[3月31日14:00.天候:雨 東京都千代田区神田神保町 某喫茶店]
古めかしい建物の一室にある、これまた昭和時代を彷彿とさせる内装の古いカフェ。
そのカウンターに1人の男が座り、新聞を読んでコーヒーを飲んでいる。
歳は40代頃で、黒系のスーツを着ていた。
と、そこへ、似たような風体の男が入って来る。
まるで昔のヤクザのように肩で風を切り、威圧感をダダ漏れさせてたその男は先客のスーツの男の隣に座った。
どうやら、知り合いであるようだ。
白髪の混じった60歳くらいのマスターはその男の威圧感に呆気に取られていたが、すぐに落ち着きを取り戻し、笑みを浮かべた。
マスター:「いらっしゃいませ。ご注文は?」
男は煙草に火を点けながら、マスターに言った。
男A:「カルピスソーダの甘酢あんかけ」
ズコーッ!!(店内の客とマスター、全員がズッコケる)
男B:「おい!」
男A:「失敬。エスプレッソ」
マスター:「か、かしこまりました」
マスターはすぐにコーヒーを入れた。
男Bは既に注文していたコーヒーカップを口に運ぶ。
男B:「……それで、首尾の方は?」
男A:「その前に……」
男Aはメモ書きを男Bに渡した。
そこには、こう書いてあった。
『一応、念の為に報告は暗号で行います』
男B:「よし。分かった」
男A:「それでは……コホン。大地揺るがす足音は」
男B:「なにっ?」
男A:「広宣流布の大行進」
男B:「それで、何だって?」
男A:「末法濁悪、直中に」
男B:「おい、ウソだろ?」
男A:「苦悩の民を救わんと、仏の軍勢今ぞ立つ」
男B:「マジかよ?」
男A:「全て事実です」
男B:「よし、分かった。この事は全て官邸に報告しておく。お前は更なる調査を続けるんだ。分かったな?」
男A:「了解」
カチン!🎬
雲羽:「はい、カット!良かったよ!」
KAITO:「上手く行けて良かったです」
神威がくぽ:「同感。一発OKとは、KAITO殿も男優が板についてきたな」
KAITO:「いえいえ」
多摩:「次のシーンは、そこへ暴走ガイノイドがマシンガンを乱射しながら乱入して来る所、行こうか」
シンディ:「ちょっと!何でアタシがその役なの!?用途外だって言ってんじゃん!」
KAITO:「ベストチョイスのような気がしますが……」
シンディ:「ああッ!?てめ、今何つった、コラ!?」
シンディは右手を再び換装されたマシンガンに変形させた。
KAITO:「絶対向いてますって!」
[同日同時刻 天候:曇 北海道某所]
長閑な農場地帯を2人の老夫婦が軽トラで走っている。
農夫:「今年は雪少なかったから、早めに畑仕事ができそうだな」
農婦:「そうだね」
農夫:「今年は豊作になんべ」
キキッと軽トラを止めて、2人は自分達の畑の中に入って行く。
まだ雪が軽く積もっているような状態であるが、様子を見に来ただけだろうか。
農夫:「この辺は何年も耕してねー所だ。そろそろ土も肥えたべから、今年はここでやるべ」
農婦:「だいぶ休ませたからねー」
農夫:「軽く掘ってみっから、クワ取ってけろ」
農婦:「あいよ」
農夫がクワで土を掘り返していたところ、何か固いものに当たった。
農夫:「んな?こんなとこさ、石でも埋まって……おりゃ?何だべ、これ?」
畑に埋まっていたのは、何だか小型ロケットのような形をした金属であった。
同じ頃、その現場に向かう特殊部隊のような恰好をした5人ほどの男達がいた。
隊員A:「隊長、例の爆弾はこんな北海道の荒野に?」
隊長:「うむ、そうだ。何しろ、こんな広大な北海道の荒地だからな。無知な民間人がたまたま偶然掘り起こして発見した、なんて映画みたいな展開は恐らく無いだろうが、一応注意しててくれ。一応な」
