[10月18日 午前の部 天候:晴 東京都豊島区内某所 敷島エンター劇場]
第二幕では配役変更。
警備兵(門番)→国家憲兵隊長。
ナレーター:「一夜明けて、国中にお触れが出されました。それはシンデレラに対する呼び掛けでありました」
憲兵A(マリオ):「……そういうわけで、シンデレラを発見次第、直ちに通報せよ!」
憲兵隊長(鏡音レン):「おい、それじゃまるで犯人捜しだよ。殿下のお触れは、あくまで将来、妃殿下と相成られる女性の捜索だ。良いか?発見次第、通報だぞ?犯人みたいに手荒な捕まえ方をするなよ、皆の者!」
憲兵B(ルイージ):「下手に隠し立てしたり、手荒に捕まえた者は第2級国家反逆罪の廉で逮捕する!」
ナレーター:「城下に兵隊を送り、お触れを回らせる一方で、王子様自身も捜索に当たっておりました」
王子:「シンデレラ!シンデレラはどこにいる!?このガラスの靴に合う唯1人の女性はどこだ!」
ナレーター:「ですが、そのガラスの靴を狙う者達がいたのです」
継母:「フン、ガラスの靴など証拠隠滅してやるわ。……スナイパー、やっておしまい!」
スナイパー:「了解!」
敷島俊介:「ん?キミの秘書が?どこにいる?」
敷島孝夫:「ふっふっふ」
すると、VIPルームのドアが開いた。
シンディ:「はいはい、失礼しまーす!」
俊介:「なにっ!?」
孝夫:「頼むぞ、シンディ」
シンディ:「了解でヤンス!」
シンディ、手には狙撃用のライフルを持っている。
俊介:「なに!?本物だと!?」
孝夫:「シーッ」
シンディ、VIPルームの窓を開け、ステージ上にいるKAITOに銃口を向けた。
スコープで狙う。
KAITO:「シンデレラ!シンデレラはどこだ!?皆、お願いだ!シンデレラを捜すのを手伝ってくれ!」
憲兵隊長:「見つけた者には褒美があるぞ!」
シンディ、一発のライフル弾を放った。
KAITO:「うわっ!」
憲兵隊長:「で、殿下!?」
シンディは、ものの見事にKAITO王子が高く掲げたガラスの靴をピンポイントで撃ち壊した。
俊介:「ほ、本当かね?」
孝夫:「さすがはスナイパーだな」
シンディ:「お褒めに預かりまして。……あー、もしもし。成功報酬はスイス銀行に振り込んどいてくださいね」
継母:「よくやった。感謝するよ」
シンディの役はこれだけなので、あまり目立たない役になってしまった。
だがシンディにとっては……。
シンディ:「それじゃ、失礼しました」
俊介:「何だかスッキリした顔だね」
孝夫:「国家公安委員会から銃器取り外し命令を受けて以来のライフル使用でしたからね」
俊介:「……待て」
シンディ:「はい?」
俊介:「今日はたまたま私と孝夫がここを使っているから良いものの、千秋楽までの間にこの部屋で観劇するお偉いさんはいるはずだ。もしかして、公演の度にここからライフルを撃つ気かね?」
シンディ:「それが何か?」
シンディは、にこやかに答えた。
孝夫:「一般客席の観客からは、シンディが撃つ所を見ることができません。正に、VIPならではの迫力ですよ」
俊介:「全く。キミ達の手法には、ほんと冷や冷やさせられる」
孝夫:「恐れ入ります」
ナレーター:「継母達はシンデレラを家の奥に監禁していました」
シンデレラ:「お願いです!放してください!私が何をしたって言うんですか!」
継母:「フン、うちのコを出し抜いて何を図々しい。今、お前を王子様に会わせるわけにはいかないのさ」
シンデレラ:「私を王子様に会わせてください!王子様は私をお捜しに……ンブッ!」
義姉、シンデレラに灰をぶっかける。
義姉:「こんなに灰を被っちゃ、王子様にお会いできないでしょ!」
継母:「よくやったわ。てか、家ん中が灰だらけ。地下室へ監禁しておくんだよ!」
義姉:「了解!さあ、さっさと来るんだよ!!」
シンデレラ:「嫌です!放してくださいぃぃぃぃ!」
ナレーター:「意地悪なお義姉さんは、シンデレラのきれいな緑色の髪を掴んで地下室へと連れて行こうとしました。その時、シンデレラの髪留めが片方1つ床に落ちたのです」
継母:「いいこと!?あなたはこの灰を片付けて、何食わぬ顔で庭掃除しておくんだよ!分かったね!?」
