[10月5日10:30.天候:晴 東京都墨田区菊川 愛原学探偵事務所]
高橋:「金庫があっただろ。部屋ん中に」
高野:「セーフティボックスね。でも結局、使わなかったじゃない」
愛原:「うーん……あったかなぁ……」
高橋:「先生、記憶が?」
愛原:「いや……ダメだな」
私達のやり取りを見て善場氏が大きく頷いた。
善場:「そうなんですよ。あのセーフティボックスがミソなんです」
高野:「えっ?」
善場:「あの中には、ある物が隠されていたんですよ。それを愛原さん達が発見し、回収したものだとテロ組織は見たようですね」
高野:「結局使わなかったから、あの金庫は開けませんでしたよ?」
善場:「それが誤算だったんです。テロ組織にとっても、私達にとっても」
高橋:「海の藻屑になっちまったからな。そう簡単に見つかるもんか?」
善場:「それをやってみたいと思うんですよ。とにかく、御協力感謝します」
愛原:「ある物って何ですか?」
善場:「鍵です」
愛原:「鍵!?」
高野:「私達にそれを渡そうとした『リサ・トレヴァー』は、私達に何を望んでいたのかしら?」
善場:「それはまだ調査中です」
愛原:「あの、善場さん。もしかして、私達もその沈没船探索について来いというんじゃ?」
善場:「それはこちらにお任せください。ただ、その後の探索結果によっては更なるご協力を要請するかもしれません」
愛原:「更なる協力?」
高橋:「先生をコキ使おうとはいい度胸だな?」
善場:「もちろん、報酬はお支払い致します」
善場は席を立った。
入口まで見送る私達。
事務所の外の共用廊下には、善場氏の部下と思しき黒服が警備に当たっていた。
すぐにエレベーターが呼び出され、それで下りて行った。
再び事務所に戻り、そこから通りに面した窓から下を見ると、シルバーのミニバンに乗り込む善場氏らの姿があった。
多分あの車の窓ガラスは防弾仕様になっているのだろう。
愛原:「くそっ、何だか俺だけが除け者だな」
高野:「先生は記憶を無くされているのだから、仕方ありませんよ」
高野君は応接室の片付けを始めた。
愛原:「それにしても、リサって2人以上いたんだな?」
高橋:「2番だか4番だか呼ばれてましたからね。何だかんだ言って量産されたのかもしれないですね」
愛原:「マジか。マグナムも効かないBOWがウジャウジャと……」
高橋:「大丈夫ですよ。俺がボコボコにボコしてみせます!」
いや、だからボコボコにボコしてもすぐに何度でも復活してくるから厄介なBOWだなと言っているのだが……。
私が聞いたアメリカのオリジナル版は動きが遅いそうだが、私が世話している日本人版のリサは運動神経も抜群だという。
高橋:「それにしてもあの女、俺達を上手いこと利用する気満々ですよ」
愛原:「善場さん達は、うちの事務所のクライアントさんのようなものだからしょうがない」
実際、報酬はもらっているわけだし。
そのうち、また命懸けの依頼でも来るのだろうな。
私立探偵は民間人だから、お役所の民間委託というロクでもない……ゲフンゲフン。
[同日15:00.天候:晴 東京墨田区某所 学校法人『東京中央学園』墨田中学校]
全ての授業が終わり、リサは同じ班のクラスメートと共に教室の掃除をやっていた。
斉藤:「……それで、ゴミを集め終わったら、これをゴミ集積場に持って行くの」
リサ:「ふんふん」
斉藤絵恋はリサに付きっ切りで、教室掃除の仕方を教えていた。
リサはBOWに改造される前の記憶がほとんど無い。
その為、小学校の時の記憶が無いのである。
因みに知識や知能は研究所にいた時に、一通り付けられたらしい。
BOW改造のせいなのか、或いは元々そうだったのか、知能指数はずば抜けて高く、一度見聞きしたものを全て簡単に覚えてしまえる特長があった。
斉藤:「今日は週末だからゴミが溜まってて、1番重いから気をつけてね」
リサ:「うん、分かった」
そのやり取りを見ていた他のクラスメート達は……。
男子生徒A:(きっと、『アンタは新入りなんだからゴミ運びは全部あなたがやるのよ!』とか言うな、きっと)
男子生徒B:(教えるだけ教えて、『あとは全部やっといて』とか言うパティーン……)
女子生徒A:(絶対後で愛原さんに押し付けて帰るつもりね)
女子生徒B:(愛原さん、また泣いちゃうよ。そしたら、さすがに今度は斉藤さんにガツンと言ってやろう)
などと、けして斉藤に良いイメージを持っていなかった。
斉藤:「それじゃ……」
斉藤の説明が終わり、教室内にいたクラスメート達が身構えた。
斉藤:「一緒に行きましょう。今度はゴミ集積場の場所を教えてあげる」
リサ:「うん」
ザワッ……!
