[2月7日08:00.天候:晴 商船三井フェリー“さんふらわあ さっぽろ”Aデッキ・レストラン内]
アリス:(´~`)モグモグ
敷島:「本当に二日酔いか?相変わらず食うなぁ……」
スクランブルエッグにベーコンやソーセージが大盛りになっているアリスの皿。
シンディ:「マスターのプロポーションは、この食欲もあるのですね。次は何をお持ちしますか?」
アリス:「サラダとフライドポテト持ってきてー」
シンディ:「かしこまりました」
朝食もバイキング方式である。
シンディはパタパタと料理が並んでいるテーブルに向かった。
アリス:「シンディが暴走したのが、あの廃屋の中だけで良かったじゃない。確かにあのタンカー船だったら、本当に海に投げ込まれていたかもね」
敷島:「ハハハハ……」
アリス:「ん?どうしたの?急に蒼くなって……」
敷島:「あ、いや、まあ、その……。『不死身の敷島』の異名を持つ俺でも、さすがにこんな真冬の太平洋に放り込まれたら死ぬだろうなって考えると、さすがに震えるよ」
アリス:「それで生きてたら、もう化け物よ。でも、タカオはそれでも死ななそうな何かを持っているよね」
敷島:「そ、そんなことは無いさ。モノには限度ってものがある」
アリス:「その限度を何度も超越したから、あなたは不死身の異名を付けられてるの。試しに飛び込んでみる?」
敷島:「カンベンしてくれよ!俺にもしものことがあったら、会社が心配だ」
アリス:「年度末のクソ忙しい時期に、のんきに船旅させてくれるってことは、社長の代わりなんて他にもいるってことじゃないの」
敷島:「そういう身も蓋も無いこと言うなぁっ!」
四季エンタープライズ、四季ホールディングスとの共同出資で設立された敷島エージェンシー。
書類上の経営責任者は敷島にはなっているのだが、その実態は……。
アリス:「ねぇ、まだ到着まで時間があるんだよね?」
敷島:「そうだな。大洗到着が14時ってことになってる」
アリス:「それなら、映画観に行かない?」
敷島:「映画だ?」
アリス:「マリンシアターってのが船内にあるの」
敷島:「で、何か観たい映画あるのか?」
アリス:「“渚のガイノイド”」
敷島:「ちょっと待て。それは確か、東北工科大学の学生達による自主制作映画だろ?確か本人出演でVシネマまではなったと聞いていたけども、いつの間に?」
アリス:「いいじゃない。あの平賀教授が、如何にして日本初のメイドロイド七海を製作したのか興味があるわ」
敷島:「一応、平賀先生の著作にそういうのがあるんだけどねぇ……」
未だにエミリーやシンディを『メイド長』と呼ぶ七海だが、今では七海自身が他のメイドロイド達の長のようなものである。
アリス:「ボーカロイドのことについても映画になるといいね」
敷島:「一応、“初音ミクの消失”があるぞ。架空だけど」
アリス:「架空じゃダメよ」
敷島:「まあ、いいや。観に行くとするか」
アリス:「ポップコーンとコーラでも買って行きましょう」
敷島:「映画館じゃないんだから……」
敷島は呆れた
[同日11:30.天候:晴 同船内Bデッキ・マリンシアター]
平賀:「ほら、行くぞ!さっさと準備しろ」
七海:「どこへ行かれるんですか?」
平賀:「学会だよ。お前も来い」
七海:「私も……ですか?」
平賀:「お前をロボット工学会で発表する。日本初のメイドロボット……いや、メイドロイドだ」
七海:「私が……」
ナレーター:「こうして、七海は学会でその存在を発表され、正式に『日本初のメイドロイド』として認定された。しかし……」
七海:「太一様、お茶が入りました」
平賀:「おう」
平賀、ティーカップを口に運ぶ。
平賀:「ブボッ!」
だが一口飲むなり、思いっ切り噴き出す。
平賀:「な、何だこれ!?コーヒーじゃないぞ!?……少しコーヒーの味はするけど!」
七海:「はい。太一様はブレンドコーヒーがお望みとのことですので、紅茶とブレンドしました。これが本当の紅ヒーなんちゃって❤」
平賀:「このバカ!……あー、もうっ!コーヒーくらい自分で入れる。……あ、そうだ。確かこの前、南里先生からヨーカンを貰ったんだ。お前、ヨーカン切って持ってきてくれ。それならできるだろう?」
七海:「かしこまりました」
七海、恭しくお辞儀して出て行く。
だが、何故かしばらくしてチェーンソーの音が聞こえてそれが遠ざかってしまう。
平賀:「何だ今の音は?」
そこへ平賀のゼミ生が血相を変えて飛び込んで来た。