メイド(鏡音リン):「かしこまりました。奥様」
ナレーター:「何も知らぬ、メイドさん。まずはお義姉さんがシンデレラに掛けた灰を片付けます。一方その頃、王子様達は……」
憲兵隊長:「ダメです、殿下!こちらの街区にも未来の妃殿下はおられません!」
憲兵B:「まさか、国外逃亡!?」
憲兵A:「バッカ、オメェ!だったら国境警備隊から報告があるべ!」
王子:「一体、どうしたら……」
ナレーター:「その時、憲兵隊長は1人の指名手配犯の似顔絵が目に入りました」
憲兵隊長:「そうだ、似顔絵だ!殿下、ただお触れを出して捜し回るだけでは埒が空きません。似顔絵を描いて、御触書に添えるというのは如何でしょう?」
王子:「そうだな。それはいいアイディアだ。だが、似顔絵描きの出来る者が……」
憲兵A:「できました!」
憲兵B:「同じく!」
王子:「なん……だと?」
ナレーター:「憲兵隊の超高速似顔絵描きにより、新たなお触れが出されました。そして、捜索の手はシンデレラの家の近くにも及んで来ました」
憲兵隊長:「この似顔絵に見覚えのある者は、直ちに通報せよ!隠蔽したり、手荒に連れて来た者は逮捕する!」
メイド:「あれは……?」
ナレーター:「庭掃除をしていたメイドさん、憲兵隊長の捜索の声が聞こえてきました」
憲兵隊長:「美しい緑色のツインテール!濃いピンク色の髪留めを付けている女性を王子様がお捜しです!心当たりの方は直ちに最寄りの兵士まで通報を!」
メイド:「あれは……。ちょっと、すみませーん!」
憲兵隊長:「何か?」
メイド:「濃いピンク色の髪留めって、これでしょうか?」
憲兵隊長:「むっ、これは……!この髪留めを付けていたのは、緑色の髪をした女性でしたか?」
メイド:「はい、そうです」
憲兵隊長:「! その女性の名前、シンデレラと仰いませんか?」
メイド:「はい、そうです!」
憲兵隊長:「その家とは!?」
メイド:「こちらです!」
憲兵隊長:「た、大変だ!すぐに殿下にお知らせせねば!」
ナレーター:「憲兵隊長は急いで乗っていた馬を駆り、王子様の元へ報告に行きました。王子様もその報告を受けて、急いでシンデレラの家に向かったのであります」
シンデレラ:「助けてくださいぃぃぃぃっ!」
継母:「逃げるんじゃない!」
義姉:「今逃げられたら私達、国家反逆罪で島流しよ!」
バンッ!(シンデレラの家の玄関が勢い良く開けられた)
憲兵隊長:「お前達、何をしている!」
王子:「シンデレラを放せ!」
継母:「お、王子様!?」
義姉:「ひぇぇぇっ!!」
ナレーター:「継母とお義姉さんは、第2級国家反逆罪の現行犯で逮捕されました。その後、尖閣諸島へ島流しになったことは言うまでもありません」
王子:「シンデレラ、ずっと捜していたよ。さあ、私と一緒に来ておくれ。そして私の妃となってくれ」
シンデレラ:「いけませんわ。あなた様は将来、この国の王となる御方。対して私は没落貴族の娘です。きっと、お城の人達が許しませんわ」
憲兵隊長:「それでしたら、御心配要りませんよ」
シンデレラ:「隊長さん?」
憲兵隊長:「実は先ほど部下から連絡が入りまして、国王陛下が既に殿下方の結婚式の準備をされておられると……」
王子:「あ、あの父上はーっ……!」
シンデレラ:「それってつまり……?」
王子:「父上が私達の結婚をお認め下さっているということです。国王たる父上の公認なのです。これでもう反対者はいませんよ」
シンデレラ:「ああっ、王子様!」
王子:「シンデレラ。必ずキミを幸せにする。約束するよ。さあ、帰って結婚式の準備だ!」
俊介:「おおっ、ラストはちゃんと感動で終わったね」
孝夫:「ええ。だいぶ、冷や汗かきましたけど……」
尚、楽屋では継母役で最上位機種エミリーを連行するに辺り、憲兵役で下位機種のバージョン5.0であるルイージが後ろから蹴っ飛ばした疑惑が上がり、鋼鉄姉妹による厳しい尋問が行われていたという。
第二幕では配役変更。
警備兵(門番)→国家憲兵隊長。
ナレーター:「一夜明けて、国中にお触れが出されました。それはシンデレラに対する呼び掛けでありました」