斉藤:「ん?なに?……あ、そうそう。1つは私が持つね」
リサ:「うん」
ザワザワ!ザワザワ!
斉藤:「な、なに?急に騒がしくなったわねぇ……」
リサ:「知らない。全然知らない」
斉藤とリサはゴミ袋を手に、教室を出て行った。
男子生徒A:「お、おい!今の見たか!?」
男子生徒B:「見た見た!新たな『学校の怪談』の始まりだぜ!?」
女子生徒A:「うそ……あの斉藤さんが?」
女子生徒B:「真面目にゴミ袋を持って行ってる!?」
男子生徒C:「明日、雪降るんじゃね?」
女子生徒C:「そ、そういえばまた台風が発生したなんて予報があったような気が……」
男子生徒D:「その台風、東京に直撃たぜ、きっと」
クラスメート達の噂をよそに、リサにベッタリくっつくようにして廊下を歩く斉藤。
斉藤:「リサさん、この私が一緒に行ってあげてるんだから感謝しなさいよ」
リサ:「うん、ありがとう、サイトー。優しい」
斉藤:(も、萌ぇぇぇぇぇぇっ!)
と、一瞬悶絶しかかる斉藤。
斉藤:「あ、ここよ、ここ」
リサ:「焼却炉?」
斉藤:「昔はね。だけど、環境問題がどうとかで、だいぶ昔に使われなくなったらしいの。今は単なるゴミ集積場よ」
リサ:「ふーん……」
リサはジッと焼却炉の方を見つめていた。
斉藤:「どうかしたの?そんなに珍しい?リサさんの中学……あ、いや、霧生市のバイオハザードで大怪我をして、ずっと入院してたんだよね。ゴメンね」
リサは霧生市のバイオハザードに巻き込まれ、大怪我したのとウィルスの治療の為に長期間入院していたという説明がこの学校ではされている。
リサ:(何かいる?気のせい?)
斉藤:「さ、早いとこ教室に戻ろう。ここ、あんまり気持ちのいい所じゃないし」
リサ:「うん」
リサ達はゴミ袋を集積場の前に置くと、その足で教室に戻った。
高橋:「金庫があっただろ。部屋ん中に」
高野:「セーフティボックスね。でも結局、使わなかったじゃない」
愛原:「うーん……あったかなぁ……」
高橋:「先生、記憶が?」
愛原:「いや……ダメだな」
私達のやり取りを見て善場氏が大きく頷いた。
善場:「そうなんですよ。あのセーフティボックスがミソなんです」
高野:「えっ?」
善場:「あの中には、ある物が隠されていたんですよ。それを愛原さん達が発見し、回収したものだとテロ組織は見たようですね」
高野:「結局使わなかったから、あの金庫は開けませんでしたよ?」
善場:「それが誤算だったんです。テロ組織にとっても、私達にとっても」
高橋:「海の藻屑になっちまったからな。そう簡単に見つかるもんか?」
善場:「それをやってみたいと思うんですよ。とにかく、御協力感謝します」
愛原:「ある物って何ですか?」
善場:「鍵です」
愛原:「鍵!?」
高野:「私達にそれを渡そうとした『リサ・トレヴァー』は、私達に何を望んでいたのかしら?」
善場:「それはまだ調査中です」
愛原:「あの、善場さん。もしかして、私達もその沈没船探索について来いというんじゃ?」
善場:「それはこちらにお任せください。ただ、その後の探索結果によっては更なるご協力を要請するかもしれません」
愛原:「更なる協力?」
高橋:「先生をコキ使おうとはいい度胸だな?」
善場:「もちろん、報酬はお支払い致します」
善場は席を立った。
入口まで見送る私達。
事務所の外の共用廊下には、善場氏の部下と思しき黒服が警備に当たっていた。
すぐにエレベーターが呼び出され、それで下りて行った。
再び事務所に戻り、そこから通りに面した窓から下を見ると、シルバーのミニバンに乗り込む善場氏らの姿があった。
多分あの車の窓ガラスは防弾仕様になっているのだろう。
愛原:「くそっ、何だか俺だけが除け者だな」
高野:「先生は記憶を無くされているのだから、仕方ありませんよ」
高野君は応接室の片付けを始めた。
愛原:「それにしても、リサって2人以上いたんだな?」
高橋:「2番だか4番だか呼ばれてましたからね。何だかんだ言って量産されたのかもしれないですね」
