[3月8日15時15分 天候:晴 静岡県御殿場市神山 駒門パーキングエリア下り線]
私達は足柄サービスエリアの次の休憩地、駒門パーキングエリアに入った。
パーキングエリアとしてはやや広め敷地であり、2017年に旧場所より移転した為、建物などはまだ新しい。
さすがにガソリンスタンドは無い。
まだ善場主任から連絡は無く、私達はここで休憩することにした。
足柄サービスエリアより、こちらの方が空いている。
高橋「あっ、ヤベ!」
愛原「どうした?」
高橋「タバコ切らしたの、忘れてました。ちょっと買ってきます」
愛原「ああ。俺も外に出てよう」
このパーキングエリアには、コンビニのローソンが入居している。
タバコはそこで買えるだろう。
私も手持ちが少なくなったので、少し現金を確保しようとコンビニのATMに行こうと思った。
愛原「おー、富士山がよく見えるなぁ」
高橋「そうっスね」
私と高橋は建物の中に入った。
下り線にはコンビニの他に、フードコートもある。
高橋は真っ直ぐレジに行き、私はATMに向かった。
ATMはすぐに使えたが、レジは少し混んでいるようなので、時間が掛かりそうだ。
私は先に店を出た。
それにしても、富士山がきれいだ。
???「富士山の見える所まで、ご苦労さんなこった」
外側のベンチに座る老人、そして聞き覚えのある声。
私がベンチの方を見ると……。
愛原公一「よお」
愛原学「公一伯父さん!?」
そこには公一伯父さんがいた。
学「どうしてここへ!?」
公一「ヒッチハイクぢゃ」
公一伯父さんは、建物の後ろの方を指さした。
実はこの駒門パーキングエリア、一般道と共用である。
建物の裏手には、国道246号線に面した駐車場があるのだ。
学「う、ウソだぁ~」
公一「ま、信じるかそうでないかは、学次第じゃ」
おおかた、“青いアンブレラ”の関係者にでも乗せてきてもらったのだろう。
公一「何か、新しい情報は手に入ったかね?」
学「俺達は栗原蓮華を追っているんだ。足柄サービスエリアで車を乗り換えた所までは分かったんだけど、そこからどこへ向かったのかまでは分かんないんだ」
公一「なるほど……。これは一般論しゃが、元人間の鬼は、時折人間だった頃の習慣を真似る癖があるそうじゃ。人間だった頃の歳が上であればあるほどな」
学「それで?」
公一「栗原家は代々、法華経を行ずる寺の信徒だったのじゃろう?かつては鹿島神宮の氏子じゃったらしいが……」
学「らしいね」
公一「信徒だった頃の記憶が戻り、総本山参りにでも向かったのではないかね?」
学「やっぱりそう思うか……」
静岡県富士宮市にある大石寺だ。
しかし、こんな真っ昼間から参詣しているとは思えないけどな。
学「どうも蓮華は昼間は行動できないみたいなんだ」
公一「昼間はどこかに隠れていると見えるな。もちろん、日の当たらない所じゃ」
と、その時、私のスマホに着信があった。
画面を見ると……。
学「デイライトの善場主任だよ」
公一「ほー!」
私は電話に出た。
学「もしもし?愛原です」
善場「愛原所長、お疲れさまです。善場です。例の黒い車の事ですが、目撃情報を掴みました」
学「それはどこですか?」
私は富士宮市だと思っていた。
ところが……。
善場「愛鷹で降りたようです」
学「愛鷹?」
善場「所長方は今、GPSによると、駒門パーキングエリアでお休みのようですね?」
学「そうです」
善場「その次のパーキングエリアです。で、そこにはスマートインターチェンジがあります。ETC搭載の車しか出入りできないインターですね」
学「それは知っていますが……」
善場「どうも、そこから東名高速を降りたようなのです」
学「えっ!?」
まだ御殿場市だろう?いや、沼津市か?