憲兵A(マリオ):「……そういうわけで、シンデレラを発見次第、直ちに通報せよ!」
憲兵隊長(鏡音レン):「おい、それじゃまるで犯人捜しだよ。殿下のお触れは、あくまで将来、妃殿下と相成られる女性の捜索だ。良いか?発見次第、通報だぞ?犯人みたいに手荒な捕まえ方をするなよ、皆の者!」
憲兵B(ルイージ):「下手に隠し立てしたり、手荒に捕まえた者は第2級国家反逆罪の廉で逮捕する!」
ナレーター:「城下に兵隊を送り、お触れを回らせる一方で、王子様自身も捜索に当たっておりました」
王子:「シンデレラ!シンデレラはどこにいる!?このガラスの靴に合う唯1人の女性はどこだ!」
ナレーター:「ですが、そのガラスの靴を狙う者達がいたのです」
継母:「フン、ガラスの靴など証拠隠滅してやるわ。……スナイパー、やっておしまい!」
スナイパー:「了解!」
敷島俊介:「ん?キミの秘書が?どこにいる?」
敷島孝夫:「ふっふっふ」
すると、VIPルームのドアが開いた。
シンディ:「はいはい、失礼しまーす!」
俊介:「なにっ!?」
孝夫:「頼むぞ、シンディ」
シンディ:「了解でヤンス!」
シンディ、手には狙撃用のライフルを持っている。
俊介:「なに!?本物だと!?」
孝夫:「シーッ」
シンディ、VIPルームの窓を開け、ステージ上にいるKAITOに銃口を向けた。
スコープで狙う。
KAITO:「シンデレラ!シンデレラはどこだ!?皆、お願いだ!シンデレラを捜すのを手伝ってくれ!」
憲兵隊長:「見つけた者には褒美があるぞ!」
シンディ、一発のライフル弾を放った。
KAITO:「うわっ!」
憲兵隊長:「で、殿下!?」
シンディは、ものの見事にKAITO王子が高く掲げたガラスの靴をピンポイントで撃ち壊した。
俊介:「ほ、本当かね?」
孝夫:「さすがはスナイパーだな」
シンディ:「お褒めに預かりまして。……あー、もしもし。成功報酬はスイス銀行に振り込んどいてくださいね」
継母:「よくやった。感謝するよ」
シンディの役はこれだけなので、あまり目立たない役になってしまった。
だがシンディにとっては……。
シンディ:「それじゃ、失礼しました」
俊介:「何だかスッキリした顔だね」
孝夫:「国家公安委員会から銃器取り外し命令を受けて以来のライフル使用でしたからね」
俊介:「……待て」
シンディ:「はい?」
俊介:「今日はたまたま私と孝夫がここを使っているから良いものの、千秋楽までの間にこの部屋で観劇するお偉いさんはいるはずだ。もしかして、公演の度にここからライフルを撃つ気かね?」
シンディ:「それが何か?」
シンディは、にこやかに答えた。
孝夫:「一般客席の観客からは、シンディが撃つ所を見ることができません。正に、VIPならではの迫力ですよ」
俊介:「全く。キミ達の手法には、ほんと冷や冷やさせられる」
孝夫:「恐れ入ります」
ナレーター:「継母達はシンデレラを家の奥に監禁していました」
シンデレラ:「お願いです!放してください!私が何をしたって言うんですか!」
継母:「フン、うちのコを出し抜いて何を図々しい。今、お前を王子様に会わせるわけにはいかないのさ」
シンデレラ:「私を王子様に会わせてください!王子様は私をお捜しに……ンブッ!」
義姉、シンデレラに灰をぶっかける。
義姉:「こんなに灰を被っちゃ、王子様にお会いできないでしょ!」
継母:「よくやったわ。てか、家ん中が灰だらけ。地下室へ監禁しておくんだよ!」
義姉:「了解!さあ、さっさと来るんだよ!!」
シンデレラ:「嫌です!放してくださいぃぃぃぃ!」
ナレーター:「意地悪なお義姉さんは、シンデレラのきれいな緑色の髪を掴んで地下室へと連れて行こうとしました。その時、シンデレラの髪留めが片方1つ床に落ちたのです」
継母:「いいこと!?あなたはこの灰を片付けて、何食わぬ顔で庭掃除しておくんだよ!分かったね!?」
メイド(鏡音リン):「かしこまりました。奥様」
ナレーター:「何も知らぬ、メイドさん。まずはお義姉さんがシンデレラに掛けた灰を片付けます。一方その頃、王子様達は……」