愛原:「マジか。マグナムも効かないBOWがウジャウジャと……」
高橋:「大丈夫ですよ。俺がボコボコにボコしてみせます!」
いや、だからボコボコにボコしてもすぐに何度でも復活してくるから厄介なBOWだなと言っているのだが……。
私が聞いたアメリカのオリジナル版は動きが遅いそうだが、私が世話している日本人版のリサは運動神経も抜群だという。
高橋:「それにしてもあの女、俺達を上手いこと利用する気満々ですよ」
愛原:「善場さん達は、うちの事務所のクライアントさんのようなものだからしょうがない」
実際、報酬はもらっているわけだし。
そのうち、また命懸けの依頼でも来るのだろうな。
私立探偵は民間人だから、お役所の民間委託というロクでもない……ゲフンゲフン。
[同日15:00.天候:晴 東京墨田区某所 学校法人『東京中央学園』墨田中学校]
全ての授業が終わり、リサは同じ班のクラスメートと共に教室の掃除をやっていた。
斉藤:「……それで、ゴミを集め終わったら、これをゴミ集積場に持って行くの」
リサ:「ふんふん」
斉藤絵恋はリサに付きっ切りで、教室掃除の仕方を教えていた。
リサはBOWに改造される前の記憶がほとんど無い。
その為、小学校の時の記憶が無いのである。
因みに知識や知能は研究所にいた時に、一通り付けられたらしい。
BOW改造のせいなのか、或いは元々そうだったのか、知能指数はずば抜けて高く、一度見聞きしたものを全て簡単に覚えてしまえる特長があった。
斉藤:「今日は週末だからゴミが溜まってて、1番重いから気をつけてね」
リサ:「うん、分かった」
そのやり取りを見ていた他のクラスメート達は……。
男子生徒A:(きっと、『アンタは新入りなんだからゴミ運びは全部あなたがやるのよ!』とか言うな、きっと)
男子生徒B:(教えるだけ教えて、『あとは全部やっといて』とか言うパティーン……)
女子生徒A:(絶対後で愛原さんに押し付けて帰るつもりね)
女子生徒B:(愛原さん、また泣いちゃうよ。そしたら、さすがに今度は斉藤さんにガツンと言ってやろう)
などと、けして斉藤に良いイメージを持っていなかった。
斉藤:「それじゃ……」
斉藤の説明が終わり、教室内にいたクラスメート達が身構えた。
斉藤:「一緒に行きましょう。今度はゴミ集積場の場所を教えてあげる」
リサ:「うん」
ザワッ……!
斉藤:「ん?なに?……あ、そうそう。1つは私が持つね」
リサ:「うん」
ザワザワ!ザワザワ!
斉藤:「な、なに?急に騒がしくなったわねぇ……」
リサ:「知らない。全然知らない」
斉藤とリサはゴミ袋を手に、教室を出て行った。
男子生徒A:「お、おい!今の見たか!?」
男子生徒B:「見た見た!新たな『学校の怪談』の始まりだぜ!?」
女子生徒A:「うそ……あの斉藤さんが?」
女子生徒B:「真面目にゴミ袋を持って行ってる!?」
男子生徒C:「明日、雪降るんじゃね?」
女子生徒C:「そ、そういえばまた台風が発生したなんて予報があったような気が……」
男子生徒D:「その台風、東京に直撃たぜ、きっと」
クラスメート達の噂をよそに、リサにベッタリくっつくようにして廊下を歩く斉藤。
斉藤:「リサさん、この私が一緒に行ってあげてるんだから感謝しなさいよ」
リサ:「うん、ありがとう、サイトー。優しい」
斉藤:(も、萌ぇぇぇぇぇぇっ!)
と、一瞬悶絶しかかる斉藤。
斉藤:「あ、ここよ、ここ」
リサ:「焼却炉?」
斉藤:「昔はね。だけど、環境問題がどうとかで、だいぶ昔に使われなくなったらしいの。今は単なるゴミ集積場よ」
リサ:「ふーん……」
リサはジッと焼却炉の方を見つめていた。
斉藤:「どうかしたの?そんなに珍しい?リサさんの中学……あ、いや、霧生市のバイオハザードで大怪我をして、ずっと入院してたんだよね。ゴメンね」
リサは霧生市のバイオハザードに巻き込まれ、大怪我したのとウィルスの治療の為に長期間入院していたという説明がこの学校ではされている。
リサ:(何かいる?気のせい?)
