[10月6日12:00.天候:晴 埼玉県さいたま市中央区 斉藤家]
私の名前は愛原リサ。
名字は私の保護者である探偵の愛原学先生から、名前は私を無理やり改造した日本アンブレラの研究員が付けた。
人間だった頃の名前は憶えていない。
今日は私が転入した中学校で、1番仲良くしてくれてるサイトーの家に遊びに行った。
サイトーは元々埼玉県に住んでいて、中学受験を機に学校の近くのマンションにメイドさんと2人で暮らしているらしい。
たまの休みでは、こうやって帰っているみたいだけど。
私とサイトーはサイトーの部屋でゲームをやっていた。
メイド:「失礼致します。御昼食をお持ちしました」
私はメイドさんにパスタをお願いしたけど、何のパスタがいいかまでは考え付かなかった。
とにかく、今はパスタなら何でも食べたい感じ。
そこで私は、メイドさんにお任せすることにした。
斉藤:「ありがとう。何のパスタにしたの?」
メイド:「ボロネーゼでございます」
リサ:「ボロネーゼ?」
私がお皿に盛られたパスタを見ると、それは……。
リサ:「ミートソース……だよね?」
高橋兄ちゃんが、昼食に時々作ってくれるミートソースとは少し見た目が違うけど、匂いとか見た目全体はそんな感じ。
愛原さんはこれが好きらしく、私も一緒に食べることが多かった。
斉藤:「そうとも言うかしら」
メイド:「ですが、ミートソースとは少し違うんですよ」
斉藤:「そうなの?」
メイド:「はい。このボロネーゼは主としてトマトを殆ど使わずにワインで煮込むのに対し、ミートソースはトマトで煮込むのです。それ故に、ボロネーゼはワインの渋みを利用した肉ベースの味に対しまして、ミートソースはケチャップや砂糖などを加えることが多く、トマトベースの甘い味付けとなります」
ということは、ボロネーゼの方が高級ってこと?
何か、却って高そうなの注文しちゃったなぁ……。
メイド:「もちろん、ワインのアルコール成分は煮込む時に蒸発してしまいますので、御嬢様方がお食べになられても大丈夫です」
斉藤:「美味しそうね。早速頂きましょう。ゲームは一旦止めて、アニメでも観る?」
リサ:「観る!」
家にあるDVDは、何だか難しいのばかりだもんね。
愛原さんの部屋にあるのは、何だか大人びた制服のお姉さんがオジさんと何かしているヤツとか、後は『堕ちた女スパイ』とか何か色々あったし。
高橋兄ちゃんの部屋は、何だか男の人同士が色々やってるヤツばかりだし。
リサ:「本当にサイトーは何でも持ってるんだね」
斉藤:「そ、そんな……大したことないよ……」
私達はアニメのDVDを観ながら昼食を取った。
リサ:「このパスタ、美味しい」
斉藤:「うちのメイド、ハウスメイドからキッチンメイドから何でもできるのよ」
リサ:「スゴいね」
斉藤:「リサさんと比べたら、私なんて大したことない……」
リサ:「え?」
斉藤:「リサさんだけだもの。こうして、私と分け隔てなく付き合ってくれるの」
リサ:「そう?」
斉藤:「きっとリサさん、私のこと、もっと知ったら怖くて逃げちゃうかもしれない……」
リサ:「それなら私も似たようなものだけど……」
ん?サイトーもBOW?そんなわけないか。
もしそうなら、臭いで分かるもんね。
リサ:「人には誰でも秘密の1つや2つあるからね、私にもあるもの」
斉藤:「リサさんにも?」
リサ:「霧生市で色々なことがあったからね」
斉藤:「でも、そんなの秘密でも無いでしょう。霧生市で流行った伝染病のことについてなら、もうテレビでやってたし……」
今やTウィルス以上の物がこの世界に存在している。
霧生市で漏れた初期のウィルスは、アメリカから移されたものに過ぎない。
リサ:「そういうことじゃないの」
私もまたそのウィルスをばら撒いた側だって知ったら、きっとサイトーも……。
リサ:「色々とね、あったの……」
斉藤:「わ、私も色々あったよ!だから、お互い秘密を持ってる人同士、仲良くしてくれる?」
リサ:「もちろん」
私はサイトーをハグした。
斉藤:「も、萌ぇぇぇぇぇぇっ!!」
リサ:「アニメ観たらどうする?」
斉藤:「しょ、食後に軽く運動しましょ」
リサ:「運動できる所なんてあるの?」
[同日13:00.天候:晴 斉藤家B1F]
斉藤家にはエレベーターがある。
といっても扉はクローゼットのドアみたいな感じだし、定員も3人くらい乗れれば御の字って感じ。
トイレくらいの広さかもしれない。
それで地下室に下りてみると、そこにはランニングマシーンとか卓球台とか置いてあった。
また、狭いながらもプールもあるらしい。
リサ:「プールもあるの!」
斉藤:「10メートル四方しか無いけどね。ああ、今は水を張って無いから、プールはまた今度ね」
リサ:「プール!入ってみたい!」
斉藤:「プールの授業9月で終わりだから、水泳部以外はもうプールに入らないものね。今度、水着持ってきて」
リサ:「学校のしか持ってない」
斉藤:「それでいいのよ!(リサさんの水着姿……)それより、何して運動する?」
リサ:「んー……あれやりたい」
私はランニングマシーンを指さした。
リサ:「いいよ。走り込みね」
ベルトコンベアの速度を調節できるらしい。
まずは時速10キロ。
リサ:「ん!」
ダッダッダッと走る私。
斉藤:「リサさん、足速いね!」
リサ:「そう?」
時速20キロ、30キロ、40キロ……。
斉藤:「え?え?え?」
50キロ、そして60キロ……。
久しぶりに力を解放……あ゛っ!