隊員B:「まさか、旧日本軍が終戦直後のドサグサに紛れて化学爆弾を埋めていたなんて驚きです」
隊長:「シッ!バカ!声がでかい!いいか?こんなことが世間に知られてみろ?ただでさえ平和ボケ……もとい、平和主義の団体が大騒ぎするぞ?」
隊員C:「政府からの指令は、極秘裏にその爆弾を発見し、処理することですね」
隊長:「そういうことだ。分かったら、絶対に他言無用だぞ。分かったな?」
そんなこんなで進軍する特殊部隊。
隊長:「確か、報告によると、件の物はあの辺に埋まっているということだが……ああっ!?」
隊員A:「どうしました、隊長!?」
隊長は信じられないといった顔で、自分が見てしまった光景を指さした。
それを見た他の隊員達も驚愕を隠しきれない。
隊員A:「ぶっ!」
隊員B:「む、無知な民間人が!?」
隊員C:「おわぁお!」
隊員D:「!!!」
老夫婦達がロケットの形をした爆弾を掘り起こして、農機具でそれをカンカンと叩いていた。
隊員A:「どうします、隊長?追い返しますか?」
隊長:「ま、待て。もうしばらく様子を見てみよう。この様子だと、恐らくただ単にこれから耕作する予定の農地の様子を見に来ただけといったところだろう。しばらくしたら帰るかもしれん。とにかく、余計な波風を立てるわけにはいかん」
隊員A:「は、はい」
だが、老夫婦は部隊員達予想外の行動に出る。
農夫:「母ちゃん、その先っぽ叩いてみろ」
農婦:「あいよ」
隊員A:「あっあっあーっ!信管をーっ!?」
農婦は鍬で思いっ切り信管部分を叩こうとしたが、手がすっぽ抜けて農夫に当たってしまう。
農夫:「おごっ!?」
農婦:「あ、ゴメン、父ちゃん。手が滑ったw」
隊員B:「隊長、マジやばくねっスか!?」
隊長:「待て、慌てるな!今出て行ったら、確実に俺達は怪しい者だ!」
だが、農夫は更に驚愕の行動に出る。
農夫:「んな?先っぽが取れ掛かってんぞ」
農夫は信管のカバーを取ってしまった。
爆弾ならそれだけで爆発しそうなものだが、さすがにそこは70年以上も前のもの。
そう簡単に爆発はしないようだ。
隊員C:「隊長!これ以上はもう耐えらません!」
隊員D:「どうか、ご指示を!」
隊長:「う、うむ。分かった。あの老人達を追い返そう。但し、あくまで穏便にな。いいか?まずはにこやかに出て行くんだ。あとは俺に合わせてくれ」
隊員A:「分かりました!」
特殊部隊員達は作戦を開始した。
隊長:「や、やあ、どうも、御老人。こんにちは」
農夫:「んな?」
隊長:「あ、私達は別に怪しい者ではありません。ただ、ワケがありまして、これを欲しくて取りに来たものです」
農夫:「これ、あんた達のモンか」
隊長:「ま、まあ、そんなところです。それで御老人、1つ取り引きをしませんか?」
農夫:「取り引き?」
隊長:「はい。あなた達は、たまたまこの畑の様子を見に来ただけとお見受けします」
農夫:「んだ」
隊長:「それだけに留めて頂きたいのです。つまり……これを見なかったことにして頂きたいのです」
農夫:「んな?」
隊長:「その代わり、できるだけのことをさせて頂きます。欲しい物を差し上げます」
農夫:「欲しい物だ?」
隊長:「そうです。何でもいいんです。庭付きの家とか、高級外車とか、AKBの1人や2人とか」
農夫:「そうじゃのぅ……」
この老夫婦が何を望んだのかはご想像にお任せするとして、どうやら取引が成立したようだ。
翌日、全国紙にはただ単に第二次大戦中の普通の爆弾が発見され、自衛隊によって回収・処理されたということが報道された。
しかし、その老夫婦が発見した爆弾、実ははっきり言ってどうでも良かったかもしれない。
自衛隊でも発見できなかった、化学爆弾よりももっと恐ろしい物がその近くに埋まっていたのだから……。