ゼミ生:「先生、大変です!七海さんがチェーンソー持って、外に出て行きました!何を命令したんですか!?」
平賀:「はあ?自分はヨーカン切って持って来いって言っただけだぞ?」
ゼミ生:「それですよ!『太一様に洋館を切って持って来るように言われた』と言って、どこかの洋風の家を切るつもりですよ!」
平賀:「あ、あのバカ!」
ナレーター:「生みの親を身を挺して守った七海であったが、実際に主人の命令に忠実に行動できるのはまだまだ先なのであった」
敷島:「こ、これで終わりか……」
アリス:「エンディングに初音ミクの歌が入ってるけど、あんたもちょっと絡んでるのね」
敷島:「平賀先生本人出演の映画とあらば、俺も協力するさ。それにしても、確かに昔の七海はあんな感じだったかなぁ……」
アリス:「確かにあれじゃ、まだ一般販売はできないわねぇ……」
敷島:「だが主人に対する忠誠心は本物だろう。でなきゃ、暴走トラックに轢かれそうになった平賀先生を庇ったり、東京決戦で前期型のシンディの前に立ちはだかったりしないさ。なあ、シンディ?お前もそう思うだろ?」
敷島は後ろの席に座っているシンディの方を向いた。
エミリー:「申し訳ありません。シンディ、笑いのツボに入ったみたいで……」
シンディ:「くくくくく……(笑)!こ、コーヒーと紅茶で紅ヒーって……はははははははははははは!!(笑)」
アリス:「……今度、タカオの秘書やった時にやってみたら?」
敷島:「おい、カンベンしろよ!ていうかアリス、お前、シンディの笑いの沸点設定、低くし過ぎ!もっと高めに設定し直せよ!」
アリス:「いいじゃないの、別に」
エミリー:「シンディ、一度再起動した方が……」
シンディ:「だ、大丈夫……ふひっ!ふひひひひひひ……!」
敷島:「ま、今の七海はさすがにそんなボケをしないようにはなったがな」
敷島達はマリンシアターを出た。
アリス:(´~`)モグモグ
敷島:「本当に二日酔いか?相変わらず食うなぁ……」
スクランブルエッグにベーコンやソーセージが大盛りになっているアリスの皿。
シンディ:「マスターのプロポーションは、この食欲もあるのですね。次は何をお持ちしますか?」
アリス:「サラダとフライドポテト持ってきてー」
シンディ:「かしこまりました」
朝食もバイキング方式である。
シンディはパタパタと料理が並んでいるテーブルに向かった。
アリス:「シンディが暴走したのが、あの廃屋の中だけで良かったじゃない。確かにあのタンカー船だったら、本当に海に投げ込まれていたかもね」
敷島:「ハハハハ……」
アリス:「ん?どうしたの?急に蒼くなって……」
敷島:「あ、いや、まあ、その……。『不死身の敷島』の異名を持つ俺でも、さすがにこんな真冬の太平洋に放り込まれたら死ぬだろうなって考えると、さすがに震えるよ」
アリス:「それで生きてたら、もう化け物よ。でも、タカオはそれでも死ななそうな何かを持っているよね」
敷島:「そ、そんなことは無いさ。モノには限度ってものがある」
アリス:「その限度を何度も超越したから、あなたは不死身の異名を付けられてるの。試しに飛び込んでみる?」
敷島:「カンベンしてくれよ!俺にもしものことがあったら、会社が心配だ」
アリス:「年度末のクソ忙しい時期に、のんきに船旅させてくれるってことは、社長の代わりなんて他にもいるってことじゃないの」
敷島:「そういう身も蓋も無いこと言うなぁっ!」
四季エンタープライズ、四季ホールディングスとの共同出資で設立された敷島エージェンシー。
書類上の経営責任者は敷島にはなっているのだが、その実態は……。
アリス:「ねぇ、まだ到着まで時間があるんだよね?」
敷島:「そうだな。大洗到着が14時ってことになってる」
アリス:「それなら、映画観に行かない?」
敷島:「映画だ?」
アリス:「マリンシアターってのが船内にあるの」
敷島:「で、何か観たい映画あるのか?」
アリス:「“渚のガイノイド”」
敷島:「ちょっと待て。それは確か、東北工科大学の学生達による自主制作映画だろ?確か本人出演でVシネマまではなったと聞いていたけども、いつの間に?」
アリス:「いいじゃない。あの平賀教授が、如何にして日本初のメイドロイド七海を製作したのか興味があるわ」
敷島:「一応、平賀先生の著作にそういうのがあるんだけどねぇ……」
未だにエミリーやシンディを『メイド長』と呼ぶ七海だが、今では七海自身が他のメイドロイド達の長のようなものである。