憲兵隊長:「ダメです、殿下!こちらの街区にも未来の妃殿下はおられません!」
憲兵B:「まさか、国外逃亡!?」
憲兵A:「バッカ、オメェ!だったら国境警備隊から報告があるべ!」
王子:「一体、どうしたら……」
ナレーター:「その時、憲兵隊長は1人の指名手配犯の似顔絵が目に入りました」
憲兵隊長:「そうだ、似顔絵だ!殿下、ただお触れを出して捜し回るだけでは埒が空きません。似顔絵を描いて、御触書に添えるというのは如何でしょう?」
王子:「そうだな。それはいいアイディアだ。だが、似顔絵描きの出来る者が……」
憲兵A:「できました!」
憲兵B:「同じく!」
王子:「なん……だと?」
ナレーター:「憲兵隊の超高速似顔絵描きにより、新たなお触れが出されました。そして、捜索の手はシンデレラの家の近くにも及んで来ました」
憲兵隊長:「この似顔絵に見覚えのある者は、直ちに通報せよ!隠蔽したり、手荒に連れて来た者は逮捕する!」
メイド:「あれは……?」
ナレーター:「庭掃除をしていたメイドさん、憲兵隊長の捜索の声が聞こえてきました」
憲兵隊長:「美しい緑色のツインテール!濃いピンク色の髪留めを付けている女性を王子様がお捜しです!心当たりの方は直ちに最寄りの兵士まで通報を!」
メイド:「あれは……。ちょっと、すみませーん!」
憲兵隊長:「何か?」
メイド:「濃いピンク色の髪留めって、これでしょうか?」
憲兵隊長:「むっ、これは……!この髪留めを付けていたのは、緑色の髪をした女性でしたか?」
メイド:「はい、そうです」
憲兵隊長:「! その女性の名前、シンデレラと仰いませんか?」
メイド:「はい、そうです!」
憲兵隊長:「その家とは!?」
メイド:「こちらです!」
憲兵隊長:「た、大変だ!すぐに殿下にお知らせせねば!」
ナレーター:「憲兵隊長は急いで乗っていた馬を駆り、王子様の元へ報告に行きました。王子様もその報告を受けて、急いでシンデレラの家に向かったのであります」
シンデレラ:「助けてくださいぃぃぃぃっ!」
継母:「逃げるんじゃない!」
義姉:「今逃げられたら私達、国家反逆罪で島流しよ!」
バンッ!(シンデレラの家の玄関が勢い良く開けられた)
憲兵隊長:「お前達、何をしている!」
王子:「シンデレラを放せ!」
継母:「お、王子様!?」
義姉:「ひぇぇぇっ!!」
ナレーター:「継母とお義姉さんは、第2級国家反逆罪の現行犯で逮捕されました。その後、尖閣諸島へ島流しになったことは言うまでもありません」
王子:「シンデレラ、ずっと捜していたよ。さあ、私と一緒に来ておくれ。そして私の妃となってくれ」
シンデレラ:「いけませんわ。あなた様は将来、この国の王となる御方。対して私は没落貴族の娘です。きっと、お城の人達が許しませんわ」
憲兵隊長:「それでしたら、御心配要りませんよ」
シンデレラ:「隊長さん?」
憲兵隊長:「実は先ほど部下から連絡が入りまして、国王陛下が既に殿下方の結婚式の準備をされておられると……」
王子:「あ、あの父上はーっ……!」
シンデレラ:「それってつまり……?」
王子:「父上が私達の結婚をお認め下さっているということです。国王たる父上の公認なのです。これでもう反対者はいませんよ」
シンデレラ:「ああっ、王子様!」
王子:「シンデレラ。必ずキミを幸せにする。約束するよ。さあ、帰って結婚式の準備だ!」
俊介:「おおっ、ラストはちゃんと感動で終わったね」
孝夫:「ええ。だいぶ、冷や汗かきましたけど……」
尚、楽屋では継母役で最上位機種エミリーを連行するに辺り、憲兵役で下位機種のバージョン5.0であるルイージが後ろから蹴っ飛ばした疑惑が上がり、鋼鉄姉妹による厳しい尋問が行われていたという。
因みに例のブログ内でも指摘されているが、トンチンカッパさんの修羅ぶりを俗に「火病」と言い、動詞として使う場合、「ファビョる」と言う。
尚、この火病、宗門では仏法を真面目に実践することにより完治すると思われているのだが、私は懐疑的である。
仮にそうだとしても、治るまでの間、周囲にファビョる為、迷惑極まりない。