古めかしい建物の一室にある、これまた昭和時代を彷彿とさせる内装の古いカフェ。
そのカウンターに1人の男が座り、新聞を読んでコーヒーを飲んでいる。
歳は40代頃で、黒系のスーツを着ていた。
と、そこへ、似たような風体の男が入って来る。
まるで昔のヤクザのように肩で風を切り、威圧感をダダ漏れさせてたその男は先客のスーツの男の隣に座った。
どうやら、知り合いであるようだ。
白髪の混じった60歳くらいのマスターはその男の威圧感に呆気に取られていたが、すぐに落ち着きを取り戻し、笑みを浮かべた。
マスター:「いらっしゃいませ。ご注文は?」
男は煙草に火を点けながら、マスターに言った。
男A:「カルピスソーダの甘酢あんかけ」
ズコーッ!!(店内の客とマスター、全員がズッコケる)
男B:「おい!」
男A:「失敬。エスプレッソ」
マスター:「か、かしこまりました」
マスターはすぐにコーヒーを入れた。
男Bは既に注文していたコーヒーカップを口に運ぶ。
男B:「……それで、首尾の方は?」
男A:「その前に……」
男Aはメモ書きを男Bに渡した。
そこには、こう書いてあった。
『一応、念の為に報告は暗号で行います』
男B:「よし。分かった」
男A:「それでは……コホン。大地揺るがす足音は」
男B:「なにっ?」
男A:「広宣流布の大行進」
男B:「それで、何だって?」
男A:「末法濁悪、直中に」
男B:「おい、ウソだろ?」
男A:「苦悩の民を救わんと、仏の軍勢今ぞ立つ」
男B:「マジかよ?」
男A:「全て事実です」
男B:「よし、分かった。この事は全て官邸に報告しておく。お前は更なる調査を続けるんだ。分かったな?」
男A:「了解」
カチン!🎬
雲羽:「はい、カット!良かったよ!」
KAITO:「上手く行けて良かったです」
神威がくぽ:「同感。一発OKとは、KAITO殿も男優が板についてきたな」
KAITO:「いえいえ」
多摩:「次のシーンは、そこへ暴走ガイノイドがマシンガンを乱射しながら乱入して来る所、行こうか」
シンディ:「ちょっと!何でアタシがその役なの!?用途外だって言ってんじゃん!」
KAITO:「ベストチョイスのような気がしますが……」
シンディ:「ああッ!?てめ、今何つった、コラ!?」
シンディは右手を再び換装されたマシンガンに変形させた。
KAITO:「絶対向いてますって!」
[同日同時刻 天候:曇 北海道某所]
長閑な農場地帯を2人の老夫婦が軽トラで走っている。
農夫:「今年は雪少なかったから、早めに畑仕事ができそうだな」
農婦:「そうだね」
農夫:「今年は豊作になんべ」
キキッと軽トラを止めて、2人は自分達の畑の中に入って行く。
まだ雪が軽く積もっているような状態であるが、様子を見に来ただけだろうか。
農夫:「この辺は何年も耕してねー所だ。そろそろ土も肥えたべから、今年はここでやるべ」
農婦:「だいぶ休ませたからねー」
農夫:「軽く掘ってみっから、クワ取ってけろ」
農婦:「あいよ」
農夫がクワで土を掘り返していたところ、何か固いものに当たった。
農夫:「んな?こんなとこさ、石でも埋まって……おりゃ?何だべ、これ?」
畑に埋まっていたのは、何だか小型ロケットのような形をした金属であった。
同じ頃、その現場に向かう特殊部隊のような恰好をした5人ほどの男達がいた。
隊員A:「隊長、例の爆弾はこんな北海道の荒野に?」
隊長:「うむ、そうだ。何しろ、こんな広大な北海道の荒地だからな。無知な民間人がたまたま偶然掘り起こして発見した、なんて映画みたいな展開は恐らく無いだろうが、一応注意しててくれ。一応な」
隊員B:「まさか、旧日本軍が終戦直後のドサグサに紛れて化学爆弾を埋めていたなんて驚きです」