リサ:「い、今のはほんのパフォーマンス!ぱ、パフォーマンスだから!」
余裕で走り切った私を見て、斉藤はムンクの叫びを上げていた。
ま、まずい。正体がバレた!?
アメリカのオリジナル版は怪力で不死身ながらも、動きが遅いらしいけど、派生版の私はこの通り……。
愛原さんとかは私のことを『完成版』なんて呼ぶけど……。
斉藤:「リサさん、今度の体育祭、リレーで出たら!?それとも、陸上部入る!?」
サイトーは鼻息を荒くして言った。
私は今のところ部活には入っていない。
担任の先生からは、どこに入るか考えておけって言われたけど……。
ていうか、私が時速60キロを余裕で走ったことには何のツッコミも無いのだろうか?
リサ:「い、いや、いいよ。こ、これは止めとく。え、えーと……今度はあれがいい」
私はエアホッケーの台を指さした。
斉藤:「いいよ。あれで勝負しましょう!」
サイトーはエアホッケーの台の電源を入れた。
私の名前は愛原リサ。
名字は私の保護者である探偵の愛原学先生から、名前は私を無理やり改造した日本アンブレラの研究員が付けた。
人間だった頃の名前は憶えていない。
今日は私が転入した中学校で、1番仲良くしてくれてるサイトーの家に遊びに行った。
サイトーは元々埼玉県に住んでいて、中学受験を機に学校の近くのマンションにメイドさんと2人で暮らしているらしい。
たまの休みでは、こうやって帰っているみたいだけど。
私とサイトーはサイトーの部屋でゲームをやっていた。
メイド:「失礼致します。御昼食をお持ちしました」
私はメイドさんにパスタをお願いしたけど、何のパスタがいいかまでは考え付かなかった。
とにかく、今はパスタなら何でも食べたい感じ。
そこで私は、メイドさんにお任せすることにした。
斉藤:「ありがとう。何のパスタにしたの?」
メイド:「ボロネーゼでございます」
リサ:「ボロネーゼ?」
私がお皿に盛られたパスタを見ると、それは……。
リサ:「ミートソース……だよね?」
高橋兄ちゃんが、昼食に時々作ってくれるミートソースとは少し見た目が違うけど、匂いとか見た目全体はそんな感じ。
愛原さんはこれが好きらしく、私も一緒に食べることが多かった。
斉藤:「そうとも言うかしら」
メイド:「ですが、ミートソースとは少し違うんですよ」
斉藤:「そうなの?」
メイド:「はい。このボロネーゼは主としてトマトを殆ど使わずにワインで煮込むのに対し、ミートソースはトマトで煮込むのです。それ故に、ボロネーゼはワインの渋みを利用した肉ベースの味に対しまして、ミートソースはケチャップや砂糖などを加えることが多く、トマトベースの甘い味付けとなります」
ということは、ボロネーゼの方が高級ってこと?
