思えば、私のスマホからリサのスマホに架電すれば良かったのだろうが、この時は直接起こすという選択肢しか頭に浮かばなかった。
 外したドアノブ(グレモン鍵)を挿し込んで、それを回した。

 愛原:「リサー?起きたかー?」

 少しだけドアを開けて、中を覗く。
 こちらの部屋も消灯されていた。
 私はスマホのライトで、室内を照らしながら中へ進んだ。
 すると……。

 リサ:「でへへへ……。せ、先生……そんなとこ舐めちゃ……ダメだよォ……でへへへ……」

 リサは掛布団を跳ね除けて、うつ伏せに眠っていた。
 ナイトウェアの裾が捲れて、黒いショーツが丸見えになっている。

 愛原:「こいつ、エロい夢見てるみたいだが?」
 高橋:「くぉらぁっ!さっさと起きろぉーっ!!」

 高橋はリサの尻を思いっ切り引っ叩いた。

 リサ:「あたぁ!?」
 愛原:「起きろ。もう時間だぞ?」
 リサ:「あ、あれ?先生?……おはよー」
 高橋:「『おはよー』じゃねぇ!勝手にエロい夢見やがって!」
 リサ:「先生とのイチャラブ夢って言ってよね!……って、何で知ってるの?」
 高橋:「オマエが寝言で……」

 しかし、私は高橋の口を塞いだ。

 愛原:「いいから、さっさと準備をして朝飯食いに行くぞ。2度寝するなよ?」
 高橋:「せ、先生!?」
 愛原:「俺達も顔洗って、さっさと準備するぞ」
 高橋:「は、はい」

 私は高橋を引っ張って、部屋に戻った。
 コネクティングのドアは開放状態にしておいた。

 愛原:「電車に乗り遅れ無いよう、急いで準備しないといけないんだからな?」
 高橋:「は、はい」

 私はそう言うと、旅行用の電池式シェーバーを取り出して、バスルームに入った。

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