斉藤:「さ、早いとこ教室に戻ろう。ここ、あんまり気持ちのいい所じゃないし」
リサ:「うん」
リサ達はゴミ袋を集積場の前に置くと、その足で教室に戻った。
先ほど確認しました。
URLだけのリンクより、分かりやすくなったと思います。
モモさん、あのコメント欄のカード内のアイキャッチ画像か「ガリュー | ラインアップ | 光岡自動車」の部分をクリックしていただけると光岡自動車のHPに飛びますよ。(^.^)
埼玉や東京も朝晩はだいぶ寒くなりました。
もっとも、昼間はまだまだ暖かいですが。
京都は涼しいですかね。
>F屋さんのブログ、遂に終わるのですか?
らしいですね。
まあ、何があったかは分かりませんが。
>それから。御勧誡されるのですか?
トチローさんの導きなら大丈夫かな?
「よも今年は過ごし候はじ」ですよw
諸事情があって報恩坊を飛び出したわけですが、もう無宗派でいる理由も無いわけですから。
>私も御祈念いたします。
え?不良信徒のはいらね?(笑)
ありがとうございます。
いえいえ、本当にありがたいですよ。
>もうほんま、クタクタですわ。ブログ更新する気にもならね~。
あ、そこらの呟きを(ボヤキ?)書けばいいんだ。
私みたいに長い文である必要は無いわけですからね。
あと、何ならツイッターに切り替えるという手もありますしね。
どうぞまたお気軽にお越しください。
物凄いご無沙汰お許しをm(__)m
知らない内に時は過ぎ、色んな事があったんですね。
F屋さんのブログ、遂に終わるのですか?
まぁあんなしつこいのも、嫌ですけど(笑)
それから。御勧誡されるのですか?
トチローさんの導きなら大丈夫かな?
私も御祈念いたします。
え?不良信徒のはいらね?(笑)
そうかも知れない(≧∇≦)もうほんま、クタクタですわ。ブログ更新する気にもならね~。
あ、そこらの呟きを(ボヤキ?)書けばいいんだ。
めっきり朝晩の冷え込みを感じる時期になりました。
体調管理にはくれぐれもお気をつけて。
また覗きに参ります。
確かに私が光岡自動車・ガリューの公式サイトのURLを貼り付けたら、最初はそれだけだったのに、今ではその冒頭部分が見えるようになってますね。
これは便利だと思います。
>次の御開扉にはモモさんと一緒にお目通り出来るよう御祈念してきますね。
今日は月曜日ですが、トチロ〜さんも平日に御開扉を受けられることがあるのですね。
私は仕事上むしろ平日が動きやすいクチですが、平日の方が御山も静かでいいと思いますよ。
私如きの為に御祈念頂いて、ありがとうございます。
次に一緒に御開扉に参加できる日……それはイコール、私が御勧誡を受ける日ということですね。
スマホから打ち込んでいたので間違ってしまいました。
PHPのバージョンアップと、SSL化をしたかった(あのままでは何か突発的な事態が起きたときに壊滅的な打撃を受ける状態でした。)のですが、現在借りていたサーバーでは対応出来なくて、サーバーの引っ越しからしてたもので何やかやとご迷惑をお掛けしておりました。
テーマ(サイトの基本的デザイン等)もバージョンアップしましたので、使う側としても少し使いやすくなっているのではないかと思います。
先日投稿して下さったコメントも、「文章→(改行)→URL→(改行)→文章」と打ち込むとURLにリンクが貼られ、あのようにカードとして反映されるようになります。
今後はそういった機能も上手く使って頂けると少し変わったコメントが出来るかと思います。
話は変わりまして、これから御開扉を受けて来ますので、次の御開扉にはモモさんと一緒にお目通り出来るよう御祈念してきますね。
もっとも、スマホ上ではそんなに大きく変わった所は見られない。
PCではどうか、帰ったら確認してみよう。
何があったのかは知らんが、それに対するK月S楽さんのコメントは気になるところ。
実はこれが期待していた回答でして。
“バイオハザードリベレーションズ”でも、船内に仕掛けられた金庫を手に入れたカードキーを解錠し、中にあるアイテムを手に入れるというものがあります。
それを参考にしました。
但し、“バイオハザード7”では、金属溶解液を流し込んでこじ開けるという身も蓋もない流れになっていますw