何か、却って高そうなの注文しちゃったなぁ……。
メイド:「もちろん、ワインのアルコール成分は煮込む時に蒸発してしまいますので、御嬢様方がお食べになられても大丈夫です」
斉藤:「美味しそうね。早速頂きましょう。ゲームは一旦止めて、アニメでも観る?」
リサ:「観る!」
家にあるDVDは、何だか難しいのばかりだもんね。
愛原さんの部屋にあるのは、何だか大人びた制服のお姉さんがオジさんと何かしているヤツとか、後は『堕ちた女スパイ』とか何か色々あったし。
高橋兄ちゃんの部屋は、何だか男の人同士が色々やってるヤツばかりだし。
リサ:「本当にサイトーは何でも持ってるんだね」
斉藤:「そ、そんな……大したことないよ……」
私達はアニメのDVDを観ながら昼食を取った。
リサ:「このパスタ、美味しい」
斉藤:「うちのメイド、ハウスメイドからキッチンメイドから何でもできるのよ」
リサ:「スゴいね」
斉藤:「リサさんと比べたら、私なんて大したことない……」
リサ:「え?」
斉藤:「リサさんだけだもの。こうして、私と分け隔てなく付き合ってくれるの」
リサ:「そう?」
斉藤:「きっとリサさん、私のこと、もっと知ったら怖くて逃げちゃうかもしれない……」
リサ:「それなら私も似たようなものだけど……」
ん?サイトーもBOW?そんなわけないか。
もしそうなら、臭いで分かるもんね。
リサ:「人には誰でも秘密の1つや2つあるからね、私にもあるもの」
斉藤:「リサさんにも?」
リサ:「霧生市で色々なことがあったからね」
斉藤:「でも、そんなの秘密でも無いでしょう。霧生市で流行った伝染病のことについてなら、もうテレビでやってたし……」
今やTウィルス以上の物がこの世界に存在している。
霧生市で漏れた初期のウィルスは、アメリカから移されたものに過ぎない。
リサ:「そういうことじゃないの」
私もまたそのウィルスをばら撒いた側だって知ったら、きっとサイトーも……。
リサ:「色々とね、あったの……」
斉藤:「わ、私も色々あったよ!だから、お互い秘密を持ってる人同士、仲良くしてくれる?」
リサ:「もちろん」
私はサイトーをハグした。
斉藤:「も、萌ぇぇぇぇぇぇっ!!」
リサ:「アニメ観たらどうする?」
斉藤:「しょ、食後に軽く運動しましょ」
リサ:「運動できる所なんてあるの?」
[同日13:00.天候:晴 斉藤家B1F]
斉藤家にはエレベーターがある。
といっても扉はクローゼットのドアみたいな感じだし、定員も3人くらい乗れれば御の字って感じ。
トイレくらいの広さかもしれない。
それで地下室に下りてみると、そこにはランニングマシーンとか卓球台とか置いてあった。
また、狭いながらもプールもあるらしい。
リサ:「プールもあるの!」
斉藤:「10メートル四方しか無いけどね。ああ、今は水を張って無いから、プールはまた今度ね」
リサ:「プール!入ってみたい!」
斉藤:「プールの授業9月で終わりだから、水泳部以外はもうプールに入らないものね。今度、水着持ってきて」
リサ:「学校のしか持ってない」
斉藤:「それでいいのよ!(リサさんの水着姿……)それより、何して運動する?」
リサ:「んー……あれやりたい」
私はランニングマシーンを指さした。
リサ:「いいよ。走り込みね」
ベルトコンベアの速度を調節できるらしい。
まずは時速10キロ。
リサ:「ん!」
ダッダッダッと走る私。
斉藤:「リサさん、足速いね!」
リサ:「そう?」
時速20キロ、30キロ、40キロ……。
斉藤:「え?え?え?」
50キロ、そして60キロ……。
久しぶりに力を解放……あ゛っ!
リサ:「い、今のはほんのパフォーマンス!ぱ、パフォーマンスだから!」
余裕で走り切った私を見て、斉藤はムンクの叫びを上げていた。
ま、まずい。正体がバレた!?
アメリカのオリジナル版は怪力で不死身ながらも、動きが遅いらしいけど、派生版の私はこの通り……。
愛原さんとかは私のことを『完成版』なんて呼ぶけど……。
斉藤:「リサさん、今度の体育祭、リレーで出たら!?それとも、陸上部入る!?」
サイトーは鼻息を荒くして言った。
私は今のところ部活には入っていない。
担任の先生からは、どこに入るか考えておけって言われたけど……。
ていうか、私が時速60キロを余裕で走ったことには何のツッコミも無いのだろうか?
リサ:「い、いや、いいよ。こ、これは止めとく。え、えーと……今度はあれがいい」
私はエアホッケーの台を指さした。
斉藤:「いいよ。あれで勝負しましょう!」
サイトーはエアホッケーの台の電源を入れた。
バッドエンドの選択肢は「ミートソース」。
赤いソースが血を連想させ、パスタの中でも肉をふんだんに使うそれを選んだリサは、どういうわけだかそれで斉藤に正体を感づかれてしまい、パスタに毒薬を入れられて殺されてバッドエンドです。
斉藤:「赤い血に人の肉を食らいたがる。やはりあなたが噂の『リサ・トレヴァー』だったのね。悪いけど、ここで死んでもらうわよ」
リサ:「わ、わたし……なにも……していない………」
尚、他の選択肢を選んだ場合、メイドの講釈が変わるだけでスト―リーは先に進みます。
分かるかいっw
いや、ホンマ作家さんは想像力っていうか、
めっちゃ凄いわ。
>分かるかいっw
ツッコミ、おおきにです。
正にこれがサウンドノベルゲームの面白いところでしてね。
明らかに非常識な回答をして、自業自得な結果を招いたり、むしろそれでバッドエンドが回避できたりと千差万別なんですね。
もちろん、その逆もありです。
常識的な回答をしたのに、罠に嵌められたりすることも多々あります。