とにかく、まだ富士市でもないのに高速を降りるとは……。
学「高速を降りて、そこから先はどこに向かったのでしょうか?」
善場「申し訳ありません。そこまでは、まだ分かりません。何しろ、真夜中だったので、目撃情報も少ないのですよ」
蓮華を乗せた車は簡単に特定できたらしいが、それが愛鷹SICから降りたと分かったのは、そこに付いていた監視カメラの映像と、ETCの通行履歴からである。
あいにくとカメラは、その先までは映していない為、そこから車がどこ方面へ向かったかまでは分からないという。
学「分かりました。取りあえず、愛鷹付近を捜索してみることにします」
善場「お手数お掛けします。何か分かりましたら、また御連絡させて頂きます」
善場主任は電話を切った。
学「伯父さん、蓮華はどうやら次の愛鷹で降りたみたいだよ?」
公一「ふーむ……。これは誤算じゃったのう……。ちょっと確認してくるから、またどこかで会おう、明智君」
学「いや、あんたの甥っ子だよ!」
公一伯父さんは、建物の中へと消えて行った。
高橋「何で博士がここに?」
学「おおかた、俺達を追って来たんだろうさ。さて、どうする?」
高橋「とにかく、次の愛鷹に行ってみましょう」
学「それしか無いな」
私達は再び車に乗り込み、それから車を出した。
高橋「俺、1つ思ったんスけど……」
愛原学「何だ?」
高橋が車を走らせながら言った。
高橋「愛鷹で降りたのは、蓮華とヤるつもりだったんじゃないでしょうか?どうせそれ目的で、あいつのヒッチハイクに応じたんでしょうから」
愛原「なるほどな。ラブホに連れ込んだのか?」
高橋「いや、違うと思います」
愛原「違う?」
高橋「俺、もしもこの車が満タン状態で東京を出発したなら、給油はなるべく事務所の近くで入れたいと思うんスよ」
愛原「……それって、まさか!?」
そして、蓮華を乗せた車は地元の『富士山』ナンバー。
愛原「ラブホじゃなく、家に連れ込んだってことか!?」
高橋「……か、もしくは普段、溜まり場にしている場所……例えば、俺達のチームのように、寂れたドライブインとか」
愛原「そういうことか!……でも蓮華は、それに応じるかな?」
高橋「化け物の考えることなんか、人間の俺達には理解できないっスよ」
愛原「それもそうだな」
取りあえず一旦、愛鷹パーキングエリアに移動してみることにした。
私達は足柄サービスエリアの次の休憩地、駒門パーキングエリアに入った。
パーキングエリアとしてはやや広め敷地であり、2017年に旧場所より移転した為、建物などはまだ新しい。
さすがにガソリンスタンドは無い。
まだ善場主任から連絡は無く、私達はここで休憩することにした。
足柄サービスエリアより、こちらの方が空いている。
高橋「あっ、ヤベ!」
愛原「どうした?」
高橋「タバコ切らしたの、忘れてました。ちょっと買ってきます」
愛原「ああ。俺も外に出てよう」
このパーキングエリアには、コンビニのローソンが入居している。
タバコはそこで買えるだろう。
私も手持ちが少なくなったので、少し現金を確保しようとコンビニのATMに行こうと思った。
愛原「おー、富士山がよく見えるなぁ」
高橋「そうっスね」
私と高橋は建物の中に入った。
下り線にはコンビニの他に、フードコートもある。
高橋は真っ直ぐレジに行き、私はATMに向かった。
ATMはすぐに使えたが、レジは少し混んでいるようなので、時間が掛かりそうだ。
私は先に店を出た。
それにしても、富士山がきれいだ。
???「富士山の見える所まで、ご苦労さんなこった」
外側のベンチに座る老人、そして聞き覚えのある声。
私がベンチの方を見ると……。
愛原公一「よお」
愛原学「公一伯父さん!?」
そこには公一伯父さんがいた。
学「どうしてここへ!?」
公一「ヒッチハイクぢゃ」
公一伯父さんは、建物の後ろの方を指さした。
実はこの駒門パーキングエリア、一般道と共用である。
建物の裏手には、国道246号線に面した駐車場があるのだ。
学「う、ウソだぁ~」
公一「ま、信じるかそうでないかは、学次第じゃ」
おおかた、“青いアンブレラ”の関係者にでも乗せてきてもらったのだろう。
公一「何か、新しい情報は手に入ったかね?」