アリス:「ボーカロイドのことについても映画になるといいね」
敷島:「一応、“初音ミクの消失”があるぞ。架空だけど」
アリス:「架空じゃダメよ」
敷島:「まあ、いいや。観に行くとするか」
アリス:「ポップコーンとコーラでも買って行きましょう」
敷島:「映画館じゃないんだから……」
敷島は呆れた
[同日11:30.天候:晴 同船内Bデッキ・マリンシアター]
平賀:「ほら、行くぞ!さっさと準備しろ」
七海:「どこへ行かれるんですか?」
平賀:「学会だよ。お前も来い」
七海:「私も……ですか?」
平賀:「お前をロボット工学会で発表する。日本初のメイドロボット……いや、メイドロイドだ」
七海:「私が……」
ナレーター:「こうして、七海は学会でその存在を発表され、正式に『日本初のメイドロイド』として認定された。しかし……」
七海:「太一様、お茶が入りました」
平賀:「おう」
平賀、ティーカップを口に運ぶ。
平賀:「ブボッ!」
だが一口飲むなり、思いっ切り噴き出す。
平賀:「な、何だこれ!?コーヒーじゃないぞ!?……少しコーヒーの味はするけど!」
七海:「はい。太一様はブレンドコーヒーがお望みとのことですので、紅茶とブレンドしました。これが本当の紅ヒーなんちゃって❤」
平賀:「このバカ!……あー、もうっ!コーヒーくらい自分で入れる。……あ、そうだ。確かこの前、南里先生からヨーカンを貰ったんだ。お前、ヨーカン切って持ってきてくれ。それならできるだろう?」
七海:「かしこまりました」
七海、恭しくお辞儀して出て行く。
だが、何故かしばらくしてチェーンソーの音が聞こえてそれが遠ざかってしまう。
平賀:「何だ今の音は?」
そこへ平賀のゼミ生が血相を変えて飛び込んで来た。
ゼミ生:「先生、大変です!七海さんがチェーンソー持って、外に出て行きました!何を命令したんですか!?」
平賀:「はあ?自分はヨーカン切って持って来いって言っただけだぞ?」
ゼミ生:「それですよ!『太一様に洋館を切って持って来るように言われた』と言って、どこかの洋風の家を切るつもりですよ!」
平賀:「あ、あのバカ!」
ナレーター:「生みの親を身を挺して守った七海であったが、実際に主人の命令に忠実に行動できるのはまだまだ先なのであった」
敷島:「こ、これで終わりか……」
アリス:「エンディングに初音ミクの歌が入ってるけど、あんたもちょっと絡んでるのね」
敷島:「平賀先生本人出演の映画とあらば、俺も協力するさ。それにしても、確かに昔の七海はあんな感じだったかなぁ……」
アリス:「確かにあれじゃ、まだ一般販売はできないわねぇ……」
敷島:「だが主人に対する忠誠心は本物だろう。でなきゃ、暴走トラックに轢かれそうになった平賀先生を庇ったり、東京決戦で前期型のシンディの前に立ちはだかったりしないさ。なあ、シンディ?お前もそう思うだろ?」
敷島は後ろの席に座っているシンディの方を向いた。
エミリー:「申し訳ありません。シンディ、笑いのツボに入ったみたいで……」
シンディ:「くくくくく……(笑)!こ、コーヒーと紅茶で紅ヒーって……はははははははははははは!!(笑)」
アリス:「……今度、タカオの秘書やった時にやってみたら?」
敷島:「おい、カンベンしろよ!ていうかアリス、お前、シンディの笑いの沸点設定、低くし過ぎ!もっと高めに設定し直せよ!」
アリス:「いいじゃないの、別に」
エミリー:「シンディ、一度再起動した方が……」
シンディ:「だ、大丈夫……ふひっ!ふひひひひひひ……!」
敷島:「ま、今の七海はさすがにそんなボケをしないようにはなったがな」
敷島達はマリンシアターを出た。
南部縦貫鉄道ですね。
10年以上も前、仕事で何度か近くを通ったことがありましたが、その時はまだ廃線跡がくっきり残っておりました。
分類上は普通の鉄道です(鉄道営業法)。
1両のディーゼルカーで走るだけの。
トロリーバスは本当に架線から電気を取って走る電車のことです。
但し、路面電車と違って軌道要らずなので、正式には無軌条電車と言います。
見た目がトロリーを使って走るバスに見えるので、そう呼ばれたのでしょう。
レールバスも、バスのように小さな車体の鉄道車両が走る様(車両によっては本当にバスの部品を使うこともあります)からそのように呼ばれたんだと思います。
実際、南部縦貫鉄道の車両も、路線バスのような小型の車両が使用されていました。
昔、青森の野辺地辺りを走っていたレールバスは
分類ではトロリーバスの様な感じですか?