隊長:「シッ!バカ!声がでかい!いいか?こんなことが世間に知られてみろ?ただでさえ平和ボケ……もとい、平和主義の団体が大騒ぎするぞ?」
隊員C:「政府からの指令は、極秘裏にその爆弾を発見し、処理することですね」
隊長:「そういうことだ。分かったら、絶対に他言無用だぞ。分かったな?」
そんなこんなで進軍する特殊部隊。
隊長:「確か、報告によると、件の物はあの辺に埋まっているということだが……ああっ!?」
隊員A:「どうしました、隊長!?」
隊長は信じられないといった顔で、自分が見てしまった光景を指さした。
それを見た他の隊員達も驚愕を隠しきれない。
隊員A:「ぶっ!」
隊員B:「む、無知な民間人が!?」
隊員C:「おわぁお!」
隊員D:「!!!」
老夫婦達がロケットの形をした爆弾を掘り起こして、農機具でそれをカンカンと叩いていた。
隊員A:「どうします、隊長?追い返しますか?」
隊長:「ま、待て。もうしばらく様子を見てみよう。この様子だと、恐らくただ単にこれから耕作する予定の農地の様子を見に来ただけといったところだろう。しばらくしたら帰るかもしれん。とにかく、余計な波風を立てるわけにはいかん」
隊員A:「は、はい」
だが、老夫婦は部隊員達予想外の行動に出る。
農夫:「母ちゃん、その先っぽ叩いてみろ」
農婦:「あいよ」
隊員A:「あっあっあーっ!信管をーっ!?」
農婦は鍬で思いっ切り信管部分を叩こうとしたが、手がすっぽ抜けて農夫に当たってしまう。
農夫:「おごっ!?」
農婦:「あ、ゴメン、父ちゃん。手が滑ったw」
隊員B:「隊長、マジやばくねっスか!?」
隊長:「待て、慌てるな!今出て行ったら、確実に俺達は怪しい者だ!」
だが、農夫は更に驚愕の行動に出る。
農夫:「んな?先っぽが取れ掛かってんぞ」
農夫は信管のカバーを取ってしまった。
爆弾ならそれだけで爆発しそうなものだが、さすがにそこは70年以上も前のもの。
そう簡単に爆発はしないようだ。
隊員C:「隊長!これ以上はもう耐えらません!」
隊員D:「どうか、ご指示を!」
隊長:「う、うむ。分かった。あの老人達を追い返そう。但し、あくまで穏便にな。いいか?まずはにこやかに出て行くんだ。あとは俺に合わせてくれ」
隊員A:「分かりました!」
特殊部隊員達は作戦を開始した。
隊長:「や、やあ、どうも、御老人。こんにちは」
農夫:「んな?」
隊長:「あ、私達は別に怪しい者ではありません。ただ、ワケがありまして、これを欲しくて取りに来たものです」
農夫:「これ、あんた達のモンか」
隊長:「ま、まあ、そんなところです。それで御老人、1つ取り引きをしませんか?」
農夫:「取り引き?」
隊長:「はい。あなた達は、たまたまこの畑の様子を見に来ただけとお見受けします」
農夫:「んだ」
隊長:「それだけに留めて頂きたいのです。つまり……これを見なかったことにして頂きたいのです」
農夫:「んな?」
隊長:「その代わり、できるだけのことをさせて頂きます。欲しい物を差し上げます」
農夫:「欲しい物だ?」
隊長:「そうです。何でもいいんです。庭付きの家とか、高級外車とか、AKBの1人や2人とか」
農夫:「そうじゃのぅ……」
この老夫婦が何を望んだのかはご想像にお任せするとして、どうやら取引が成立したようだ。
翌日、全国紙にはただ単に第二次大戦中の普通の爆弾が発見され、自衛隊によって回収・処理されたということが報道された。
しかし、その老夫婦が発見した爆弾、実ははっきり言ってどうでも良かったかもしれない。
自衛隊でも発見できなかった、化学爆弾よりももっと恐ろしい物がその近くに埋まっていたのだから……。
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