学「俺達は栗原蓮華を追っているんだ。足柄サービスエリアで車を乗り換えた所までは分かったんだけど、そこからどこへ向かったのかまでは分かんないんだ」
公一「なるほど……。これは一般論しゃが、元人間の鬼は、時折人間だった頃の習慣を真似る癖があるそうじゃ。人間だった頃の歳が上であればあるほどな」
学「それで?」
公一「栗原家は代々、法華経を行ずる寺の信徒だったのじゃろう?かつては鹿島神宮の氏子じゃったらしいが……」
学「らしいね」
公一「信徒だった頃の記憶が戻り、総本山参りにでも向かったのではないかね?」
学「やっぱりそう思うか……」
静岡県富士宮市にある大石寺だ。
しかし、こんな真っ昼間から参詣しているとは思えないけどな。
学「どうも蓮華は昼間は行動できないみたいなんだ」
公一「昼間はどこかに隠れていると見えるな。もちろん、日の当たらない所じゃ」
と、その時、私のスマホに着信があった。
画面を見ると……。
学「デイライトの善場主任だよ」
公一「ほー!」
私は電話に出た。
学「もしもし?愛原です」
善場「愛原所長、お疲れさまです。善場です。例の黒い車の事ですが、目撃情報を掴みました」
学「それはどこですか?」
私は富士宮市だと思っていた。
ところが……。
善場「愛鷹で降りたようです」
学「愛鷹?」
善場「所長方は今、GPSによると、駒門パーキングエリアでお休みのようですね?」
学「そうです」
善場「その次のパーキングエリアです。で、そこにはスマートインターチェンジがあります。ETC搭載の車しか出入りできないインターですね」
学「それは知っていますが……」
善場「どうも、そこから東名高速を降りたようなのです」
学「えっ!?」
まだ御殿場市だろう?いや、沼津市か?
とにかく、まだ富士市でもないのに高速を降りるとは……。
学「高速を降りて、そこから先はどこに向かったのでしょうか?」
善場「申し訳ありません。そこまでは、まだ分かりません。何しろ、真夜中だったので、目撃情報も少ないのですよ」
蓮華を乗せた車は簡単に特定できたらしいが、それが愛鷹SICから降りたと分かったのは、そこに付いていた監視カメラの映像と、ETCの通行履歴からである。
あいにくとカメラは、その先までは映していない為、そこから車がどこ方面へ向かったかまでは分からないという。
学「分かりました。取りあえず、愛鷹付近を捜索してみることにします」
善場「お手数お掛けします。何か分かりましたら、また御連絡させて頂きます」
善場主任は電話を切った。
学「伯父さん、蓮華はどうやら次の愛鷹で降りたみたいだよ?」
公一「ふーむ……。これは誤算じゃったのう……。ちょっと確認してくるから、またどこかで会おう、明智君」
学「いや、あんたの甥っ子だよ!」
公一伯父さんは、建物の中へと消えて行った。
高橋「何で博士がここに?」
学「おおかた、俺達を追って来たんだろうさ。さて、どうする?」
高橋「とにかく、次の愛鷹に行ってみましょう」
学「それしか無いな」
私達は再び車に乗り込み、それから車を出した。
高橋「俺、1つ思ったんスけど……」
愛原学「何だ?」
高橋が車を走らせながら言った。
高橋「愛鷹で降りたのは、蓮華とヤるつもりだったんじゃないでしょうか?どうせそれ目的で、あいつのヒッチハイクに応じたんでしょうから」
愛原「なるほどな。ラブホに連れ込んだのか?」
高橋「いや、違うと思います」
愛原「違う?」
高橋「俺、もしもこの車が満タン状態で東京を出発したなら、給油はなるべく事務所の近くで入れたいと思うんスよ」
愛原「……それって、まさか!?」
そして、蓮華を乗せた車は地元の『富士山』ナンバー。
愛原「ラブホじゃなく、家に連れ込んだってことか!?」
高橋「……か、もしくは普段、溜まり場にしている場所……例えば、俺達のチームのように、寂れたドライブインとか」
愛原「そういうことか!……でも蓮華は、それに応じるかな?」
高橋「化け物の考えることなんか、人間の俺達には理解できないっスよ」
愛原「それもそうだな」
取りあえず一旦、愛鷹パーキングエリアに移動してみることにした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます